こんにちは、ランニングサポーターの久保です。
先日、何年もの間ランニングから遠ざかってしまっている方にお会いしました。年齢的なこともあり、最近は筋力や体力の衰えを感じているそうです。自分なりに何度か走ることを再開してみたもののすぐに断念してしまい、継続ができずに自信も喪失されているご様子でした。もう一度走りたい、そんな想いから私を頼りに連絡をくださったのです。
早速お会いしてトレーニングを始めてみることにしました。最初は1kmあたり8分くらいのペースで走り出したのですが、800mも行かないうちに息がゼィゼィハァハァと上がってしまいそのペースに付いて来れなくなってしまいました。
一度休憩を入れて体力回復のための時間を十分に取り再び走り出してはみたものの、それでも500mを走るのが精一杯。ご本人も辛かったことでしょう。
私もどのように仕向けていったらよいのか一瞬戸惑いましたが、ここにバーチャル的なものではなくリアルに顔を合わせて一緒に走ってみたからこそわかったことがありました。その方の息づかいや表情、熱量や仕草を見ながらどのくらいのペースで走るとキツイのか、どのくらいの距離までなら大丈夫のかといったような現状が見えてきたのです。それらを把握した上で、どう仕向けていくかといったイメージが私の中で沸々と湧いてきたのです。
ここで得たことを踏まえながら、こういうやり方だったら行けるのではないかという仮説を立て実践してみることにしました。また走りはメンタル的な要素が重要な役割を果たします。いかに成功体験を味わってもらうかを重要視しながらレッスンしました。さらには普段気をつけること、普段最低限出来ることなどをお伝えし、次の練習に備えてもらうことにしたのです。
そして2週間ぶり、2回目の練習日がやってきました。並走しながら走りの癖、腕振りや足のピッチなどのテクニックをお伝えしていったところ、なんとノンストップで4kmを走り切ることができたのです。これには私もビックリしました。
2回目の練習が終わって数日が経ち、再び私の元へ連絡が入りました。その内容は個人練習をして7.6kmを走り切ることができたというものでした。私も正直心から嬉しかったです。このご報告をもらう前にひとつだけアドバイスしたことがあります。
それは、
「キツくなったらどれたけペースを落としても構いません。ただキツくないと思えるペースでなるべく立ち止まらないよう走り続けることを心がけてください。」
ということでした。
その方は走っているとき脚よりも呼吸が苦しなってしまい立ち止まる傾向にあったので、焦りや頑張らなくてはならないといった義務感で走るのではなく、自分の現状に合わせ寄り添うような走りで練習をして欲しいと思ったからです。
人は可能性を秘めています。ダメだ、無理だと思っていたことも実現できることだってあります。しかしチャレンジなくしてはあり得ないことです。自らできないと思ったときは人を頼る力もその人の力と言えるかもしれません。
7.6km走ることを可能にしたこの方は今後どのような未来を迎えていくのでしょうか?
しばらく一緒になって傾向を見守っていきたいと思います。