大塚製薬株式会社

医療関連事業
2023年9月1日

「マインドセット社」の買収について
- 精神・神経疾患領域のポートフォリオを拡大 -

 大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:井上眞、以下「大塚製薬」)は、8月31日(現地時間)、Mindset Pharma, Inc.(本社:カナダ トロント、 CEO:James Lanthier、以下「マインドセット社」)と、大塚アメリカ Inc.(大塚製薬の100%子会社:Otsuka America, Inc. 以下「OAI社」)を通じて、マインドセット社を現金約80百万カナダドルで完全子会社化(以下「本買収」)することについて合意し、契約を締結しましたので、お知らせします。本買収は、今後、必要な手続き等を経て、2023年度第4四半期中に完了する予定です。

1. 本買収の理由

 マインドセット社は、アンメットニーズの高い精神・神経疾患の治療に貢献するため、次世代の精神疾患治療薬の研究開発に卓越した専門性を有する創薬型研究開発企業で、セロトニン5-HT2A受容体を活性化する新規アゴニストを化学的に設計および合成する革新的なプロセスを有し、有望な化合物を複数創製しています。2022年1月に大塚製薬の関連会社であるThe McQuade Center for Strategic Research and Development, LLCがマインドセット社の研究開発を支援するために締結した戦略的投資契約以降、両社で新規化合物の評価を進めてまいりました。マインドセット社が開発しているセロトニン5-HT2Aアゴニストは、治療抵抗性うつやPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの治療薬としての可能性が注目されており、明確な医療ニーズが残る精神・神経疾患領域において大きなイノベーションとなることが期待されています。このたびの買収により、大塚製薬は、精神・神経疾患領域におけるリーディングカンパニーとして、本領域のポートフォリオ拡大を加速させていきます。

 大塚製薬 代表取締役社長 井上眞は、「大塚製薬は、最重点領域の一つに精神・神経領域をかかげ、様々な臨床的意義を持つ抗精神病薬などをグローバルに展開しています。このたびの買収により、マインドセット社が持つ新たな新規化合物が加わることで、精神疾患で悩む患者さんに対してさらなる貢献ができると期待しています」と述べています。

 マインドセット社 CEO James Lanthierは、「このたびの大塚製薬との契約締結は、当社の価値を最大化するとともに、すべてのステークホルダーにとって素晴らしい成果となりました。大塚製薬は、私たちの資産と特許ポートフォリオの価値をさらに高めることで、患者さんの将来の利益に貢献できる理想的な立場にあると確信しています」と述べています。

2. 本買収の概要

 本買収によりマインドセット社は、当社全額出資の米国持株会社OAI社の完全子会社となります。買収完了後、大塚製薬は欧米において、複数の新規5-HT2Aアゴニストの開発を実施します。また本買収は、当社がOAI社および本買収のためにその傘下に設立した特別目的会社を通じて、プラン・オブ・アレンジメント(カナダ法上認められている友好的企業買収方法)による手続きを通じて、マインドセット社の全株式を取得することで実施されます。OAI社によるマインドセット社の株式取得は、カナダ裁判所における本件取引の承認、マインドセット社株主等からの承認決議およびその他法的手続きの完了を条件としており、本買収は2023年度第4四半期までの完了を目指します。

3. マインドセット社の概要 (https://mindsetpharma.com/

会社名 Mindset Pharma, Inc. (CSE: MSET)
所在地 217 Queen St W, Toronto, ON M5V 0R2, Canada
代表者 James Lanthier, CEO
事業内容 次世代向精神薬の研究開発
資本金 1,880万カナダドル(2023年3月31日現在)
設立 2019年