コラム 暮らしを彩るワンポイント北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの
フィンランド花通信

第56回 
白夜の小瓶リース

丸くつないだ小瓶に好きな花をたっぷり生けましょう。中央にキャンドルを灯せば、白夜をイメージしたリースの完成です。
第56回 白夜の小瓶リース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】

白夜を想う

6月のフィンランドは、夜になっても明るい白夜の日々が続いています。白夜のピークは夏至祭の日。真夜中になっても日が沈まず、家族や親しい友人とコテージに集まり、おいしいごちそうを食べ、焚火を囲んだり、サウナを楽しんだりします。
日本でも、夏至の日にはお祭りが行われる地域があり、「キャンドルナイト」と称したイベントが行われるところも。フィンランド流に家族や友人と集まって、夏を祝うパーティーをするのもいいかもしれません。たっぷりの植物をあしらったリースの中央にキャンドルを灯して、白夜に思いをはせましょう。
第56回 白夜の小瓶リース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
花材・道具:ビオラ/リューココリーネ/ビバーナム/カンパニュラ/ブプレリウム/サポナリア/グラスポット(小瓶)12個/グラスサンド(砂状の素材)/麻ひも/はさみ/ナイフ

小瓶をつなぐ

小さな瓶を12個用意しました。100円ショップやホームセンターなどで購入できるものでもいいですし、同じ形の空き瓶を集めるのもいいでしょう。瓶同士を麻ひもでつないでリース状にします。瓶の中に水を入れて花を生けていくので、フレッシュなリースが楽しめます。瓶の底に、花の色に合わせたグラスサンドを入れておくと、花の向きが固定できるので生けやすくなります。
第56回 白夜の小瓶リース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
1 麻ひもを長く取り、小瓶の口元にひっかけて1周して本結びにします。別の小瓶を手前に並べて置き、麻ひもを瓶の口元にひっかけて1周して片結びにします。
第56回 白夜の小瓶リース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
2 結んだときに下側になっている麻ひもを、小瓶と小瓶とをつないでいる麻ひもに2回巻きつけ、手前に引っ張ります。
第56回 白夜の小瓶リース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
3 上側になっている麻ひもと片結びします。これを繰り返し、小瓶をつなげていきます。今回は12個の小瓶をつなぎ、リース状にしました。
第56回 白夜の小瓶リース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
4 小瓶の中に水とグラスサンドを入れます。花を長持ちさせたい場合は、このときに切り花栄養剤を入れておくとよいでしょう。
第56回 白夜の小瓶リース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
5 好きな花を小瓶のサイズに合わせてカットし、どんどん生けていきます。グラスサンドに挿すと花の向きが固定しやすくなります。
第56回 白夜の小瓶リース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
6 ポイントは、小瓶の水に葉が浸からないように、生ける前にしっかり葉の処理をすること。また、上から見たときにリースに見えるよう、各小瓶に挿す花のボリューム感をそろえ、小瓶と小瓶の間にすき間ができないように、たっぷりの花を生けるようにしましょう。
第56回 白夜の小瓶リース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
7 リースの中央にキャンドル台を置き、キャンドルを乗せて完成です。

感じるままに

フィンランドで夏中咲いているビオラをメインにしましたが、花の種類はなんでもOK。バジルやパセリ、ミントなどのハーブを生けてもいいですし、庭で採れた野花や、旬のアジサイもおすすめです。また、飾る場所によっては、小瓶は輪にせず、複数個をつないでそのまま流れるような形を作るのもいいでしょう。ああしてみよう、こうしてみようと考えながら作るのがフラワーアレンジメントの醍醐味です。
第56回 白夜の小瓶リース/北欧フラワーデザイン協会・ヘンティネン・クミさんの【フィンランド花通信】
花は、ビオラのように花びらが大きいもの、ビバーナムやアジサイのように小さな花(ガク)が集まって咲いているもの、ブプレリウムのように細かい花が散らばって咲くものなど、さまざまなタイプを用意すると華やかなデザインになります。
デザインのテクニックを知りたい人は、ヘンティネン・クミさんが主宰する北欧フラワーデザイン教室で丁寧に教えてもらえます。趣味のコースでは、6,500円(花資材・講師料・税込み)で受講できる体験レッスンもあります。また、お花をもっと知りたい、お花を教えるようになりたい方のためのマンツーマンプライベートレッスンも始まりました。(https://www.linoka.jp/)
著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』からも学べます。(詳しくはこちら
ヘンティネン・クミ
ヘンティネン・クミ(へんてぃねん・くみ)さん
北欧フラワーデザイナー。13歳より池坊生花を学び、国内大手百貨店内のフラワーショップに10年間勤務。イギリス、オランダへ花留学したのち、1998年からフィンランドへ。北欧フラワーデザインのパイオニアであるヨウニ・セッパネン氏の専属アシスタントを務めながら、フィンランド国立KEMPELE花卉園芸学校マスターフローリスト科を卒業。ヘルシンキ市内でフラワーショップとスクールを経営。13年間の欧州での花仕事の後、2007年に帰国。東京・新御徒町駅上の「LINOKA Kukka」で、北欧スタイルのフラワーデザインスクールを開校。趣味のコースのほか、お花を仕事にしたい方や、基本からしっかりお花を学びたい方への完全プライベートレッスンのディプロマ取得コースがある。著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』(六耀社)。
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