日中の眠気やイライラ、空腹感…… 食後血糖値のコントロールで健康管理!知っておきたい低GI食事術。

朝食 炭水化物 糖質 食物繊維

ランチ後に眠気がおそったり、なんだかイライラが止まらなかったり、また、食べたばっかりなのにすぐにお腹がすいてしまう、なんてことはありませんか?

そうした不調は、日々のストレスとなってさらなる不調を招くことがあります。そうした体の変化が起こる原因はさまざまですが、そのひとつとして考えられるのが「血糖値」の影響です。

糖質に偏った食事をすると、健康な人であっても「食後血糖値の上昇」が起こります。摂取した食べ物が「糖」に変わり、糖が血液中に流れている量を測定しているのが血糖値です。糖は、体を動かすエネルギー源となりますが、ラーメンだけ、うどんだけといった、糖質の多い食事をとると、食後の血糖値が急激に上がってしまうことがあります。一般的に、30分~1時間程度で、血糖値上昇のピークを迎え、急激に下がるという血糖値の大きな変動が、強い空腹感、イライラ、眠気などの不調につながることがある、といわれています。

血糖値の急激な変動を招かないために知っておきたいこと

忙しくて、朝食を抜いてしまうという方も多いのではないでしょうか。起床後、朝食抜きで活動すると、寝ている間に下がっていた血糖値を上げることができず、活動のために必要なエネルギー源が維持できません。そのため、空腹の時間に対応しようとして、体内ではグルカゴンやカテコールアミンといった血糖値を上げるホルモンが働きはじめます。体内では血糖値を安定させようとしていますが、食事によるエネルギー補給とは異なり、血糖値が大きく上がることはほとんどありません。そんな状態のなかで、丼ものや、ラーメンといった糖質量の多い昼食をとってしまうと、エネルギーの不足を感じていた体は糖を多く取り込もうとして、食後の血糖値がいつもより高くなってしまいます。しかも、高くなった血糖値は急激に下がり、不安定な状態を作ってしまうのです。こうした変化は、朝食だけに限らず、一日のうち食事と食事の間隔が空いてしまう際にも同様のことが起こります。

上述のように血糖値が急上昇して、急激に下がる状態を、「グルコーススパイク」と呼びます。まるでジェットコースターのように血糖値が乱高下することで、ホルモンが乱れやすくなり体調不安につながる可能性があるとされています。グルコーススパイクの影響と、対策となる血糖値をコントロールする上手な食事術についてお伝えします。

グルコーススパイクとは

グルコーススパイクは、食事によって起こる血糖値の急激な乱れを表すもので、さまざまな不調を招くとされています。健康な人であっても、食事などの影響で血糖値が上下し、活動に必要なエネルギーを調整しています。本来であれば、食後の血糖値は緩やかに上昇し、時間をかけて安定します。しかし、食生活の乱れなどによっては、食後すぐに急激な血糖値上昇が起こり、その後、急激に下がっていくといったケースがあり、心身に影響をもたらすことがあります。

仕事や家事に集中したいのに、眠気に逆らえず、つい居眠りをしてしまうのは「気合い」だけの問題ではありません。食事による心身への影響を知ることで、日々のパフォーマンスにもつながります。

例えば、朝は食パンにジャム、お昼はうどん、夜は砂糖たっぷりの煮物といった糖質中心の食事は、その都度、血糖値の上昇を招きます。さらに、間食にスイーツを食べれば、ジェットコースターのように血糖値が上がったり下がったりする状態を繰り返します。

グルコーススパイクによる血糖値の乱高下が続くと、集中力の低下や眠気、イライラ、などが起こりやすいことがわかっています。また、急激に上がった血糖値を処理するために、体内にエネルギーを蓄える働きも活発化するため、太りやすくなることもあります。さらに、血糖値が急激に下がってしまうと、体は防衛反応として、何かを食べて血糖値を上げるように指令を出します。満腹になるまで食べたはずなのに、なぜかすぐに空腹感を抱いてしまうのは、グルコーススパイクが起きているのが原因かもしれません。

血糖コントロールに役立つ食事・間食のポイント

グルコーススパイクによる不調を避けるためには、血糖値を急上昇させにくい食事を選ぶとともに、食事と食事の間をつなぐ“間食”を上手に取り入れるのがポイントです。

では、具体的にどんな食生活を意識すればよいのでしょうか。

それには、低GI食品を上手に活用しながら、空腹時間をできるだけ短くし、食事の間をつなぐ“間食”を取るのがポイントです。

まず、知っておきたいのが、食事のリズムです。例えば、1日2食のように食事の間隔があきすぎるのはNGです。空腹時間が長く続けば、その分、血糖値が下がりやすくなります。また、空腹を満たすために次の食事が早食い・ドカ食いになりやすいです。しかも、下がった血糖値を安定させようとして、糖質中心の食事を求めがちです。結果、空腹後の食事は、血糖値を急激に上げることになり、グルコーススパイクを起こす可能性が高くなります。

健康的な体を維持するためには、まず、1日3食の規則正しい生活が基本です。さらに間食をうまく使いながら、血糖コントロールに役立つ食事内容を考えてみましょう。

間食に選びたい低GI食品

次に、間食を含め、食事内容を決める時に意識したいのがGI値です。GIとは、グリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、糖の吸収度合いを表しています。数値が高いほど、糖の吸収が早く、血糖値の急上昇を招きます。

高GI食品として代表的なのが、砂糖などを含むスイーツ類。空腹時に甘いものを取り入れてしまうと、血糖値の急上昇を招く要因になります。一方で、糖の吸収が穏やかになる性質を持つ低GI食品なら、血糖コントロールに役立ちます。普段の食事はもちろん、間食においても、血糖値が安定するような食事内容と食事リズムを意識してみましょう。

低GI食品のおやつの中でもオススメしたい大豆加工食品

大豆には植物性タンパク質、脂質をはじめビタミン、ミネラル、食物繊維など健康を維持する成分がギッシリ。 昔から畑の肉と言われるほど栄養価の高い食品です。 血糖値が気になる、ダイエット中のおやつなら低GIの大豆焼き菓子がオススメです。

下のグラフは、同じ量の糖質を含む大豆焼き菓子とブドウ糖をそれぞれ食べた後、血糖値の上昇速度の違いを比較したものです。

ブドウ糖は血糖値がすみやかに上昇したのに比べ、大豆焼き菓子は食べる前とほぼ変わらないゆるやかなカーブを保ち、それほど変動がありませんでした。同じ炭水化物でも、食品によって血糖値の上昇度合いに対して差がでることが分かります。

では、なぜ同じ糖質なのに、これほどの差が生まれるのでしょうか。

それは、大豆焼き菓子に含まれる食物繊維や脂質、たんぱく質などの食品成分が、糖質の吸収を穏やかにする働きをしたからです。

低GI食品のなかでも大豆の優れた働きは世界中で注目され、健やかな毎日の大きなヒントとなっています。

日々の食生活で、上手に血糖コントロールを心がけましょう。

毎日の健康を維持するためにも、血糖コントロールを意識した食事をすると、気になる不調のケアにも役立ちます。基本となる3食はもちろん、間食を小まめに取りながら血糖値を安定させることも大切です。忙しい時でも、低GI食品の間食を取り入れながら心と体を元気にする食事を楽しみましょう

参考: