ランニングサポーター久保のランニングスクール

本質を捉えれば取り組み方が変わる vol.1

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2022.11.30 掲載
久保健二さん

ランニングサポーター 久保健二さん

  • ランニングが大好きで毎日のように走る傍ら、クラブチームのコーチも務め、
    数多くの一般ランナーの指導をおこなっている
  • ラン歴21年
  • 実業団陸上部に11年間在籍


※写真は毛細血管が開花していくイメージ

こんにちは、ランニングサポーターの久保です。

健康で楽しく走ることを目指す人、レースで自らの限界に挑戦する人、走る目的は人それぞれです。
ただやみくもに走るのではなく、目的に合わせて、練習の本質をきちんと捉えながらトレーニングをする。それができれば自分の取り組んでいることに対して迷いがなくなり、周りの声に惑わされず、無理し過ぎることもなく走り続けることができるでしょう。

走るトレーニングには様々な種類があります。ペース走、LSD(*1)、インターバル走(*2)、距離走、ジョギングなど。
「初心者はLSDから。」「力をつけていきたいのであればインターバル走を。」「マラソンを走るなら距離走が必須。」などはよく耳にする言葉です。その意図はどこにあるのでしょうか?その練習がなぜ必要なのか正しく理解できているでしょうか?

今回は2回の連載に渡って、その言葉から練習の本質をひも解いていきたいと思います。

「初心者はLSDから。」→ LSDで毛細血管の発達を促せ!
生理学的な側面から説明すると、LSDには身体中の毛細血管の発達を促す目的があります。
各細胞により多くの酸素や脂肪酸を効率よく運ぶことができるようにするには、 毛細血管が太く、数多く存在する必要があるからです。
またゆっくりと時間をかけて走ることが基礎体力を養い「地脚」を作ることにも繋がります。ですから初心者はまずこの辺りの練習が基本になるでしょう。

「力をつけていきたいのであればインターバル走を。」 → 糖を分解して乳酸を出せる身体へ!
速く走れるようになるためには、身体の中の糖をできるだけ効率よく分解することができなければなりません。
糖が分解されるとき、乳酸が発生します。実はスピードが出せるランナーというのは、糖を多く分解させてたくさんの乳酸を出し、大きなエネルギーを作り出しているということになります。
このような能力を手に入れるには、速筋繊維を刺激するようなトレーニングが必須です。なぜなら糖は主に筋肉の速筋繊維で分解されるためです。インターバル走の練習を行う意図はここにあります。もしかすると、乳酸に対してネガティブな印象、例えば身体が動かなくなってしまうんじゃないかというイメージを持っている方がいるかもしれません。しかし、実は乳酸はエネルギー源として再利用することができると言われています。

特にフルマラソンなどにチャレンジする方は、これらの能力を獲得することが後半の失速を防ぐ重要な鍵になるかもしれませんね。
次回はエネルギーを考える上でキーになる乳酸を再利用するためのお話をしたいと思います。

(*1)Long Slow Distanceの略。長い距離をゆっくり走ること。
(*2)インターバル走/ダッシュとゆっくり走ることを、休憩を入れながら一定の間隔で交互に繰り返すこと。

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