齋藤薫のエクエルダイアリー

Vol.09気分のいい日、悪い日。
元気な日と、元気のない日………
それを決定しているのは、
体の軽さ重さだった?!

今日は体が重い……そう感じる日は、単純に体が疲れているか、体調そのものがすぐれないか。どちらにしても、どこかで慣れてしまっているから、何も不思議に思わないはず。体重は変わっていないのに、自分の体をより重く感じたり、より軽く感じたりすることの不思議を。

以前、こんな体験をした。怪我で膝の靭帯を痛め、かなり長い間、歩くたびに痛みがあった。一体どうしたら?と途方に暮れていた時、整体の専門家からアドバイスを受ける。頭のてっぺんから引っ張られているようなつもりで歩いてみて。

そんなことで、この痛みが取れるの?半信半疑で試してみると、上から何かに引っ張られているつもりになるだけで、本当に上手に歩ける気がしたのだ。気分的なものに違いないが、体もなんだか軽くなったよう。だから足に負担なく歩けるような気さえしてしまうのだ。単にそういうつもりになるだけで、そういう感覚をもつだけで、体重が軽くなるってどういうこと? 頭では理解ができないのに、体では充分に実感できる。体の軽さ重さって、こんなに簡単に自分でコントロールができるんだって、気づいたのだ。

体が重い時って、体を動かすのももちろん、モノを考えるのも面倒になって、1日ごろごろ、気がつくとなんだか後ろ向きになっている。そういえば妙に甘いものが欲しくなって、間食が急に多くなる。
そういう体の重さは、睡眠でも解消できないことが多かったり。そもそもそういう時ほどよく眠れなかったりするもの。だから余計に気重に感じてしまう悪循環。

もちろん本当に体調が悪い時は別。でも、何となく体が重く感じると言うだけで、残念な一日を過ごしてしまうことが、私たちには少なくないはずなのだ。それこそ単純に、体を軽くする感覚を持つだけで、そういうことって面白いほどあっけなく払拭できるのに。

だから体が重いと感じたら、ともかく頭のてっぺんから何かに引っ張られている感覚を持って、姿勢を正して座ってみる。元気のない時に背筋を伸ばして座るなんて、そもそも無理と思うのだろうけれど、ここで提案するのは全てが感覚。

ソファーでごろごろするとそれだけで体が重く感じるけれど、逆にこんな説もある。休日をソファーでごろごろしながら過ごすと、むしろ体の重さを翌週に持ち越してしまうことが少なくないという……。元気がないからごろごろするというのが当たり前の理屈だけれど、実はそこがまるで逆かもしれないのだ。

つまり休日、体を休めたいと思う時こそ、むしろしゃきっと、背筋を伸ばして座っていた方が体が楽と言うことになる。それこそ椅子に浅く座って背筋を伸ばすと、自分の体重は半分以下に感じるかもしれないわけで、そうやって意識的に体を軽くすれば、何となくでも気分良く過ごせると言うことにはならないだろうか。

いつも元気な人は、やっぱりなんだか背筋が伸びている。まさに頭のてっぺんから何かに引っ張られているように。少なくとも、ごろごろしているイメージは浮かばない。彼らもそうやって意識的に、気分の良い時間を作っているのかもしれない。

「病は気から」と言うけれど、実際に気分だけで元気や快適を奪っている可能性に早く気づいて、自分を軽やかにコントロールしてみて欲しい。きっと毎日でも気分良く過ごせ、明らかに生き方が変わるはずだから。

美容ジャーナリスト/エッセイスト
齋藤薫

女性誌編集者を経て独立。美容ジャーナリスト、エッセイスト。女性誌において多数の連載エッセイをもつほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。近著『だから“躾のある人”は美しい』(集英社文庫)、『“一生美人”力 セカンドステージ 63の気づき』(朝日新聞出版)ほか、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。

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