大塚製薬株式会社
武田薬品工業株式会社

医療関連事業
2014年3月27日

大塚製薬と武田薬品
消化器領域の酸関連疾患治療薬TAK-438の国内共同プロモーション契約を締結

  • 両社は、武田薬品が日本において製造販売承認申請中の「TAK-438」の販売に関して共同プロモーション契約を締結した
  • 消化器領域で防御因子増強剤のトップシェア製品の「ムコスタ」を有する大塚製薬と、発売以来20年以上国内のPPI市場を牽引してきた「タケプロン」を有する武田薬品の両社によるプロモーションを通じ、酸関連疾患治療における課題解決につながる活動を実施し、更なる医療ニーズへの貢献を目指す
  • 本契約に基づき、武田薬品は契約一時金200億円と承認時マイルストンを大塚製薬から受け取るとともに、大塚製薬はTAK-438の売上に対する一定の対価を武田薬品から受け取る

大塚製薬株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:岩本太郎、以下「大塚製薬」)と武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長:長谷川閑史、以下「武田薬品」)は、武田薬品が創製した酸関連疾患治療薬TAK-438(一般名:ボノプラザンフマル酸塩)の日本国内での販売に関する共同プロモーション契約を締結しましたのでお知らせします。

現在、日本において、プロトンポンプ阻害剤(PPI)は酸関連疾患治療の第一選択薬の1つとして広く処方されていますが、PPIでは必ずしも十分な治療効果が得られないケースもあります。また、PPIはその代謝に遺伝子多型のあるCYP2C19が関与していることから酸分泌抑制効果に個人差が見られる場合があります。本薬は、作用の発現にあたり酸による活性化が不要であり、標的臓器である胃に高濃度に移行することによって投与初日からほぼ最大に近い薬効を示します。さらに、PPIとは異なり本薬の代謝には遺伝子多型のあるCYP2C19の関与が少ないことが示されています。また、本薬は24時間持続した効果を示し、酸に安定であり腸溶性製剤にするなどの製剤的な工夫を必要とせず、速放錠であることから作用発現のばらつきが少なく、酸関連疾患治療の問題点を解決する新たな治療薬となることが期待されています。

防御因子増強剤のトップシェア製品である「ムコスタ」と、ヘリコバクター・ピロリ診断薬「ユービット」を有し、消化器領域に強力なプレゼンスを築いている大塚製薬と、発売以来20年以上国内のPPI市場を牽引してきた「タケプロン」を有する武田薬品が共同でTAK-438のプロモーションを行うことにより、ヘリコバクター・ピロリの存在診断、除菌治療と治療評価を含む酸関連疾患治療に関して、より多くの医療関係者に最適な提案をすることが可能となります。

大塚製薬の代表取締役社長 岩本太郎は、「この度の提携で、消化器領域の分野で継続的に強いリーダーシップを発揮される武田薬品と共に、日本の患者さんの未解決の問題に、よりよい治療を広く提供できることを大変嬉しく思います。今後も多くの患者さんのQOL向上を目指して革新的な創薬や診断薬の開発に努めてまいります」と述べています。

武田薬品の代表取締役社長 長谷川閑史は、「強力な酸分泌抑制を必要とする酸関連疾患治療において、新たなオプションとなるTAK-438について、最適なパートナーと共同プロモーション契約を締結できたことを嬉しく思います。当社は今後も、患者さんや医療関係者の皆さんの多様なニーズに応えられるよう、あらゆる可能性を追求してまいります」と述べています。

共同プロモーション契約の概要

本共同プロモーション契約の概要は以下の通りとなります。内容の詳細については開示しておりません。

  • 契約一時金200億円・承認時マイルストン:武田薬品は大塚製薬から受け取る 
  • 売上対価:大塚製薬は武田薬品から売上に対する一定の対価を受け取る
  • 契約テリトリー:日本

TAK-438(一般名:ボノプラザンフマル酸塩)について

TAK-438は、武田薬品が創製したカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(Potassium-Competitive Acid Blocker : P-CAB)と呼ばれる新しいカテゴリーの酸分泌抑制薬であり、胃壁細胞における酸分泌の最終段階に位置するH+, K+-ATPase(プロトンポンプ)をカリウムイオンと競合的に阻害することにより、強力かつ持続的な酸分泌抑制作用と、投与早期からの効果発現を示します。本薬については、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、逆流性食道炎、H.pyloriの除菌の補助などに関して、日本国内で複数の臨床第3相試験が実施され、その成績にもとづき、2014年2月、武田薬品が国内製造販売承認申請を行っています。