遺伝子からわかる血液がんのこと
多発性骨髄腫の治療
多発性骨髄腫とわかっても、貧血、骨痛、腎障害、高カルシウム血症などの症状がない場合(無症候性多発性骨髄腫)は、経過観察を行います。症状が現れると(症候性多発性骨髄腫)、患者さんの状態をみながら治療を始めますが、造血幹細胞移植を行えるかどうかで治療方針が分かれます。
造血幹細胞移植ができる場合、まずは寛解を目指して薬物療法を行います。その後、大量薬物療法と造血幹細胞移植を組み合わせた治療(寛解導入療法)を行います。造血幹細胞移植ができない場合も、薬物療法を行って寛解を目指します。どちらの場合でも、骨病変、腎障害、高カルシウム血症などの合併症に対する治療があわせて行われます。
治療後は経過を観察し、患者さんの状態によっては治療効果を維持させるための薬物療法(維持療法)を行います。なお、治療効果が十分に得られない場合や再発した場合は、患者さんの状態をみながら別のお薬を組み合わせて治療を行っていきます(救援療法)。