女性の健康推進プロジェクト

産婦人科医「高尾美穂 先生」に聞くかかりつけ婦人科医を持つメリット

高尾 美穂 先生

産婦人科医・医学博士・スポーツドクター。 女性のための統合ヘルスクリニック「イーク表参道」副院長。 文部科学省・国立スポーツ科学センター 女性アスリート育成・支援プロジェクトメンバー。 長年ヨガを愛好し多くのヨガインストラクターを指導。 YouTube「高尾美穂からのリアルボイス」では毎日、女性のお悩みに答え、楽に生きられる考え方を配信している。

女性にとって「かかりつけ婦人科医」を持つメリットは、女性の人生が女性ホルモンの変動による影響を大きく受けるからといっても過言ではありません。

女性ホルモンは、妊娠・出産に関わる機能や、そのための女性のカラダづくりを担っています。
排卵が起こり、妊娠ができる機会を迎えた私たちの体において、妊娠が成立しなかったときにやってくるのが、「月経」です。
私たち女性は、周期的に月経が来るというサインで、自身の体に女性ホルモンが十分量あるということを把握できるのです。
そんな女性ホルモンには、妊娠の準備や女性らいしいカラダをつくるための「エストロゲン」と、妊娠の維持を支える「黄体ホルモン」の2種類があります。

エストロゲン

  • 子宮内膜を厚くし、妊娠の準備をする
  • 乳房の発育などを促し、女性らしい体をつくる
  • 血管や骨、関節、脳などを健康に保つ
  • コラーゲン産生を促し、肌を美しくする
など

黄体ホルモン

  • 子宮内膜を維持して妊娠しやすい状態にする
  • 水分や栄養素を蓄えて妊娠の維持をする
  • 乳腺を発達させる
  • 体温を上げる
など

中でも「エストロゲン」は、それ以外にも、血管の弾力性の維持、骨量の維持、自律神経の安定、そして脂質異常症にならないようにコレステロール値を抑えるなど、身体の内側の健康だけでなく、肌を弾力性のある状態に保つ、髪の毛をつややかに密に保つ、こういった美容的な働きも担い、女性を守ってくれているのです。
生理周期がある間に訪れる悩み、更年期に訪れる悩み、こういった様々な悩みの多くは、この女性ホルモンの変動によって生まれていますので、その変化について詳しい女性の健康の専門家である「かかりつけ婦人科医」からアドバイスを受けるということは、大きなメリットがあります。

エストロゲンの役割の例

エストロゲンの役割の例

また、女性の人生を広く俯瞰して見たときに、段々と体が変化をしていくその過程も知っていてくれる「かかりつけ婦人科医」がいるということ自体が、大きな心強さを生むのではないかと考えています。

婦人科的な相談だけではなく、お肌に関する相談や、ちょっとしたご家族についての相談なども、気軽に何でも話せるようなコミュニケーションパートナーとなりうる「かかりつけ婦人科医」に、みなさんが出会えることを願っています。