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プレコンセプションケアとは

PRECONCEPTION CARE

あなたとあなたの未来を守るプレコンセプションケア

将来の妊娠を考えながら女性やカップルが自分たちの生活や健康に向き合うことがとても大切。
自分を管理して健康な生活習慣を身につけること、それは単に今の健康を維持するだけではなく、 より素敵な人生をおくることにつながるでしょう。

監修

成育医療研究センター 女性総合診療センター
女性内科 診療部長 荒田 尚子 先生

プレコンセプションケアとは

プレコンセプションケア=若い世代のコンディショニング

プレ(pre)は「~の前の」、コンセプション(conception)は「妊娠・受胎」という意味で、直訳するとプレコンセプションケアは「妊娠前からの健康管理」となりますが、現在は「若い男女が将来のライフプランを考えて、日々の生活や健康と向き合うこと」と幅広い意味で定義されています。
妊娠前の若い世代から健康と向き合うことは、「現在のわたしの健康」だけでなく、「将来のわたしの健康」、また「将来のこどもの健康」へもつながります。

プレコセプションケアについて考える(座談会動画)

プレコンセプションケアが注目される背景

人生100年時代といわれる昨今、若いうちからの健康管理が、生涯にわたる豊かな人生に大きな影響をあたえると言われています。また、下記のような「リスクのある妊娠・出産の増加」もプレコンセプションケアが注目される要因となっています。

若い女性のやせと
肥満の増加

「やせ」は切迫早産や早産、低出生体重児分娩などのリスクに関連し、「肥満」は巨大児、妊娠高血圧症候群、妊娠糖尿病などのリスクに関連します。

妊娠・出産の高齢化
 

妊娠率が低下し、流産や子どもの染色体異常の発生率や妊娠合併症などが上昇するといわれています。

妊娠前からの葉酸の
摂取不足

赤ちゃんの神経管閉鎖障害は、妊娠前から妊娠初期におけるママの葉酸の摂取不足が原因のひとつといわれています。

*全ての神経管閉鎖障害が葉酸の摂取不足だけでおこる訳ではありません。

プレコン期の重要な行動

プレコンセプションケアとは実際に何をすれば良いのでしょうか。とくに重要な行動として、主にこちらの5つがあげられます。

  • 適正体重を保とう
  • バランスのよい食事をとろう
  • 葉酸をとろう
  • 生活習慣を整えよう(アルコールを控える・禁煙など)
  • かかりつけ婦人科医をもとう(感染・基礎疾患のチェックなど)

適正体重を保とう

若い女性の「やせ」や「肥満」は自身の病気のリスクだけでなく、不妊や妊娠・出産のリスクにも関連しているため、適正体重の維持や体型管理はとても重要です。

「肥満」と「やせ」の指標として、BMI(ボディマスインデックス)という指標が国際的に使用されており、18.5以上25未満が標準の範囲とされています。まずはあなたのBMIをチェックしてみましょう。

バランスのよい食事をとろう

バランスのとれた食事は体型管理、健康維持の基本です。
毎日3食を基本として、「主食・副菜・主菜・乳製品・果物」から5大栄養素をバランスよく摂りましょう。また女性に不足しがちな葉酸、鉄、カルシウム、タンパク質などは積極的な摂取が大切です。

十分にバランスの良い食事が摂れないときには、栄養補助食品やサプリメントのほか、保健機能食品などの活用もおすすめです。

妊娠前から葉酸をとろう 栄養(やせ肥満・葉酸)

葉酸は、妊娠前から妊娠初期にかけてしっかり摂ることが推奨されています。葉酸が不足していると神経管閉鎖障害という赤ちゃんの先天異常をまねきやすいことがわかっています。葉酸は食事だけでは十分に摂ることが難しいため、食事に加えてサプリメントなどによる補充することが推奨されています。

生活習慣を整えよう

タバコは男女ともに不妊症のリスクを高めます。妊娠中の喫煙や受動喫煙は、流産や早産、周産期死亡、赤ちゃんの低体重などを引き起こす可能性があるため、妊娠を考える女性も、周りの人も、タバコはやめましょう。

また、妊娠を考えたときからアルコールは控え、妊娠の可能性のある時期・妊娠中は全期間、禁酒が原則です。妊娠中の飲酒は、先天異常や発育不全、中枢神経障害や発育の遅れなどのリスクになります。

かかりつけ婦人科医をもとう(感染・基礎疾患のチェックなど) 

●感染症の予防

妊娠中にかかると赤ちゃんに悪影響を与えるおそれのある感染症もあるので、予防接種できるものはぜひ早めに対策をしておきましょう。

●かかりつけ婦人科医に相談しよう

生活習慣病や持病は、妊娠トラブルや赤ちゃんに悪影響を及ぼす可能性があるため、持病を持つ女性は妊娠を考える前にかかりつけ医やかかりつけ婦人科医と相談することが重要です。自分の心身のことをいつでも相談できるようにしておきたいものです。

監修

成育医療研究センター 女性総合診療センター
女性内科 診療部長
荒田 尚子 先生