大塚製薬株式会社

医療関連事業
2024年2月8日

ソーシャルスキルトレーニング(SST)支援VRプログラム「FACEDUO(フェイスデュオ)」にひきこもり家族支援向けコンテンツ提供を開始

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長 井上眞、以下「大塚製薬」)と株式会社ジョリーグッド(本社:東京都、代表取締役CEO 上路健介、以下「ジョリーグッド」)は、両社の共同事業であるソーシャルスキルトレーニング(SST)プログラム「FACEDUO(フェイスデュオ)」に、新たなコンテンツとして、「ひきこもり家族支援向けプログラム」の提供を開始しましたので、お知らせします。

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大塚製薬とジョリーグッドでは、VRを活用したメンタルヘルスケア共同事業の第一弾として、2022年10月より、ソーシャルスキルトレーニング(SST)支援プログラム「FACEDUO」の提供を開始しています。VR映像内で家庭や職場などの日常場面におけるリアルな当事者体験が再現されることで、場面理解が容易となり、当事者と施設スタッフやご家族などの支援者との状況共有がスムーズになります。また、VR映像内には当事者向けに「アドバイス」が表示されるため、経験の少ない支援者の方々でも品質の高いSSTを実施することができます。

このたび、新たに開発しました「ひきこもり家族支援プログラム」は、VRにより、ご家族が当事者視点を体験することができ、視点(ご家族本人、当事者)を入れ替え、対応を振り返ることでコミュニケーションを図るうえでの気づきを促し、家庭内における当事者との関係性改善をサポートします。

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また、専門家の知見に基づいた解説による対話スキルと、言葉だけではなく表情などの非言語的なニュアンスもVR上で学ぶことができます。

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本プログラムは、全国のひきこもり支援を行う相談機関・施設が実施する家族教室での活用を想定しています。

■ ひきこもりの長期化が社会課題となっている

国内では140万人以上の方々がひきこもり状態にあると推計されています*1。ひきこもりの背景にある、うつ病など精神疾患やひきこもりに対する偏見や誤解のために、本人およびご家族が相談・医療機関への来所・受診をためらい、支援の開始が大幅に遅れ、ひきこもりの長期化が問題となっています。
*1 内閣府調査(2023年3月31日発表:2022年度「こども・若者の意識と生活に関する調査」)

ひきこもり支援の最初の段階はご家族への支援

 ひきこもりは早期介入が必要であり、ステップ・バイ・ステップのアプローチが必要であると言われています*2。ファーストステップは、ご家族への支援であり、当事者の身近にいるご家族が支援者になることが求められています。今回、ご家族がひきこもりへの理解を深め、本人の来所・受診がスムーズに進むことを願い、ご家族からの声かけなど具体的な対話スキルを習得できるように、ロールプレイングを盛り込んだVRプログラムを開発しました。
*2 厚労省:ひきこもりの評価・支援に関するガイドライン(2010年)

■ ソーシャルスキルトレーニングVRFACEDUO(フェイスデュオ)」概要

「FACEDUO」は、社会生活の様々な場面をリアルに再現した場面をVRで体験することができる VR空間に展開される現実空間を教材にした専門医監修のSST支援プログラム(訓練ツール)です。

● FACEDUO(フェイスデュオ)

「当事者に対して、人間の支援者とVR の支援者の二人で向き合いながら支えていく」、 「当事者自身も過去の自分、未来の自分に向き合っていく」ことを意味しています。

<サービス概要>

【参考】ソーシャルスキルトレーニング(SST)とは

SSTとは、社会生活を送る上で必要な対人関係や自己管理能力などを養い、身に付ける訓練です。

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● FACEDUOサービスの詳細については公式サイトをご覧ください。

https://www.faceduo.jp/

● FACEDUOひきこもり家族支援プログラムの詳細については「FACEDUO公式サイトのプログラムページ」をご覧ください。

https://www.faceduo.jp/hikikomori/

■ 関係者のコメント

<コンテンツ開発・監修: 九州大学医学研究院精神病態医学分野 准教授(ひきこもり研究ラボ@九州大学 代表)加藤 隆弘医師>

ひきこもり研究ラボ@九州大学では、2013年世界初のひきこもり専門外来を大学病院内に立ち上げました。この研究外来を拠点として、国内外の医療研究機関やひきこもり支援団体と連携し、ひきこもりの多面的理解に基づく具体的な支援法の開発をすすめています。

今回、私たちはこれまでの経験と知見を基に、ご家族がひきこもりや精神疾患への理解を深め、ひきこもる本人の来所・受診がスムーズに進むことを願い、ご家族からの声かけなど具体的な対話スキルを習得できるように、ロールプレイングを盛り込んだVRプログラムを開発しました。こうしたプログラムを基にしたご家族向けの教育支援が全国のひきこもり支援機関で活用されることで、ひきこもる本人による直接の来所・受診が早まり、ひきこもりの長期化解消の一助となることを期待しています。

<大塚製薬株式会社 代表取締役社長 井上 眞>

大塚製薬は「人々の健康をカラダ全体で考える」トータルヘルスケアカンパニーです。「健康」は個人の因子だけで決定されるものではなく、教育・食・所得・経済・文化等、様々な社会的環境に影響を受けています。そのため、広い視野で「解決すべき問題」を見極め、「医療関連事業」、健康の維持・増進のための製品を提供する「ニュートラシューティカルズ関連事業」の両輪で活動しています。

「FACEDUO」はVRでSSTを支援するプログラムとしてサービスを開始して以降、医療・福祉・教育施設で利用が拡がっています。今回提供を開始しました、ひきこもり家族支援プログラムは、社会課題のひとつである、ひきこもりの長期化を解決するための一助になると期待されています。

大塚製薬とジョリーグッドは、「FACEDUO」を通じて、当事者やご家族・支援する方々が抱える課題を解決するため、今後も新たなコンテンツの開発を行ってまりいます。