ニュースリリース

大塚製薬株式会社

2009年8月4日

医薬関連事業

経口バソプレシンV2受容体拮抗剤 「SAMSCA
SIADHによる低ナトリウム血症の治療薬として欧州委員会より承認取得

大塚製薬株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:岩本太郎)の欧州統括会社である大塚ファーマシューティカルヨーロッパLtd.(本社:英国オックスブリッジ、社長兼CEO:アントーニ ヴィジャロー)は、経口選択的バソプレシンV2受容体拮抗剤「SAMSCA」(日本語表記:サムスカ、一般名/一般名英語表記:トルバプタン/tolvaptan)について、成人の抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)による低ナトリウム血症の適応症で、2009年8月3日に欧州委員会(European Commission:EC)から販売承認を取得いたしました。「SAMSCA」は、欧州で初めて同適応症で承認を受けた経口投与可能な非ペプチド性バソプレシン V2受容体拮抗剤です。

「SAMSCA」は、腎臓の集合管において、バソプレシン(抗利尿ホルモン)のV2受容体への結合を選択的に阻害する、独自の作用機序をもった治療薬です。バソプレシンは、その作用のひとつとして、V2受容体に結合することで、体液を保持することが知られています。「SAMSCA」は、V2受容体において、バソプレシンの働きを抑制することで、ナトリウムなどの電解質の排出に直接の影響を与えずに、尿中から血中への水再吸収を減少させ、水を体外へ排出するメカニズムを持ちます。

SIADHは、不適切に分泌されたバソプレシンが腎集合管のV2受容体を介して水の再吸収を促進し、腎臓からの水の排泄を抑制することにより、水分貯留を起こすことで、低ナトリウム血症の原因となります。SIADHの発症原因は様々ですが、中でも悪性腫瘍(抗利尿ホルモン産生腫瘍)、中枢神経性疾患、薬剤などにより発症することが知られています。これまでの低ナトリウム血症の治療法は限られており、治療も難しいのが実情でした。

「SAMSCA」は、大塚製薬が自社で創製した化合物で、北米・欧州・日本を含むアジアでグローバルに臨床開発を行っています。2009年6月には、米国で販売を開始しました。この度、欧州委員会からの承認を受け、「SAMSCA」は、英国、ドイツをはじめ、欧州各国で販売が開始されます。「SAMSCA」の販売は、大塚製薬の各国現地法人が行ってまいります。

大塚製薬は ‘Otsuka-people creating new products for better health worldwide’ の企業理念のもと、世界の人々の健康に寄与してまいります。

SAMSCAについて(欧州)

製品名 SAMSCA (日本語表記:サムスカ)
一般名 tolvaptan (日本語表記:トルバプタン)
効能・効果 Treatment of hyponatraemia secondary to Syndrome of Inappropriate Antidiuretic Hormone Secretion (SIADH).

日本語訳:抗利尿ホルモン不適合分泌症候群(SIADH)による低ナトリウム血症の治療
剤形 錠剤
承認日 2009年8月3日

ご参考

低ナトリウム血症について

低ナトリウム血症は、血中のナトリウム濃度の低さで特徴づけられ、心不全や肝硬変の患者さんの予後に影響を与えるものとして知られています。また、患者さんの入院期間や病状の進行を判断するための重要な指標となります。正常な血清ナトリウム濃度は、135~145mEq/Lで、135mEq/L未満は低ナトリウム血症と診断されます。

血清ナトリウム値が急激に低下する場合、混乱を伴う精神状態の変調、昏睡、痙攣発作などが生じ、血清ナトリウム値が徐々に低下する場合でも、筋痙攣や頭痛などが引き起こされることがあります。また、慢性的な低ナトリウム血症の患者さんは、注意欠如、非静穏性、歩行障害、姿勢保持困難、転倒回数の増加などの症状を抱えます。その他の症状として、悪心・嘔吐、興奮、衰弱などがあります。

SIADHについて

SIADHとは、バソプレシンが生理的分泌調整機構から逸脱して不適切に分泌されている病態であり、不適切に分泌されたバソプレシンは、V2受容体を介して腎集合管での水再吸収を促進することにより、腎臓からの水の排泄を抑制して水分貯留を起こし、その結果、希釈性低ナトリウム血症を呈します。SIADHは悪性腫瘍(抗利尿ホルモン産生腫瘍)、中枢性疾患、薬剤などによって発症することが知られています。

本ニュースリリースの掲載情報は、発表当時のものです。