こんにちは、ランニングサポーターの久保です。
2月。それは一年で一番寒い時期ではないかと思います。
寒くてレースなどにおいては記録が出やすいかもしれませんが、体調管理にはとっても気を使う時期です。またあまりにも寒すぎると、走ろうとする意欲を保つのが大変だったりしますよね。
さかのぼる事、13年前・・・。
数年怪我で全く走れず、そろそろ引退を考え出したときのこと。このまま終わるんだったら、痛みがどれだけ出ようが足が壊れようが、最後自分に残された走る灯火を精一杯燃やしてみようと強く思ったんです。それでダメなら潔く終われると。
当時エースだった選手と一緒に練習をさせてもらうことになり、1回1回の練習を必死になって食らいつき頑張ったことを覚えています。そんなことを繰り返していると不思議なことに足の痛みが少しずつ消えて行きました。どんな治療をしても全く治らなかった足の痛みが。
さらにエースの選手と張り合うくらいの練習ができだして、体や筋肉が最高の状態に磨き上げられていったんです。これには自分でも本当にビックリしました。引退を覚悟した自分が、2ヶ月後にはこれまでで最高の状態にまで仕上がっている。追い込まれると人は本当の力を出すんですかね。最後まで諦めず、自分を信じてチャレンジして本当によかったと今でも思います。
最高の状態まで仕上がり、最大の目標とする元旦の駅伝を迎えたときのこと。これまでの疲労がたたり、直前で風邪を引いてしまったんです。絶好調でした。
練習ができているということは今まで以上に体が動きますから疲労していたんですね。メンバーを外され、悔しくて悔しくて泣いたこともはっきり覚えています。
一緒に練習をしていた選手はエース区間で22人抜きの大激走を見せてくれました。本来であればそのタスキを私が受け継ぐはずだったんです。その快走を目の当たりにして、さらに涙が出てきました。
それから2ヶ月後、ちょうどこの寒い2月の季節です。
風邪も完治し、次の目標に向けて合宿に行くことになりました。それは初めて行く土地、アルバカーキというところでした。
まだ暗いうちの朝はダイヤモンドダストが舞い、凍りつくような寒さです。昼間の空は輝くような青空で私たちを包み込んでくれます。そして夕方になると、遠くの地平線に眩いばかりの夕日が沈んでいきました。
なぜでしょう・・・、
夕日を見ていると自然と涙が出てきました。
そのとき見た夕日は今なお私の心に深く焼きついています。
苦しかったり、辛かったりしたときに見て心に刻まれた景色はまた頑張ろうと思える糧になるんですね。陽は沈んでもまた昇ります。そしてまた壮大に青く輝く空が包み込んでくれるんです。その後、私は6年間現役を続けることができました。
もしレースや練習でつまずき、自分ではどうしようもなくなったときに心に響いた景色を大事にして欲しいと思います。
きっといつかあの景色があったから今があると思える日が来ると思いますから・・・。