齋藤薫のエクエルダイアリー

Vol.01人を褒めると、
自分がどんどん幸せになる?

日本の男性は、女性を褒めることが苦手。でも、会うたびに、何かしら褒めてくれる男性がいた。今日いいね、決まってるね、いい感じ・・・・・・そんなふうに。

つまり褒め方はとても曖昧。女性が女性を褒める時のように、今日の髪型とっても素敵、肌がキレイになったね、といった具体性はない。何を褒められてるのかわからないのに、なんだか妙に嬉しかったりするもの。

でも、ある時気づいた。妙に心が弾むのは、単に褒められているからだけでなく、彼がいつもとても幸せそうで、褒められるとその幸せを分けてもらったような気がするからなのだと。

例えば、世界一褒め上手なのはイタリア人だと言われるけれど、イタリアの男性にとって“女性を褒めること”は1つの礼儀であるらしい。それこそ古代から、女性は女神として崇めるべき存在であるという考え方が根づいているからなのだとか。
ただ最近は、イタリアの男性もだいぶシャイになって、身も知らない女性を、すれ違いざま褒めるようなことはなくなったと言うが、それでもイタリア旅行すると1度や2度は、そういう場面に出くわすもの。買い物をしていて、店の男性スタッフに、あなた素敵だねと言われたりすることはきっと少なくないはずなのだ。

もちろん礼儀として言っていること、もっと言えば営業で言っているかもしれないことがわかるのに、それでも嬉しい。やっぱりそれも、彼ら自身がとても楽しそうに幸せそうに見えるからなのだ。まさしく、女性を褒める喜びに満ちているから。
イタリア人は陽気だから褒め上手なのか、褒め上手だから陽気なのか。きっとどちらも真実なのだろう。どちらにせよ、人を褒めることって、じつは褒められること以上に、人を幸せにする行為なのかもしれない。

じつはそれ、科学的にも証明されていること。人と優しく触れ合うことで生まれる“幸せホルモン”オキシトシン、それは、人を褒めることでも分泌が高まると言われるのだ。
お母さんが赤ちゃんに優しく触れる時、飼い主がペットを優しく撫でる時、触れること撫でることで生まれる幸せもあるように、人を褒めることでも人は幸福感に包まれるのである。

でも一方で、人を褒めることって意外に難しい。「お世辞が上手」そう言われてしまうのは、やっぱりちょっと悲しい。だから当然のことだけれど、心にもないことは言わない。相手に関心を持ち、好意を持って接すれば、自ずと褒めるべきところが見えてくるはず。それを決して見逃さないで。

そして不思議なことに、人を褒めることの喜びを溢れさせるような、見ているほうまで心華やぐような褒め方をすると、取ってつけたようなお世辞には見えないはず。自ら幸せそうに「それ素敵〜」と、瞳をキラキラさせることが決めてなのだ。

いずれにせよ、褒めたほうも褒められたほうも幸せになる、その時間を自ら作り出すのだという自覚を持って、人を褒めること。“褒めること”って人と人が一緒に幸せになるために、神様が与えた掛け替えの無い行為なのだから。

美容ジャーナリスト/エッセイスト
齋藤薫

女性誌編集者を経て独立。美容ジャーナリスト、エッセイスト。女性誌において多数の連載エッセイをもつほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。近著『だから“躾のある人”は美しい』(集英社文庫)、『“一生美人”力 セカンドステージ 63の気づき』(朝日新聞出版)ほか、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。

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