PAD:手足の変化に気をつけて。

PAD:手足の変化に気をつけて。
「PAD」をご存知ですか?末梢動脈疾患は、最近増加している「PAD」を皆様に知っていただき、患者さんに1日も早く元気になっていただくためのサイトです。
総合監修:医療法人財団順和会 山王メディカルセンター
血管外科統括部長/国際医療福祉大学教授
 重松 宏


PAD(末梢動脈疾患)について
「PAD」が動脈硬化と関係があることをご存知ですか?ここではPADがどのような病気なのかを知っていただき、原因や診断方法、さらに治療法についてご説明いたします。
PADを見逃さないためには?
痛いのは年のせい?
歩くと下肢が痛くなる原因にはいろいろあります。「年のせいだから」と自分で判断したり、他の病気だと勘違いして、PADを悪化させてしまう患者さんもまれではありません。

他の病気と間違えないように
足の痛みでとくに間違えやすいのは、脊柱管狭窄症*1 や関節疾患、深部静脈血栓症*2 などによる歩行中の痛みです。PADによる痛みには「ある程度の距離を歩くと筋肉の痛みのために歩けなくなる。しかし少し休むとまた歩ける」という特徴があります〔表4〕。
高血圧や糖尿病など、動脈硬化症になりやすい人にそのような症状が現れたときは、とくに注意したほうがよいでしょう。
〔表4〕 具体的な症状の見分け方
● PADによる痛み
ある距離を歩くと筋肉の痛みのために歩けなくなるが、少し休むとまた歩ける。
PADによる痛み
● 脊柱管狭窄症による痛み
少し歩くと筋肉の痛みのため、歩けなくなるが、しばらく屈む姿勢で休むと、また歩けるようになる。
脊柱管狭窄症による痛み
● 関節疾患による痛み
歩き始めから痛い。
関節疾患による痛み
● 深部静脈血栓症による痛み
歩いているときはよいが、立ち止まると痛くなる。
深部静脈血栓症による痛み
  • *1 脊柱管狭窄症:神経が通っている脊柱管が変形して狭くなることで神経を圧迫し、しびれや痛みを生じます
  • *2 深部静脈血栓症: 静脈にてきた血栓が血液中を流れて小さな血管に詰まり、塞栓症などを起こします。
    ロングフライト症候群などと呼ばれる症状がこれにあたります。

  • 注:日本では、「閉塞性動脈硬化症(Arteriosclerosis Obliterans;ASO)」と呼ばれている疾患ですが、海外では、「末梢動脈疾患(Peripheral Arterial Disease;PAD)」という疾患名が一般的です。
    PADの日本における保険適応上の疾患名は「閉塞性動脈硬化症」または「慢性動脈閉塞症」となります。