とくにダイエット中はなにかと悪者扱いされがちな糖質ですが、健康を維持するうえではなくてはならない重要な栄養素のひとつです。大切なのは、摂取量のバランス。糖質をとりすぎても不足しても、体に思わぬトラブルを招いてしまいます。
そこで今回は、糖質コントロールを助ける低GI食品に注目しながら、糖質の上手な摂取法についてお伝えします。
目次
糖質のとりすぎや不足はどんな影響をもたらす?
糖質は穀類やイモ類、砂糖、果物などに多く含まれる栄養素で、体にとって重要なエネルギー源として活用されています。消費者庁が作成した「栄養素等表示基準値(2015)」(※)によると、日本人における1日あたりの炭水化物の目標摂取量は320gとなっています。炭水化物は糖質と食物繊維を合わせたものですが、糖質摂取量のひとつの目安になるでしょう。
※消費者庁「栄養素等表示基準値及び栄養機能食品に係る食品表示基準案について」より
糖質をとりすぎると……?
では、糖質をとりすぎるとどうなるのでしょうか。体内に取り込まれた糖質の多くは、消化・吸収を経てブドウ糖に分解され、血液を通して全身に運ばれてエネルギーとして活用されます。ところが、糖質をとりすぎると余分なブドウ糖が脂肪に変換され、体脂肪として蓄えられてしまいます。
また、糖質が多い食事をとると、血液中のブドウ糖(血糖)の量が急激に上昇します。通常であれば、すい臓からインスリンが分泌され、2~3時間もすれば食事前の血糖値に戻りますが、糖質をとりすぎたり血糖値を急上昇させるような食べ方をしたりすると、血糖値がうまく下がらず、糖尿病をはじめとしたさまざまな健康トラブルの原因になります。
糖質が不足すると……?
一方で、糖質の摂取を極端に制限すると、今度はエネルギーが不足して疲れやすさにつながります。さらに、糖質の不足分を補うためにタンパク質がエネルギー源として使われることで、筋肉量が減少してかえって基礎代謝を低下させる原因にもなりかねません。
また、ブドウ糖は脳にとって唯一のエネルギー源です。糖質が不足してブドウ糖が十分に届けられなくなると、集中力の低下など脳の働きを妨げてしまう可能性も考えられます。
糖質の摂取をコントロールする食生活の工夫
不足しているからと急に糖質を多く摂取するのも体に負担をかけますし、極端にカットするのもよくありません。まずは、普段の食生活のなかで糖質の存在を意識することから始めてみましょう。
糖質は麺類やご飯、パンなどの主食に多く含まれます。たとえば、パスタとパンの組み合わせだとそれぞれに糖質が含まれますし、丼ものだけでは栄養が糖質に偏ります。理想は、一汁三菜の和定食。ただし、おかずに野菜をプラスしても、イモ類など、糖質を多く含む野菜もありますので、野菜の選び方にも注意しましょう。
また、食材だけでなく食べ方にも注意が必要です。飲み込むようにして食べたり、早食いやドカ食いをしたりすると、血糖値が上がりやすくなります。ゆっくり時間をかけて食事をとり、「野菜」→「魚・肉」→「主食」の順で一口ずつよく噛んで食べると、血糖値の急激な上昇をおさえられます。
加えて、間食にお菓子やジュースをとる方は注意が必要です。お菓子の原料である小麦粉や砂糖は糖質を多く含みますし、果汁100%のジュースもビタミン、ミネラルが補給できる一方で、炭酸飲料並みの糖質を含みます。ラベルの栄養成分表示を確認して、適量をとる習慣をつけましょう。
低GIって何?なぜ低GI食品が注目されているの?
実は、糖質を含む食材でも血糖値が上がりにくいものがあります。それが、低GI食品です。GIとはグリセミック・インデックス(Glycemic Index)の略で、食品に含まれる糖質の吸収の度合いを示す指数のこと。つまり、低GI食品とは食後血糖値が上がりにくい食品のことをいいます。
一般的に、精白されていない食品のほうがGI値が低くなります。たとえば、白米やパンのGI値は高い一方で、玄米や全粒粉のパンは低GI食品にあたります。また、海藻や柑橘類、りんご、ヨーグルト、ナッツ類、大豆(ゆで)のほか葉物野菜も低GI食品ですが、じゃがいもやかぼちゃなどの根菜だとGI値が高くなります。
低GI食品は、血糖値の上昇をゆるやかにすることが確認されているだけでなく、満腹感の持続によって食べすぎを抑えたり、次の食事の血糖値を抑制したりする働きもあることから、健康な食生活を送るための指標のひとつとして注目されているのです。
糖質コントロールを上手にサポート!「ソイジョイ」シリーズ
糖質は上手にコントロールしたいけれど、夕食時間が遅く、ついつい食べすぎてしまうという方は、市販の低GI食品を間食として利用するのもよい方法です。
たとえば、大塚製薬が販売する「ソイジョイ」。小麦粉を一切使わず、大豆をまるごと粉にして焼き上げている低GI食品なので、糖質が気になる方におすすめです。食べごたえを感じながら、良質なタンパク質や食物繊維など健康にうれしい大豆の栄養をおいしく摂取できます。
果実感がたっぷりの「フルーツ系」、しっかりした食べごたえの「ナッツ系」、サクサクとした食感が人気の「クリスピー」、カロリー計算がしやすい「カロリーコントロール80」と、豊富なラインナップを取りそろえていますので、手軽な糖質コントロールのアイテムとして活用できそうですね。
参考:
- 平成28年国民健康・栄養調査結果の概要|厚生労働省(PDF)
- 栄養素等表示基準値及び栄養機能食品に係る食品表示基準案について|消費者庁(PDF)
- 石見佳子(2016)「食事摂取基準と栄養素等表示基準値」、『日本栄養・食料学会誌』69(4)、pp145-150、日本栄養・食料学会
- GIについて学ぼう|大塚製薬
- 中嶋洋子監修(2017)改訂新版栄養の教科書、新星出版社
- 中村丁次監修(2017)栄養の基本がわかる図解事典、成美堂出版