ポカリスエット誕生ストーリー

今からおよそ40年前のこと。これまでにない画期的な飲料の開発を目指す研究員が、出張先のメキシコでお腹をこわして入院しました。その時、医師から「水分と栄養をしっかり摂りなさい」と手渡されたのは炭酸飲料。研究者は、「こんな時、ゴクゴク飲みながら栄養も一緒に補給できる飲み物があればいいのに」と、思いました。

そして1973年。手術を終えた医師が水分補給のために点滴液を飲んでいるのを見たこの研究員は、「飲む点滴液」というアイデアを提案したのです。これをヒントに、日常生活において発汗により失われる水分と電解質(イオン)を補給できる飲料、つまり「汗の飲料」の開発の検討が始まりました。これは輸液(点滴液)のリーディングカンパニーだからこそできる発想でした。

3年後の1976年。世の中は健康志向になり、ジョギングがブームになりました。しかしより多くの人に飲んでもらえるようにと、この「汗の飲料」は、あえてスポーツ飲料ではなく、「日常生活の中で飲む健康飲料」として研究開発が続けられました。

そして研究でわかったことは、汗にも種類があるということ。そして、日常における汗の塩分濃度は、スポーツ時の汗よりも低いということ。この発見をもとに、日常の汗の成分を再現した飲料を試作したものの、これが苦くてあまり美味しくない・・・。

試行錯誤が続き、その試作品が1000種類を超えたときのこと。「出来そこない同士を混ぜたらどうなるかな?」と、たまたま研究室で同時に開発していた柑橘系粉末ジュースを、その試作品と混ぜてみたのです。すると、苦味が消え、美味しく飲める味になったのです。この思いもよらなかった組み合わせによって、汗の飲料の開発は大きく前進しました。

研究も進み、最終的に試作品は、糖質濃度(甘味)が濃いタイプと薄いタイプの2品に絞られました。当時、飲料といえば「甘い」ジュースなどが常識でした。この試作品のような甘味の薄い飲料ではものたりない、と多くの研究員は考えました。しかし、この製品のコンセプトである「汗をかいたときに美味しく飲める味」を開発するために、この研究者は常識には頼らず、自ら山に登り、実際に汗をかいて試作品を飲みました。すると、甘味が薄いほうが飲みやすく、ゴクゴク飲めて、滑らかにのどを通ることがわかったのです。こうして、最終的な味が決まりました。

1980年、かつてない「汗の飲料」、ポカリスエットが発売されました。しかし。ふたを開けてみると、人々にはその新しい飲料のコンセプトが理解されず、なかなか味が受け入れられなかったのです。

しかし、ここであきらめないのが大塚製薬。この「汗の飲料」のコンセプトをきちんと伝えようと、社員はあらゆる「汗をかくシーン」に直接足を運びました。水分補給の大切さを伝えながら、汗をかいているときにポカリスエットを実際に飲んでもらいました。こうして配り続けたポカリスエットの数は、なんと3,000万本にもなりました。

そして発売から2年目の夏。ついにそのコンセプトが人々に受け入れられ、ポカリスエットは爆発的な大ヒット製品となりました。こうしてポカリスエットは「汗をかいたときの飲料」という、まったく新しい市場を開拓しました。

そして2013年、“もうひとつのポカリスエット”が誕生しました。甘さひかえめで、スッキリした後味の「ポカリスエットイオンウォーター」です。

ポカリスエット イオンウォーター公式ブランドサイトへ

ポカリスエットのロゴには、「水と電解質(イオン)の補給と吸収スピード」をイメージしたデザインをほどこし、パッケージには当時タブーといわれていた「青」を採用しました。「デザインは本質を表現するもの」というデザイナーの信念と、「コンセプトを伝える」という社長の強い意思が、こうして形となったのです。

「ポカリスエット」というネーミングは、コンセプトが伝わりやすいように「スエット(汗)」を用い、語呂が良く爽やかな青空を連想させる響きの「ポカリ」をプラスし、生まれました。

人々の健康のみならず地球の健康に配慮し、ポカリスエットの容器は常に進化しています。エコボトル500mlと900mlはそれぞれ従来のペットボトルよりも重量を約30%も削減。「人と地球」のことを考えた健康飲料になりました。