ランニングサポーター久保のランニングスクール

主観的ココロのリズム

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久保健二さん

ランニングサポーター 久保健二さん

  • ランニングが大好きで毎日のように走る傍ら、クラブチームのコーチも務め、
    数多くの一般ランナーの指導をおこなっている
  • ラン歴21年
  • 実業団陸上部に11年間在籍

こんにちは。ランニングサポーターの久保です。

横浜在住16年目。3月15日に横浜で初の大規模市民マラソンとなる「横浜マラソン2015」が行われ、私は横浜の街を駆け抜けてきました。

スタートの号砲が鳴りしばらく走っていると、周りのランナーがいつの間にかいなくなり、ポツーンと1人ぼっち。それから最後までほぼ1人きりで走ることになりました。こんな経験は初めてです。練習のときもそうですが、1人きりで走るときに私が一番大事にしていることは体内に眠っている主観的な感覚です。現状の感覚に対し、体がどう反応しているかということを感じながら走っています。

今回のレース中、私はほとんど時計を見ることはありませんでした。いや、あえて見なかったと言ってもいいでしょう。なぜなら5kmを過ぎた時点で余裕がなく "ややキツかった" からです。
練習の仕上がりにおいては余裕を持って走れるはずのペースでした。しかし、現状はややキツかったんです。時計は予定通り遅いタイムを刻んでいるはずなのに・・・。
この時点で、"楽である"、または "やや楽である" くらいに思えていたのなら問題はないのですが、私の体内感覚は "ややキツい" だったんです。
そこでどこからともなく現れたマラソンの神様が私にこう訴えかけるのです。

「マラソンは30kmからがスタートですよ。そこから用意ドン!ができるように何が何でも準備しなさい。」と。

ふと我に返った私は、このまま目標タイムを追いすぎると30kmから勝負することができないし、後半潰れてしまうなと直感しました。
そこで絶対にタイムを追ってはいけないと心に決めて、「主観的なココロのリズム」を第一に30kmまで走ることにしました。主観的なココロのリズムとは、主観的な運動強度を一定に保ち、ココロの旋律を乱さないということです。

ここで例をあげましょう。
主観的運動強度とは、運動をしている人が感じている感覚を数値化し、運動強度として表すものです。

20
19 非常にきつい
18
17 かなりきつい
16
15 きつい
14
13 ややきつい
12
11 楽である
10
9 かなり楽である
8
7 非常に楽である
6

これを私なりにランニングの感覚や練習に当てはめてみると・・・

20
19 非常にキツい/体全体がキツい ■全力スプリント、ラストスパート
18
17 かなりキツい/無理と思う、息がつまる ■インターバル走 400m~1000m
16 ■5kmレース
15 キツい/続かない、やめたい、のどが渇く ■10kmレース
14
13 ややキツい/どこまで続くか不安、緊張、汗びっしょり ■ハーフマラソンレース、LT走 
12 ■マラソンレース
11 楽である/いつまでも続けられる、汗が出る  ■テンポ走的ジョグ、ペース走
10
9 かなり楽である/汗が出るか出ないか、フォームが気になる ■ジョギング
8
7 非常に楽である/楽しく気持ちよいが物足りない ■LSD
6

といった感じになります。
ですので、5kmを過ぎた時点で感じた "ややキツい" はハーフマラソンを走っているようなイメージになります。マラソンは距離が長いので、精神的な緊張もあるので一概には言えませんが、私の中でもう少し気持ちを楽にさせてあげないと最後まで持たないと感じました。主観的な感覚を無視してタイムを追うより、現状をしっかり受け入れて最後まで走りきれるイメージを持とうと考えました。動きやフォームに集中し、リズムが一定であれば、ペースは極端に落ちないだろうと思ったからです。
ですから30kmを迎えるまでは、 "キツい"、または "ややキツい" と感じないように走るだけ。しかしこの状態において楽だと感じてしまってはペースが一気に落ちる懸念があったため、楽とややキツいの間を感じながら走ることに集中しました!

あとあと記録を見てみると、25kmまでは案の定ペースは一定を保っていました。しかし25km~30km付近にくると脚が急に動かなくなり、前へ進まず心がポキっと折れかけます。極力、力を使わずに走ってきたはずなのに、30km手前でキツくなるなんてあまりにも早すぎます。こうなってくると、ずるずる失速し歯止めがきかなくなるところですが、30kmを過ぎてからペースを立て直すことができました。むしろ、ペースをグッと上げて走ることができたんです。

なぜでしょう?

それは早い時点で体と対話し軌道修正、主観的なココロのリズムを崩すことなく走ったことが体とココロのエネルギーに余力を残していたからだと思います。

挑戦することは大事です。一か八かやってみることも時には大事です。ここで攻めるか守るのかを決めるのは、ココロとカラダのフィーリング。最後まで行けると判断したら攻めればいいし、無理かなと思ったら少し様子を見るのもいいかもしれません。もしかすると、攻めたおかげで行けちゃったなんてこともあるかもしれません。それはそれでいいことです。
言いたいことは普段から体と対話する術を養って、体のエネルギーを使い切ることのイメージを作ることだと思います。それが自信であり、冷静な判断に繋がっていくと思います。
私の周りでも今期たくさんの方が自己ベストを更新されました。みなさん、体との対話がとても上手くなったことは言うまでもありません。

自分の体は自分が一番知っています。
みなさんもココロのリズムを主観的に奏でてみませんか?

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