ニュースリリース

大塚製薬株式会社

2010年10月27日

医薬関連事業

電解質排泄の増加を伴わず水分のみ排泄する作用を持つ
バソプレシンV2-受容体拮抗剤「サムスカ®錠15mg」
製造販売承認取得 10月27日

大塚製薬株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:岩本太郎、以下「大塚製薬」)は、バソプレシンV2-受容体拮抗剤「サムスカ®錠 15mg (一般名: トルバプタン)」の製造販売承認を2010年10月27日に取得しました。本剤は、「ループ利尿薬等の他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留」の効能・効果で承認されました。

「サムスカ」は、大塚製薬が合成した非ペプチド性バソプレシンV2-受容体拮抗剤で、腎臓の集合管において、バソプレシン(抗利尿ホルモン)のV2-受容体への結合を選択的に阻害する作用機序を持った治療薬です。バソプレシンは、その作用のひとつとして、V2-受容体に結合することで、体液を保持することが知られています。「サムスカ錠」は、V2-受容体においてバソプレシンの働きを抑制することで、尿中から血中への水の再吸収を減少させ、ナトリウムなどの電解質排泄に直接の影響を与えずに水分のみを体外へ排出するメカニズムを持ちます。

「サムスカ錠15mg」の承認を受け、大塚製薬株式会社 代表取締役社長 岩本太郎は、「水だけを出す利尿剤が欲しい。当社におけるバソプレシンV2-受容体拮抗剤の研究開発は、1980年代前半に切実な臨床現場の声をきっかけに始まりました。しかし、利尿剤による治療法は約30年間にわたり変わっておらず、従来の課題を解決する新しい治療法が求められておりました。この度の承認により、長期にわたる当社の研究開発がひとつの成果として、医療の現場に届く日が近づいていることに大変な喜びを覚えています。従来の治療では十分な効果が得られなかった患者さんにとって、『サムスカ錠』が福音となることを願っています。」と述べています。

「サムスカ」は、大塚製薬が自社で創製した化合物で、北米・欧州・日本を含むアジアでグローバルに開発が行われています。2009年6月には、米国で販売を開始しました。また、2009年8月には欧州委員会からの承認を受け、英国、ドイツをはじめ、欧州各国で販売を開始しています。

大塚製薬は ‘Otsuka-people creating new products for better health worldwide’ の企業理念のもと、世界の人々の健康に寄与してまいります。

国内第三相試験について

「サムスカ」は、国内第III相二重盲検比較試験(QUEST試験)において、他の利尿剤を投与しても体液貯留が認められるうっ血性心不全患者さんを対象に、本剤15mgまたはプラセボを1日1回7日間経口投与し、有効性を検討した結果、主要評価項目である最終投与時の体重変化量に関し、本剤投与群では、プラセボ投与群に比較し、有意な体重減少が認められています。また、最終投与時における体液貯留に伴う所見(頚動脈怒張、肝腫大、下肢浮腫)の改善が認められています。

うっ血性心不全における体液貯留について

うっ血性心不全を抱える患者さんでは、心臓のポンプ機能の低下により浮腫(体液貯留)が生じることがあります。浮腫により、患者さんの呼吸が困難になる、活動性が低下するなど、生活の質に大きく影響します。浮腫の治療には利尿薬が用いられますが、既存の利尿薬では効果が十分に得られない患者さんもおり、血清電解質異常や腎機能の低下が起こるという懸念も報告されています。また、体液を管理するため患者さんは水分摂取量を制限しなければなりませんが、患者さんにとっては非常に苦痛となり、治療上の問題点が指摘されています。

サムスカ錠 承認内容の概要について

本ニュースリリースの掲載情報は、発表当時のものです。