こんにちは。ランニングサポーターの久保です。
今回投稿した写真をご覧ください。
私のフォームを上下に2パターン掲載してみました。
実は上のフォーム、怪我をしていたときに撮影したフォームです。
下のフォームは、ようやく怪我が治ってから撮影した最近のフォームです。
私は昨年末にふくらはぎのヒラメ筋を痛めてしまいました。
練習をしていたときのこと。なんの前ぶれもなくふくらはぎに激痛が走ったんです。昨年も同じ場所に軽い肉離れを起こしており、完治までに時間がかかってしまったことを思い出しました。年明けのマラソン、3ヶ月後のマラソンと2回のマラソンレースを控えていた私は不安に苛まれましたが、焦ってはいけない、痛みが出るのには必ず原因があると考え、まずはなぜ痛みが出たのかを自己分析することにしました。よいフォームで走れることができれば痛みは消えると信じていたからです。
それは現役時代の経験から得たもので、2年間という長い間、足底筋膜炎の痛みで何をやっても走れませんでした。朝起きるとあまりの痛みで、立つことすら困難、階段を下りるごとに激痛が走ります。全く治らないので引退も考えましたが、ある時を境に1週間で痛みがなくなり、それからは劇的に完治し、それ以降一切痛みに悩むことはありませんでした。むしろそこから実業団選手としての実力をつけていき自己新記録も連発していったのです。
また山を歩いたり砂浜を走ったりして、自然の力で足の怪我を治してきました。体を動かしながら痛みを治してきたのです。痛みの原因は、力が加えられるべきところに加わらず、軸が安定しないために負荷がかかってはいけないところへ負担がいってしまうことでした。インナーマッスルの低下や、体の使い方を脳が忘れてしまっていることも原因です。
そこで今回私が試したことは、自分のフォームを解析することでした。
写真には解析結果を掲載しています。
私の場合、アキレス腱やふくらはぎを痛めるときは必ずと言っていいほど上体が後傾気味になっています。その結果、踵よりで接地するため "アキレス腱やふくらはぎ" で衝撃を受け止め、そのまま "アキレス腱とふくらはぎ" で体を前方へ運びます。よって走り終わった後はふくらはぎがパンパンに張って肥大していることが多いです。
いいフォームで走れたときほど、ふくらはぎはシャープにすらっと細くなり、変な張りもありません。地面を受け止め押し出すのは太ももの内側にある内転筋だったり、お尻の中臀筋だったりするからです。写真(Before)は、接地のとき爪先が上がり上体が足裏に乗り遅れています。写真(After)は接地のときに上体が遅れをとっていないため足裏にしっかり乗り込めています。
実は私が怪我をした原因がここにあります。
POINT①
腕と肘の角度に注目してみてください。
写真(Before)は角度が大きいことが分かります。これだと足の運びに対して腕が振り遅れてしまい、上体を前へ押し出すことに大きなパワーが必要になってきます。足の動きに負けないためにも速い腕振りが大事です。この写真の結果からも、速く腕を動かすにはできるだけコンパクトに腕を振ることだと言えます。
POINT②
拳の位置に注目してみてください。写真(Before)と写真(After)を比べてみましょう。
1.
写真(Before):105°の腕振りのときは、右拳は腰から離れた位置にあります。
写真(After):95°の腕振りのときは、右拳は腰の位置にあります。
2.
写真(Before):100°の腕振りのときは、右拳は腰に付きそうな位置にあります。
写真(After):85°の腕振りのときは、右拳は みぞおちの位置にあります。
3.
写真(Before):95°の腕振りのときは、右拳は腰の位置にあります。
写真(After):80°の腕振りのときは、右拳は お腹の位置にあります。
4.
写真(Before):90°の腕振りのときは、右拳はお腹の位置にあります。
写真(After):75°の腕振りのときは、右拳は お腹の前方位置にあります。
といったように、拳の位置が違うことが分かります。
拳を振り子のように使って足が接地したときには振り出せるようにしておかなければなりません。そのためには肘もコンパクトにしなければ振り遅れてしまいます。
POINT③
以前にも踵着地、爪先着地のことについて述べましたが、そこにばかり注目がおかれることにとっても違和感を感じます。
着地した足裏の角度、爪先の角度を見ても分かるように、上体を足裏に乗り込ませた結果フラット気味な接地になるのです。
私の体は重心が後ろにあるため、どうしてもやや踵から接地してしまいますが、写真の結果からも分かるように踵から接地しすぎると怪我を招いていまします。それは、腕振りやフォームが重要で、上体を後ろに残さないように接地するという意識が大切です。
さらには蹴り出した後の踵もお尻の近い位置まで引きつけられていますよね。
走りはちょっとしたことやちょっとした変化で、よくなったりも悪くなったりもします。
子どものころはいい動きができていたはずなのに、大人になってからそれができなくなってしまった。体を動かすことから遠のいたり、年齢を重ねることで筋力の低下や関節の可動域も減少していくのは避けられません。また、脳は今の日常の動きを記憶し、昔の動きは削除してしまいます。私も数ヶ月前はいい走りができていたのに、もう走り方が分からなくなってしまった・・・、そんなことはしょっちゅうです。ですから、体に覚え込まさなければなりませんし、思い出させるようなアプローチをしなくてはいけません。そのようなことをやったことのない方は、新たにインストールするような作業をしなければならないでしょう。
長年染み付いた体の意識を変えることはとても大変な作業ですが、まずは自分のことを客観的に見ることから始めるといいかもしれませんね。
そして速いランナーはどの位置で腕を振っていたり、足を進めているのか、足を着いているのかを見ながらいいフォームのイメージを作っていってください。
最後に、フォームを維持するためにはある程度の補強的な運動も必要だということも忘れないでくださいね。
継続は力なり。