ニュースリリース

大塚製薬株式会社

2015年4月1日

医薬関連事業

慢性骨髄性白血病の診断補助、治療効果のモニタリングマーカー
『Major BCR-ABL mRNA測定キット「オーツカ」』が4月1日より保険適用に

  • 自社発の『Major BCR-ABL mRNA測定キット「オーツカ」』(以下、本製品)が慢性骨髄性白血病(CML)※1の診断補助および治療効果のモニタリングで保険適用となる
  • 日本のCML患者数は約11,000人※2で増加傾向にあり、CML治療において、従来の治療効果の測定は分子レベルでの評価が限られているため、病気の再発や治療効果を国際標準の検査値(IS値※3)で評価することが望まれている
  • 本製品の検査値は、IS値を満たす世界最高水準の検出感度※4であるため、欧米ガイドライン※5に沿った治療評価が可能となり、また、初発・再発の診断補助に役立ち、治療効果のモニタリング(微小に残存する白血病細胞の定量)に貢献できると期待される

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長;樋口達夫、以下「大塚製薬」)は、体外診断用医薬品として、慢性骨髄性白血病(CML)の診断補助及び治療効果のモニタリングに使用する国際標準値に適合した『Major BCR-ABL mRNA測定キット「オーツカ」』が保医発0331第1号の通知により本年4月1日から保険適用となりましたのでお知らせいたします。

ステップ3と4は、Major BCR-ABL mRNAの量を測定することにより確認できます。
「白血病と言われたら」疾患・治療編p42:図8から引用、改変(全国骨髄バンク推進協議会発行)

国内の慢性骨髄性白血病(CML)は、10万人に1人の割合ですべての年齢層で発症しますが中年以降にやや多くみられ、発症年齢中央値は53歳でやや男性に多く、現在患者数は約11,000人※2であり高齢者の人口増加と治療の進歩による死亡率の低下により増加傾向にあります。
CMLの治療成績は、病気の原因となる白血病細胞中の変異したBCR-ABL遺伝子から作られるBCR-ABL蛋白をターゲットとする分子標的薬であるチロシンキナーゼ阻害薬の登場により、この10年で劇的に向上しました。CMLの治療は、本邦および海外のCML治療ガイドライン※5から、投与期間毎の治療効果(白血病細胞の量)についてMajor BCR-ABL mRNAの発現量を国際標準値(IS値※3)で評価するとされ、その値に基づき治療法を考慮することが推奨されています。しかし日本ではIS値を採用した体外診断用医薬品がありませんでした。最近の臨床現場では長期の服薬が必要なチロシンキナーゼ阻害薬を「いつ止められるのか」が注目され、微小残存病変の評価と早期再発の発見(モニタリング)のため、より高感度に測定できる体外診断用医薬品が世界的に望まれてきました。
大塚製薬は、これらの課題を克服するため細胞レベルから分子レベルの測定ができる世界最高水準の検出感度とIS値で報告できる体外診断用医薬品を自社開発しました(図)。本製品は、末梢血白血球より抽出したRNA中のMajor BCR-ABL mRNA/ABL mRNA比(国際標準値)の測定を使用目的とし、慢性骨髄性白血病(CML)の診断補助及び治療効果の管理(モニタリング)に使用します。IS値で結果報告を行うため、造血器腫瘍診療ガイドライン2013年版および米国のNCCNガイドライン、欧州のELNガイドラインに沿った治療評価を行う事が出来ます※3

 大塚製薬は、世界の人々の健康の維持とより良い治療を提供していきます。当社の診断事業部は、医薬品の持つ能力を最大限に引き出せる診断薬の開発を目指して今後も医療に貢献してまいります。

【製品概要】

*平成27年3月31日保医発0331第1号

  • ※1 慢性骨髄性白血病: 9番染色体と22番染色体の転座により形成されたBCR-ABL融合遺伝子が産生する異常な蛋白が、CML細胞の過剰な生存・増殖をもたらします。この活性を抑えるチロシンキナーゼ阻害薬が発売され、多くのCML患者が分子遺伝学的大寛解(Major Molecular Response)より深い分子遺伝学的寛解(Molecular Response)に達するようになりました。
  • ※2 出典 厚生労働省 平成23年患者調査
  • ※3 IS値:BCR-ABL融合遺伝子(Major BCR-ABL mRNA/ABL mRNA比)の国際標準値International Scaleの略称です。
    CML治療ガイドラインではIS値による分子遺伝学的寛解(MR)による治療効果の判定が規定されています。
    MR3.0あるいはそれ以上の効果を分子遺伝学的大寛解(MMR)と呼び、ELN(European Leukemia Net)2009では分子遺伝学的完全寛解(CMR: Complete Molecular Response)をMR4.0と定義されています。(造血器腫瘍診療ガイドライン2013年版引用)
  •   MR3.0(IS値≦0.1%)
  •   MR4.0 (IS値≦0.01%)
  •   MR4.5 (IS値≦0.0032%)
  • ※4 Major BCR-ABL mRNA測定キット「オーツカ」の最小検出感度は、0.0007%(IS値)です。
  • ※5 CML治療ガイドライン:本邦では造血器腫瘍診療ガイドライン(2013年版)、海外ではELN(European Leukemia Net)コンセンサスやNCCN(National Comprehensive Cancer Network)ガイドラインがあります。

本ニュースリリースの掲載情報は、発表当時のものです。