強く逞しい筋肉と見た目の美しさを競う、メンズフィジーク。この競技において数々の大会で優勝を収め、世界チャンピオンにも輝いているのが、田村宜丈さんです。なんと、フィジーカーとIT会社役員を両立させているというから驚き!忙しい毎日のなかで、いったいどのようにしてカラダとモチベーションを保っているのでしょうか?ボディメイクと精神力を支える「ファイトメシ」に迫ります。
トップフィジーカー田村さんの毎日は大忙し。平日はIT会社に勤務しながら夜はジムでトレーニングに励み、休日もトレーニング漬けの日々を送っています。そんなハードな日々を、42歳で競技を始めてから5年以上継続中。すっかり日常になったとはいえ、トレーニングと仕事の両立は時に大変なこともあるといいます。「試合前は意識が試合に寄りがちなので、気持ちを切り替えて仕事への集中力を保つのが難しい時がありますね」。そう話す田村さんが、トレーニングと仕事の両立を図るのに欠かせないという“ファイトメシ”が、牧草だけを食べて育ち、ビタミンが豊富でヘルシーな赤身肉が特長のグラスフェッドビーフ。「鳥肉、牛肉、馬肉、鹿肉、魚など様々なタンパク源を食べ比べた結果、私の場合は牛肉が最も筋肉のモリモリ感を得られました。とくに試合前は欠かせません。低温調理器でじっくりローストしたグラスフェッドビーフを食べることで『試合に勝つ!』という心地よい緊張感も得られるところが気に入っています」。
田村さんは、学生時代から空手や格闘技、スポーツジムでのインストラクター業などを通して筋力トレーニングを行ってきました。今から7年前の40歳の時、20年以上の筋トレ歴を生かして挑戦した「BEST BODY JAPAN(ベストボディ・ジャパン)」が、現在のメンズフィジーク人生のきっかけになったといいます。「初めての大会で、若者を退けて総合優勝したことですっかりハマりました。スタイリッシュで美しい筋肉美を表現できるところが世界中のトレーニーが夢中になる理由だと思います」。2019年の世界マスターズ選手権を始め、50歳を目前に幾度となく世界一を獲得し、さらに進化し続けています。自身の強さの秘訣については、「腹筋の形や、多少脂肪が乗っても筋肉の割れ目が消えない皮膚感など、メンズフィジークの審査基準が、自分の体型や体質の特長と相性が良いこと」と分析。競技に適したカラダと冷静な分析力、そこへ日々の努力が加わり三位一体となること。これこそが、トップフィジーカーとして世界で活躍するゆえんなのかもしれません。
今や日本を代表するトップフィジーカーの田村さんですが、元々は華奢な体型で、筋肉を大きくするために相当な努力をしているそう。「一般的には試合前に筋肉の割れ目を深くするための減量が大変なのですが、私の場合は逆で、減量よりも増量期になかなか体を大きくできないところに苦労します」。そのため、筋トレと同じくらい大切にしているのが、毎日の食事。「食事が筋肉や体に与える影響はとても大きいです。自分が食したものが今の体をつくっているので、気を付けていますね」。基本はバランスの良い食事を心掛け、極端な糖質制限や添加物を避けて腸内環境を良好に保つようにしているといいます。とはいえ、多忙な毎日のなか、食事だけでは理想の体作りが難しいためサプリメントで足りない要素を補っているそう。「毎日飲むのはマルチビタミン&ミネラル、フィッシュオイル、ビタミンD、ビタミンC、鉄、カルシウムの6種類。とくにマルチビタミンとフィッシュオイルはマスト。私を含め、筋トレをする人には欠かせないサプリメントだと思います」。サプリメントの存在について、「目標に到達するまでの時間効率をブーストしてくれる“陰の立役者”」と語る田村さん。限られた時間を効率良く使い、次の目標だという「世界マスターズ選手権3連覇」に向けてさらなるアップデートに磨きがかかります。
田村宜丈(たむら・よしたけ)/メンズフィジーカー・IT会社役員。2015年、42歳でメンズフィジークの前身「BEST BODY JAPAN」東京大会に挑戦し、優勝。以降も数々の大会で優勝を収め、日本を代表するトップフィジーカーとして君臨。2018、2019年には世界マスターズ選手権優勝を果たし、現在2連覇中。トップフィジーカーながら、IT会社役員という異例の肩書きにも注目が集まっている。端正な顔立ちと美ボディを活かし、近年はフィットネスモデルとしても活躍中。