おなかの調子を整える「食物繊維」。どう摂取すればいい?

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以前は、食べ物のカスとして扱われていた食物繊維。さまざまな研究を通して、いまでは五大栄養素に次ぐ「第六の栄養素」ともいわれ、その存在が重要視されるようになりました。

食物繊維が持つ健康作用のひとつとして、「おなかの調子を整える」働きがあります。おなかの調子を整えることがなぜ健康に役立つのか、どうすれば食物繊維を効率よく摂取できるのか、くわしく見ていきます。

おなかの調子を整えることは、なぜ大切なの?

そもそも、なぜおなかの調子を整えることは大切なのでしょうか。その答えのカギを握るのが、おなかに棲む腸内細菌です。

私たちのおなかの中には、約100種類、100兆個もの腸内細菌が棲んでいると考えられています。腸内細菌は、体によい働きをする「善玉菌」、増えすぎると体に悪い影響を及ぼす「悪玉菌」、どちらか優勢なほうに味方する「日和見菌」の3つのグループに大きく分けられます。

おなかの調子は、これら腸内細菌のバランスに左右されます。体によい働きをする善玉菌が優位だとおなかの調子が整い、健康維持に役立つと考えられています。それは、善玉菌が、悪玉菌の増殖をおさえたり、腸の働きを活発にしたり、ビタミンを合成したり、病原菌に負けない体づくりをサポートしたりと、健康に欠かせない重要な役割を担っているためです。

一方の悪玉菌は、不規則な生活やストレス、過度な飲酒などが引き金となって増えてしまいます。健康を維持するためには、悪玉菌を増やす習慣を避けつつ、日頃から意識して善玉菌を増やすアプローチが欠かせません。

そこで注目されているのが、食物繊維の働きです。食物繊維は善玉菌のエサとなって、その増殖を助けると考えられています。また、消化・吸収されずに大腸まで届き、便のカサを増やすこともわかっています。

つまり、食物繊維は、善玉菌の栄養源となり便の量を増やす材料となることで、おなかの調子を整えているのです。

食物繊維はどう摂取すればいい?

食物繊維は、「不溶性食物繊維」と「水溶性食物繊維」の2つに分けられます。

不溶性食物繊維は、おなかの中で水分を吸収してふくらみ、腸のぜん動運動に働きかけるもの。穀類や豆類、野菜、海藻類のほか、カニやエビの殻に多く含まれます。一方の水溶性食物繊維は、粘着性でおなかの中をゆっくりと移動する性質を持っており、昆布やワカメ、果物、こんにゃく、大麦、オーツ麦などに豊富です。

どちらもおなかの調子を整えるうえで欠かせませんが、現代の日本人は食物繊維が不足しがち。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準」(2015年版)では、1日の目標量を成人女性で18g以上、成人男性で20g以上(ともに1869歳の場合)と定めていますが、「平成28年国民健康・栄養調査」を見るとどの年代でも目標量に届いていないことがわかります。とくに水溶性食物繊維の摂取量が少なく、毎日の食事を通して意識して摂取することが大切です。

水溶性食物繊維を効率よくとれる「大麦ごはん」

 

とはいえ、食物繊維の量をチェックしながら毎日の献立を考えるのはなかなか大変なもの。そこでおすすめしたいのが、主食を大麦ごはんに変える方法です。精白米の可食部100gに含まれる食物繊維の量は0.5gであるのに対し、大麦では9.6gと約20倍。ちなみに、野菜の中でも食物繊維が多いことで知られるゴボウは5.7gであり、大麦の食物繊維量の多さがうかがえます。


(出典:大塚製薬 大麦生活公式サイト「食物繊維はどのくらい!?」)

さらに、大麦には、「大麦βグルカン」と呼ばれる水溶性食物繊維が豊富に含まれていることもわかっています。不足しがちな水溶性食物繊維を無理なく摂取するうえで、大麦ごはんは有効な選択肢といえるでしょう。

大麦βグルカンの摂取で善玉菌の働きが活発に

大麦βグルカンの「おなかの調子を整える」効果について、呼気中水素濃度を調べる試験が行われています。

対象は、健常な男性7名、女性5名の計12名(2141歳)。糖質を50gに調整した大麦穀粒(2.9g)、小麦穀粒(2.1g)、ライ麦(3.6g)、オーツ麦(2.5g)、小麦パン+大麦食物繊維(6.3g)、大麦粥(2.6g)、または対照として小麦パン(2g)を朝食に1回摂取してもらった後、標準食を昼食および夕食として摂取。昼食摂取後から夕食摂取後にかけて(朝食後411.5時間)30分間隔で呼気中水素濃度を測定しました。

Am J Clin Nutr 2008; 87:645-54より作成)

試験の結果、大麦βグルカンを含む食品の摂取によって、呼気水素濃度の上昇が認められました。これは、腸内細菌によって大麦βグルカンが発酵されたことを示すもの。すなわち、善玉菌の働きが活性化した状態といえます。大麦βグルカンの摂取によって善玉菌が優位な環境になり、おなかの調子を整えることにつながったのです。

大麦βグルカンがたっぷり入った「大麦生活」

忙しい毎日、大麦ごはんをもっと手軽に取り入れたい……そんなときは、大塚製薬の「大麦生活」を活用してみてはいかがでしょうか。「大麦生活」は、水溶性食物繊維「大麦βグルカン」が1食あたり3,000mgとたっぷり含まれている機能性表示食品です。レトルトタイプで、フタを開けて電子レンジで箱ごと2分加熱するだけで食べられるのもうれしいポイント。

おなかの調子を整える以外にも、糖質の吸収をおさえる、コレステロールを低下させるといった機能で、毎日の健康をサポートしてくれます。味は2種類。もっちり食感の「大麦生活 大麦ごはん」と、昆布やカツオのだしが香る「大麦生活 和風だし仕立て」の2種類からお選びいただけます。食事を通した健康維持に、手軽でおいしい「大麦生活」をお役立てください。

 

参考: