健康や食生活に関心が高い人々を中心に、ますます注目されている食材「大麦」。なかでも、モチモチした食感の「もち麦」が人気を集めています。はたして、もち麦の魅力とは何なのでしょう? 今回はもち麦をクローズアップして、その魅力に迫ります。
メジャーな健康食材となった「大麦」
最近の健康ブームの流れで、日本型の食生活が見直されたり、健康に役立つ食材が注目されたりするようになってきています。大麦もそんな食材のひとつ。昔から健康によいことは知られていましたが、「ニオイが気になる」「パサパサした食感が苦手」など、敬遠する人も少なくありませんでした。しかし、加工技術の発展により、いまでは大麦を手軽においしく食べられるように。書店では大麦に関する書籍や雑誌が数多く並び、スーパーの食品売り場でもいろんな種類の大麦を手にすることができます。また、テレビ番組で特集が組まれるなど、健康志向が強い人だけでなく、身近な健康食材として親しまれるようになってきました。
なぜいま「もち麦」が注目されているの?
大麦のなかでも、特にもち麦が注目されています。その理由は何なのでしょうか? まずはもち麦以外の大麦の種類や特徴を見て、比較しながらその魅力を探ってみましょう。
こんなにいっぱい!いろんな大麦の種類
麦ごはんとして食べられる大麦は、加工や品種によっていくつかに分けられます。いま話題のもち麦もそのひとつ。主なものは以下のとおりです。
- 押麦
一般的によく見かけられる大麦で、真ん中に黒い筋があるのが特徴です。平べったく加工してあるので食べやすく、麦とろごはんにもよく使われています。
- 胚芽押麦
栄養が豊富な胚芽を残したタイプの押麦。大麦の栄養面を重視する人に人気の大麦です。
- 米粒麦
日本人になじみの深い米粒に似せて加工された大麦。見た目がそっくりなので、お米に混ぜて炊いても違和感なく食べられます。大麦に抵抗感がある人におすすめです。
- もち麦
その名のとおり、モチモチ・プチプチした食感が人気の大麦。大麦の健康機能の要となる、「大麦β–グルカン」を特に多く含み、健康を気づかう人々を中心に人気上昇中の大麦です。
もち麦がオススメな理由は?
もち麦の特徴は、ほかの大麦にはないモチモチとした独特の食感です。この食感は、デンプン(グルコース)の構造の違いによって出てくるもの。アミロペクチンのみで構成されているもち麦は、炊いたときに粘りが出やすくなるのです。
また、もち麦のすぐれた栄養も重要なポイント。もち麦は、大麦のなかでも特に食物繊維が豊富です。通常の押麦では、可食部100gあたりの食物繊維含有量が9.6g(水溶性食物繊維6.0g、不溶性食物繊維3.6g)なのに対し、もち麦は可食部100gあたりの食物繊維含有量が12.9g(水溶性食物繊維9.0g、不溶性食物繊維3.9g)と食物繊維が多いことがわかります。
ちなみに、お米の食物繊維含有量は0.5g。野菜のなかでも食物繊維が多いことで知られるゴボウでも5.7gなので、その含有量の多さがよくわかります。(※)
※松生恒夫(2016)「もち麦」で腸イキイキ革命! 日本文芸社より
もち麦には健康にうれしい「大麦β–グルカン」が豊富
もち麦に多く含まれる食物繊維のなかでも、「大麦β–グルカン」という水溶性食物繊維には次のような健康作用があり、注目を集めています。
糖質の吸収をおさえる
食べものに含まれる糖質が消化吸収され、ブドウ糖となって血液に入ると血糖値が上がります。つまり、糖質の吸収をおさえることは、血糖値の上昇をおさえることにつながります。大麦に含まれるβ–グルカンは、水分を吸収してゼリー状に固まる性質を持っており、胃のなかの食べものを包んで消化器官をゆっくり移動するため、糖質の吸収がゆるやかになるのです。
コレステロールを低下させる
大麦β–グルカンには、血液中の総コレステロールと悪玉(LDL)コレステロールを下げる働きがあるだけでなく、血中コレステロールを正常化させる機能があることが確認されています。なお、善玉(HDL)コレステロールや、正常な人のコレステロールに影響を及ぼすことはありません。
おなかの調子を整える
おなかを健やかに保つことは、全身の健康につながる大切な習慣ですが、大麦β–グルカンにはおなかの調子を整える作用があることがわかっています。
実際に、大麦β–グルカンを含む食品を摂取して呼気中の水素濃度を調べる試験を行ったところ、水素濃度が上がったことが確認されました。試験の結果は、腸内細菌によって大麦β–グルカンが発酵されたことを示すもの。これにより、大麦β–グルカンの摂取によって善玉菌が活性化され、おなかの調子を整えることにつながったことがわかります。
もち麦を手軽に楽しめる「大麦生活」
もち麦を手軽に楽しみたい……そんなときにおすすめなのが、大塚製薬の「大麦生活」です。「大麦生活」は、原料穀粒中にもち麦を58%含む、日本ではじめてのごはんの機能性表示食品。レトルトタイプなので、フタを開けて電子レンジで箱ごと2分加熱すればおいしい麦ごはんをすぐに食べられる、とっても便利な商品です。
健康にうれしい大麦β–グルカンは、1箱あたり3,000mg。糖質の吸収をおさえる、コレステロールを低下させる、おなかの調子を整える、といった機能で、毎日の食生活をサポートしてくれます。もち麦の味をそのまま生かした「大麦生活 大麦ごはん」と、昆布やカツオの風味が香る「大麦生活 和風だし仕立て」の2種類からお選びいただけます。忙しい朝に、健康維持に、手軽でおいしい「大麦生活」をお役立てください。
参考:
- 精麦ってな~に?|全国製麦工業協同組合連合会
- 大麦の健康情報|大麦食品推進協議会
- 血糖値|e-ヘルスネット
- 松生恒夫(2016)「もち麦」で腸イキイキ革命!、日本文芸社
- 東京慈恵会医科大学附属病院栄養部(2015)病院がはじめて大麦の魅力を解説 慈恵大学病医院のおいしい大麦レシピ、出版文化社