齋藤薫のエクエルダイアリー

Vol.02口角を
あと5ミリ上げただけで、
人生は変わる。

長引くマスク生活で、知らず知らず緩んでいた口元。それが今、ひょっとすると何年分か、顔印象を老けて見せているかもしれない。さらに言えば、それが知らず知らず、あなたを不機嫌に見せているかもしれない。

黄色い丸顔のいわゆるスマイルマークが、基本的にリップライン1本の向きだけで喜怒哀楽の全てを表現してしまうのを思い出して欲しい。口角が上向きか、下向きか、水平か、はたまた斜めに傾いているか、それだけで、まるで別人格に見えるほど。口角の向きが、その人の印象の多くを決めていることに改めて気づかされる。それをマスク習慣でうっかり忘れがちになっていたかもしれない。だから改めて考えたいのだ、口角のこと。

笑顔が、笑いが、免疫力を高める・・・・・・科学的根拠もあるこの事実、既に多くの人が知っている。それも極端な話、作り笑いするだけで、つまり心からの笑いでなくても、ただ口角を意図的に上げるだけでもいいと言うのだ。

でも、本当にそんなことがありうるの?自分では確認のしようもないけれど、ただ本気で意識的に口角を上げるようになると、自分の中で何かが変わることにはきっとみんな気づいているはず。
まず、口角を上げるだけで気持ちが劇的に変わるのは確か。楽しいから愉快だから口角が上がるのではなく、口角を上げると楽しく愉快になることにも気づいたはずなのだ。

しかもそれは、心が一気に前向きになることを意味し、何だか本当に景色が変わったように、いろんなものが明るく見えるようになる。人との会話にも否定形が少なくなり、不平不満や悪口が言えなくなるから不思議。表情が心を左右するのは紛れもない事実なのである。

そして、笑顔も移る。こちらがいつも笑顔でいると相手も自然に笑顔になる。だから関係がとても良くなると言っていい。とまぁ、良いことずくめ。免疫力が高まる前から、自分が変わっていくことに気づくはずなのだ。

もしもそこまでの変化を感じないと言うなら聞いてほしい。それはおそらく、口角の上げ方が足りないから。笑顔でいるつもりでも、他者の目には笑顔に見えない人が少なくないのだ。とりわけ口角を上げることに慣れていない人は、どうしても笑顔が小さくなる。

笑顔を作るには、意外に大きな筋肉の動きが必要。笑い慣れていないと、笑顔筋とも言える筋肉が少し硬くなりがちだから、何だか笑顔を重く感じるのだろう。
どうか鏡を見て、なるべく大きな笑顔作ってみて欲しい。そこからさらにあと2ミリ、いえあと5ミリ口角を上げてほしい。そうでないと心が前向きになるスイッチがオンにならないから。免疫力アップにもつながらないから。そして何より、笑顔がキラキラ煌めかないから。

いつも笑顔な人が遠くからでもキラキラ輝いて見えるのは、遠目にも笑顔であることがわかるほど、 鮮やかに口角が上がっている。それは、その人がとても幸せに生きていることの証に他ならないのだ。

きっとみんな笑顔が足りない。もっと大きく、あと5ミリ、大きく笑ってみて。それが癖になった時、きっと自分が変わる、周りの景色も変わる、そして生き方が変わる。

美容ジャーナリスト/エッセイスト
齋藤薫

女性誌編集者を経て独立。美容ジャーナリスト、エッセイスト。女性誌において多数の連載エッセイをもつほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。近著『だから“躾のある人”は美しい』(集英社文庫)、『“一生美人”力 セカンドステージ 63の気づき』(朝日新聞出版)ほか、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。

ダイアリーTOPへ

美と健康へのヒントが盛りだくさんコラム記事はこちら

取り扱い先

取り扱い先を調べる

公式通販サイト

ご購入はこちら