イオン飲料を用いた水分補給に関する主な研究成果

研究成果一覧

経口補水液投与による循環血液量の変化
森田雅弘、能勢博、森本武利
医学のあゆみ 1988;145:773-774
目的:
脱水時には、適切な水分補給により血液量の減少を補うことが重要であるが、飲水時の血液量変化に関する報告は少ない。ナトリウムやグルコースの組成が異なる溶液の投与により血液量がどのように変化するのか、ラットを用いた血液量の連続測定法により検討を行った。
方法:
麻酔下で体温を37℃に維持したWistar系雄性ラット5匹を用いて実験を行った。試験溶液として、生理食塩水(0.9%NaCl)、高張食塩水(1.8%NaCl)、低張食塩水(0.45%NaCl)+2%ブドウ糖溶液の混合溶液、5%ブドウ糖溶液、イオン飲料を10分間に体重100g当たり1mlの割合で胃痩※から注入した。51Crでラベルした赤血球の希釈法により循環血液量を連続的に測定した。

胃痩:腹壁を切開して胃内に管を通し、水分を流入させ投与するための処置

結果:
血液量の増加速度は、生理食塩水に対し、低張食塩水+2%ブドウ糖溶液、高張食塩水およびイオン飲料群で有意に高値を示し、低張食塩水+2%ブドウ糖溶液においてもっとも大きな値が得られた。血液量の平衡に達する時間は、高張食塩水と生理食塩水で遅かった。低張食塩水+2%ブドウ糖溶液がもっとも速く、ついでイオン飲料で速くなり、ともに生理食塩水の平衡時間との間に有意差を認めた。
考察:
低張食塩水+2%ブドウ糖溶液とイオン飲料は、生理食塩水に比べ血液量の増加速度が高く、血液量増加におけるブドウ糖の影響が示唆された。

試験溶液を投与した後の血液量変化

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