センイ ラボ FIBER LAB

乳酸菌が活躍できるのは食物繊維のおかげ? 食物繊維と乳酸菌の関係

FIBER LAB

Vol.7

腸内フローラのバランスを保つには

腸内細菌は「善玉菌」「悪玉菌」「日和見菌」3つのグループに大きく分けられ、そのバランスを保ちながら「腸内フローラ(腸内細菌叢、マイクロバイオータ)」を形成しています。

腸内フローラのバランスを保つには

そのバランスにおいて、カラダによい働きをする善玉菌が優位であれば、おなかの調子を整えるのはもちろん、日々の健康維持に役立つと考えられています。逆に、加齢や不規則な食事・生活によって腸内の悪玉菌が増えてしまうと、排便習慣が乱れるだけでなく、免疫力が低下したり、肌荒れなど、健康面はもちろん美容面でもマイナスの影響が生じる可能性があります。

規則正しい生活とともに、善玉菌を増やす食習慣を心がけることが大切です。

意識して食物繊維を摂取しましょう

食物繊維は善玉菌のエサとなって善玉菌を増加させ、悪玉菌や有害物質を減少させ、腸内環境の改善に役立ちます。

食物繊維とひと口にいっても、「水溶性」と「不溶性」の2種類があります。「水溶性」は「不溶性」よりも善玉菌のエサになりやすいことは覚えておきましょう。

プレバイオティクスとプロバイオティクス

​​​善玉菌を増やすには、善玉菌そのものを摂取するのもひとつの方法です。
善玉菌として代表的なものには、乳酸菌やビフィズス菌があり、「腸活」として積極的な摂取を心がけている方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、乳酸菌をはじめとする善玉菌は、私たちのカラダと同じようにエネルギー源となるエサが必要です。菌は腸内で生きており、エサがなければ、善玉菌の活動が鈍ってしまったり、減ってしまったりすることもあります。

【プレバイオティクスとは】

善玉菌のエサとなって、善玉菌を増やす働きを持つ食品成分のこと。食物繊維やオリゴ糖などがあり、善玉菌の増殖を助けてくれます。

【プロバイオティクスとは】

乳酸菌やビフィズス菌といった善玉菌や、カラダに良い影響を与える菌のこと。乳酸菌やビフィズス菌などを多く含む食品には、ヨーグルトや乳酸菌飲料などがよく知られています。

いずれも腸内フローラを良い状態に保つための手助けをしてくれますが、乳酸菌などのプロバイオティクスだけを摂取しても、食物繊維のようにエサとなるプレバイオティクスがなければ、増えることができません。

プレバイオティクスとプロバイオティクスの代表的な食品例を見てみましょう。

プレバイオティクスとプロバイオティクスの代表的な食品例

食物繊維+乳酸菌でバランスよく

健康食品として人気の高いヨーグルトは、乳酸菌やビフィズス菌などを含むプロバイオティクス食品です。
一方、水溶性食物繊維を含んだ野菜や果物は、そうした菌のエサになるプレバイオティクス食品といえます。

腸内フローラのバランスは、ストレスや睡眠不足などの生活習慣の影響を受けやすく、日々状態が変化すると言われているため、毎日プレバイオティクスとプロバイオティクスの両方を意識して摂取することが、良好な腸内環境を維持するポイントになります。

野菜などで食物繊維をしっかり摂るだけでなく、発酵食品を上手に組み合わせバランスのよい食事を心掛けましょう。

監修:愛媛大学名誉教授 海老原 清先生

Loading