こんにちは。ランニングサポーターの久保です。
今回のテーマは、「無酸素能力/有酸素能力を養え」。
過去2回に渡りフルマラソンを走る上で必要な能力の養い方をみなさんにお伝えしてきました。第3回目となる今回は少しレベルの高いトレーニング「無酸素能力と有酸素能力、それぞれの養い方」についてお話しします。
今までは長い距離を走り切るための脚や体づくりが基本でした。これからは記録を狙うために、目標にあったペースを維持して走りきることが出来るような心肺機能の強化がメインとなってきます。
ペースを追っていくということは、同時に走るスピードも上がっていくということです。ゆっくり走ることは脚へ負担はかかりますが、ゼーゼーハーハーするような心肺への負担はそれほどありません。目標タイムを掲げ達成するためにはそれに似合ったペースで走らなければいけませんから、速く走れるようスピードの強化も必要になってくるわけです。
行き当たりばったりの走りではなく、スタートからゴールするまでのペースを緻密に計画し実行すること。最初から最後までイーブンのペースを保ったまま走ることができたなら目標達成へ大きく近づくことでしょう。
レースには制限時間というものがあります。時間が決まっている以上、制限時間内にゴールしなければなりません。途中の関門でストップを余儀なくされ棄権なんてこともありますからね。そんなことにならないよう、ここでは心肺機能を向上させて速いペースに対応できる体を養う必要性を述べたいと思います。特にレベルの高いランナーは必見です。実業団やプロのランナーは定期的に次のようなトレーニングをしています。
まずは無酸素能力を高めるトレーニングから。イメージ的には短い距離でできるだけスピードを上げて走るインターバル走を思い描いてもいいでしょう。インターバル走とは、高負荷と低負荷を交互に繰り返す練習方法です。例えば、5kmを速く走ろうと思っても途中で失速してしまいますが、1km走り終える度に適度な休みを取りながら5本走ることでスピード(高負荷)を維持できます。このときの心拍数は急激に上昇し、ゼーゼーハーハーしながらも体は一生懸命酸素を取り込もうとします。心肺機能が鍛えられ、より多くの酸素を取り込めるようになるわけです。
体中に酸素が取り込めるようになれば、速いスピードで走ってもよいパフォーマンスを保つことができます。また高負荷トレーニングは体内のミトコンドリアが増加するとも言われています。
このミトコンドリアとは細胞に含まれる組織で、酸素を取り込み、筋肉を動かすエネルギー生産工場のようなものです。ランニングで必要とされるエネルギーの多くはミトコンドリアで作られますから、多ければ多いほど疲労を抑えることができ、長時間早いスピードを保ったまま走れるといったことに繫がります。練習キツいと思っても、このように目的意識がハッキリしていると頑張れるかもしれませんね。
次に有酸素能力を高めるトレーニングです。ゆっくりでも長い時間をかけて距離を走れば有酸素能力は養えます。しかし、ここでいう有酸素能力とはある程度レースを見据えた上でのトレーニングになります。いわゆるペース走というものです。決められたペースを保って走るには、練習からそのペースを体の中に覚え込ます必要があります。
まずは自分が目標とするマラソンタイムから1kmのペースを割り出して、5km〜10kmを走ってみるといいでしょう。このとき重要なことは1kmごとのスプリットがイーブンでなくてはいけません。余裕があるからといって途中ペースを上げたり、キツいからといって最後ペースダウンしたりする練習ではレースにおいてもそのような結果になってしまいます。
トレーニングを繰り返していくうちに体は鍛えられていきますから。まず今自分の状況をしっかり判断し、このくらいだったら最後までイーブンペースで走りきれるということをイメージしながら走ってください。走れる能力がついてきたら、15km、20kmと距離を少しずつ伸ばして練習してみましょう。マラソン挑戦1ヶ月前に30km走を行うというのは今ではセオリー的なものになっていますね。
このように上手く無酸素的トレーニングと有酸素的トレーニングを交互に取り入れることが理想的ですが、時間がない方もいらっしゃることでしょう。そんな方は有酸素的なトレーニングを行った後に、50m〜100mくらいのウインドスプリント(流し)を数本入れてみたり、ペースを上げて1kmを走ってみたり。またはダッシュを取り入れて心拍数を上げるのも手です。そうすると有酸素能力と無酸素能力を養えますよ。
みなさんの工夫で効率よく自分の体を磨き上げていってください!