大塚製薬株式会社
H. ルンドベックA/S

医療関連事業
2024年3月27日

「エビリファイメンテナ® 960mg」
統合失調症維持療法を対象とした欧州初となる2か月持続性製剤の承認を取得

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:井上眞、以下「大塚製薬」)とH.ルンドベックA/S(本社:デンマーク、コペンハーゲン、社長兼CEO:Charl van Zyl、以下「ルンドベック社」)は、3月25日(英国時間)、抗精神病薬「エビリファイメンテナ® 960mg」(一般名:アリピプラゾール)が、2ヵ月に1回投与する持続性注射剤(LAI: Long Acting Injection)として、アリピプラゾールによって状態が安定した成人統合失調症の維持療法の適応で、欧州委員会(EC)より承認を取得したことをお知らせします。本承認は、すべての欧州連合(EU)加盟国およびアイスランド、ノルウェー、リヒテンシュタインに適用されます。

本剤はシングルチャンバー型プレフィルドシリンジ製剤で、アリピプラゾール960mgが予め充填されており、2ヵ月に1度、患者さんの臀部に筋肉内注射にて投与します。統合失調症に対する維持療法の適応で、2ヵ月投与型の抗精神病薬LAIが承認されるのは欧州で初となります。

今回の承認は、32週間の薬物動態学的ブリッジング試験に基づいています1。また、本試験では、薬物動態に加え、安全性と有効性についても主要評価項目および副次評価項目として評価されました。結果としてアリピプラゾール960mg 2ヵ月製剤は、アリピプラゾール400mg 1ヵ月製剤と同様の血漿中濃度を示し、また、有効性、安全性、忍容性プロファイルも同様であることが確認されました1,2

大塚製薬ヨーロッパの副社長兼メディカル・アフェアーズ部門長であるピーター・ギルバーグ医師は、「2ヶ月に1回のアリピプラゾールLAIがECにて承認されたことを嬉しく思います。これは成人の統合失調症の患者さんにより簡便な治療手段を提供する重要なマイルストーンとなります。本剤が患者さんのアドヒアランスの向上と、患者さんおよび医療従事者の方々が薬物治療以外のケアにより集中できるようになる一助となることを願っています」と述べています。

ルンドベックの上級副社長兼研究開発責任者であるヨハン・ルスマン医師は、「本剤の承認は、イノベーションを通じてアンメット・メディカルニーズに応えるという私たちのコミットメントを表すものであり、患者さんとそのご家族、そして医療従事者の方々にとっても重要な一歩となります。本剤による治療は、統合失調症患者さんのアドヒアランスと利便性を向上し、本疾患の包括的な管理に寄与することを目指しています。本試験に関わられた皆さまに感謝しています」と述べています。



<参考文献>

1. Harlin, M, et al. CNS Drugs 2023; doi: 10.1007/s40263-023-00996-8
2. Citrome, L, et al. J Clin Psychiatry 2023; doi:10.4088/JCP.23m14873.

【一部訂正について】承認取得日を、3月26日より3月25日に訂正しました。(2024年4月4日)