栄養教養学部 / カラダづくり学科

タンパク質

タンパク質を多く含む食品

  • 魚介類
    まぐろ赤身

    まぐろ赤身

  • 肉類
    鶏ささみ

    鶏ささみ

  • 大豆・大豆製品
    豆腐

    豆腐

  • 卵類
    卵

  • 牛乳・乳製品
    牛乳

    牛乳

  • ヨーグルト

    ヨーグルト

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1日の摂取推奨量:
30歳〜49歳
男性 65g / 女性 50g

※「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より

タンパク質の性質と働き

タンパク質は炭水化物・脂質とともに3大栄養素と呼ばれるエネルギー源のひとつです。1gで約4kcalのエネルギーを生み出しますが、エネルギー源よりも組織や酵素、ホルモンの材料として優先的に使われます。タンパク質は20種類のアミノ酸で構成されており、体内で合成できない必須アミノ酸(9種)と、体内で合成できる非必須アミノ酸(11種)に分けられます。人の体は約10万種類のタンパク質から構成されていますが、これらはアミノ酸の種類や配列によって違いが生じます。アミノ酸からのみつくられる「単純タンパク質」とアミノ酸以外の成分も含む「複合タンパク質」などの分類もあります。

タンパク質は消化管を通過する間にさまざまな消化酵素の働きで最小単位のアミノ酸に分解され、肝臓に送られます。血液とともに全身に運ばれたアミノ酸は筋肉、内臓、皮膚、髪の毛、骨などを構成します。
またセロトニンなどのホルモンや、消化吸収、代謝をサポートする酵素、更には免疫力を支える抗体など、生命の維持に欠かせない様々な機能において重要な役割を担っています。

摂取のポイント

タンパク質を構成しているアミノ酸のうち、必須アミノ酸(9種)は必ず食物から補給しなければならず、全種類をバランスよく摂取することが理想的です。
食品から摂るタンパク質には植物性と動物性があります。動物性のほうが体内で活用されやすいとされている一方で脂肪も多く含まれているのに対し、植物性タンパク質の納豆や豆腐といった食品は低脂肪です。どちらかに偏らないよう、バランスよく、毎食欠かさず摂り入れるのがおすすめです。
そして、タンパク質の代謝を手助けするのが「ビタミンB6」と「ビタミンC」。マグロやカツオなどの赤身魚や牛レバー、鶏ささみはビタミンB6が多く含まれますから、タンパク質とビタミンB6を効率のよく摂取できる食品といえます。皮膚や骨などに関わりの深いコラーゲンというタンパク質の合成にはビタミンCが不可欠です。このようにタンパク質の代謝を意識した食品選びも、タンパク摂取のポイントのひとつとなります。

摂取の注意点

摂取不足

タンパク質が不足すると、細菌やウイルスなどへの抵抗力、免疫力が低下します。また、筋肉量の減少、筋力の低下が起こり体力も失われます。
細胞の材料となるため、皮膚の美しさや髪のしなやかさが失われたり、貧血の原因となることもあります。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」では、高齢者のフレイル予防の観点から、十分な量のタンパク質を毎日摂取すことが推奨されています。

過剰摂取

摂取したタンパク質が体内で合成、分解を繰り返す過程の副産物である窒素の体外排出のため、腎臓に負担がかかり内臓疲労が起こる可能性があります。
また過剰に摂取したタンパク質は脂肪として蓄えられることからカロリーオーバーになりやすく肥満を招いたり、吸収されず腸に送られた動物性タンパク質が腸内で悪玉菌のエサになり増殖を促すため、腸内環境の乱れにつながることもあります。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」において、タンパク質の目標量(上限)は1歳以上の全年齢区分において食事から摂取するエネルギー量のうち20%と設定されているので、それを超えないように意識しましょう。

妊娠中、授乳中の方へ

妊娠中、授乳中のタンパク質摂取量は非妊娠時の量(上記1日の摂取推奨量参照)に、妊娠中期では+10g、後期では+25g、授乳婦は+20gの摂取が推奨されています。
「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より