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大塚製薬株式会社

2014年2月25日

医療関連事業

第60回大河内記念賞を受賞
統合失調症治療薬アリピプラゾールの開発

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:岩本太郎)は、「統合失調症治療薬アリピプラゾールの開発」に関し、公益財団法人大河内記念会から第60回(2013年度)大河内記念賞を受賞しました。贈賞式は3月26日(水)、日本工業倶楽部会館(丸の内)にて行われます。

大河内賞は、故大河内正敏博士の功績を記念して、財団法人大河内記念会(理事長:吉川弘之氏)が日本の生産工学や生産技術分野の卓越した業績を表彰する伝統と権威ある賞です。「大河内記念賞」は大河内賞の中でも最上位に位置づけられ、生産工学および生産技術上優れた独創的研究成果をあげ、学術の進歩と産業の発展への貢献が特に顕著であった業績に贈呈されます。

【受賞理由】
このたびの受賞は、「アリピプラゾール(製品名:エビリファイ)」が従来の薬剤にはない新規構造を有し、ドパミンD2受容体パーシャルアゴニストとして統合失調症の陽性症状、陰性症状の改善をもたらす新規薬理作用により、最初の、そして唯一の第3世代抗精神病薬として位置づけられていること、また、品質逸脱が発生しない堅牢な製造プロセスを構築し、原薬の商業スケールでの安定供給を達成したことなどが高く評価されたものです。

【受賞者】
大城 靖男 知的財産部顧問 工学博士
佐藤 誠司 探索第一研究所合成室主任研究員 薬学博士
谷口 洋一 徳島第二工場医薬生産部 部長
辻森 久元 徳島第二工場医薬生産部 医薬生産課 課長 農学博士
青木 聡之 徳島第二工場医薬生産部 生産技術課 課長補佐

アリピプラゾールについて

アリピプラゾールは「エビリファイ」の製品名で、世界で初めて開発されたドパミンD2受容体パーシャルアゴニスト作用を有する抗精神病薬として2002年米国で最初に販売され、現在世界60カ国・地域で販売されています。「エビリファイ」はドパミン活性が過剰である場合はその状態を抑制し、逆にドパミン活性が低下している場合にはその活性を増加させるという作用を持つ薬剤です。その結果、有効性と安全性に優れ、患者さんが長く服用を続けられる薬剤であると評価されており、世界での適応症は13あります。2012年度の世界での売上は4,385億円となり、2013年1~12月には米国の全医薬品売上No.1の薬剤になるまで成長しました。

アリピプラゾールは、昨年5月、日本で最も優れた発明に贈られる恩賜発明賞も受賞しています。「副作用が少なく安全に利用できる」という特徴を持つ化合物の発見・合成に成功した研究チームのものまねをしない研究開発が評価されました。

現在、新たな製剤技術として月1回の注射剤である「アリピプラゾール持続性注射剤(Abilify Maintena:エビリファイ メンテナ)」を米国では2013年3月より販売し、欧州では2013 年11月に欧州委員会(EC)から承認を得て2014年1月より英国で販売を開始しました。2014年2月にはカナダでも承認取得しました。日本では製造販売承認を申請中です。

  • Copyright 2014 IMS Health. IMS World Review 2007-2012 and IMS World Review Preview 2013 をもとに作成. 無断転載禁止.

参考資料

大河内記念会および大河内記念賞について

公益財団法人大河内記念会は、東京帝国大学教授や理化学研究所所長等を歴任した大河内正敏博士(1878年~1952年)の学界、産業界に残された功績を記念して1954年に設立されました。大河内博士の遺志となった「生産のための科学技術の振興」を目的として、大河内賞による表彰事業等を実施しています。大河内賞は、毎年、理工系大学、研究機関、学協会、産業団体、企業等から推薦された生産工学、生産技術の分野の卓越した業績について、大学教授等20余名で構成される「審査委員会」により審査の上、選定された業績に対し贈られるもので、大河内記念賞、大河内記念技術賞、大河内記念生産特賞、大河内記念生産賞の4つの賞があります。そのうち大河内記念賞は、生産工学および生産技術上優れた独創的研究成果をあげ、学術の進歩と産業の発展への貢献が特に顕著であった業績に贈呈されます。なお、大塚製薬は「抗潰瘍剤レバミピドの開発」に関して、第43回(1996年度)大河内記念技術賞を受賞しています。
大河内記念会ホームページ: http://www.okochi.or.jp/hp/top.html

受賞理由の詳細

アリピプラゾールは、3,4-ジヒドロカルボスチリル骨格の7位と2,3-ジクロロフェニルピペラジンがブトキシリンカーで結合された従来の薬剤には無い新規構造を有します。従来の薬剤のほとんどがD2受容体遮断薬であるのに対し、本剤はD2受容体の部分作動薬です。陽性症状にはドパミン神経の過剰活動を抑制するD2受容体拮抗薬として、陰性症状にはドパミン神経の活動低下を賦活させるD2受容体作動薬として作用し、両症状の改善をもたらす既存の薬剤にはない新規薬理作用を有します。本剤は臨床において陽性症状及び陰性症状を改善し、さらに安全性も極めて高く、現在、最初のそして唯一の第3世代の抗精神病薬として位置付けられています。アリピプラゾールの商用生産はコストメリットのある高純度大量生産可能な製造法であり、且つ環境負荷の低い水系溶媒を使用したプロセスで構築されています。また、困難とされた特定の無水物結晶の安定的な製造も水和物、粒子径、温度等の調整により確立されました。このような製造方法の構築により、品質逸脱が発生しない堅牢な製造プロセスを確立し、原薬の商業スケールでの安定供給を達成しました。

本ニュースリリースの掲載情報は、発表当時のものです。