ニュースリリース

大塚製薬株式会社

2015年9月11日

医薬関連事業

大塚製薬とプロテウス社が開発したデジタルメディスン(服薬測定ツール)の新薬承認申請を米国FDAが受理

  • デジタルメディスン(服薬測定ツール)は、医薬品(エビリファイ)と医療機器を一体化して開発された製品であり、新薬として米国FDAが承認申請を受理した
  • 大塚製薬が製造・販売している抗精神病薬エビリファイに、プロテウス社が開発した独自の極小センサーを組み込んだセンサー入り製剤とパッチ型シグナル検出器を組み合わせることで、患者さんの薬の服用状況を記録し、スマートフォンやタブレット端末を通じて患者さんや医療従事者、介護者に情報を提供する
  • デジタルメディスンにより、患者さんひとりひとりの服薬状況を正確かつ即時的に把握することができ、その結果、医療従事者が患者さん個々に合わせた最適な治療を選択することが可能となる

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:樋口達夫、以下「大塚製薬」)とプロテウス・デジタル・ヘルス社(本社:米国カリフォルニア州、社長兼CEO:アンドリュー・トンプソン、以下「プロテウス社」)は本日、エビリファイ(一般名、アリピプラゾール)錠にプロテウス社の開発した小型センサーが入った製剤および周辺機器について、新薬承認申請(NDA)を米国FDAが2015年9月8日に受理したことをお知らせします。医薬品と医療機器であるセンサーを一体化した製品の申請は、米国FDAにとって初めての審査となります。

デジタルメディスンは、エビリファイの錠剤に小型のシリコンチップ製の極小センサーが入ったもので、この錠剤を服用するとセンサーがシグナルを発し、患者さんの体表面に貼り付けたパッチ型の小型検出器でシグナルを検出します。 体に貼付するパッチ型の検出器は、患者さんが何時に薬を飲んだかなどの服薬データだけでなく、活動量(歩数)など様々なデータを検出することが可能です。集めたデータはスマートフォンやタブレット端末などに転送され、患者さんの同意のもと医師や看護師などの医療従事者に情報提供が可能です。この情報を元に、医療従事者や介護者が患者さんにより適した治療法を選定し、その結果として患者さんの服薬アドヒアランスを向上させることが期待できます。

慢性疾患を患った患者さんのうち、およそ50%が処方通りに服用していないと言われており、そのため処方された薬の効果が十分得られていないと考えられます。米国においては、服薬不良による影響によって直接的、間接的なコストが1,000億ドルから3,000億ドルも余計にかかっていると推定されています*1,*2。例えば、統合失調症など精神疾患の患者さんは、慢性的な疾患のため長期間の服薬が必要となりますが、実際には薬剤を飲まなくなる、あるいは飲み忘れるなど、服薬が規則正しくできない状態になりがちです。薬を定期的に飲まなくなると再発するリスクが増大します*3,*4

デジタルメディスンは、現在承認されているエビリファイの適応である成人の統合失調症、双極性Ⅰ型障害の躁病および混合型症状の急性期、および成人の大うつ病性障害の補助療法において使用され、服薬アドヒアランスを測定します。

大塚ファーマシューティカルD&C Inc.の社長兼CEOであるウィリアム・カーソンは「現在、重度の精神疾患を患っている患者さんは、服薬アドヒアランスやヘルスケアチームとの治療方法についてのコミュニケーションに問題を抱えており、治療成果や疾患進展にも大きく影響を与えることとなっています。この新しいデジタルメディスンは服薬状況を正確に測定する革新的な方法となり、このような患者さんたちの重要なアンメットメディカルニーズを満たすことができると確信しています。NDA審査において今後もFDAと協力してまいります」と述べています。

FDAに承認されれば、医療従事者はプロテウス社の摂取可能なセンサーが入っているエビリファイの錠剤を処方することとなります。このデジタルメディスンは、患者さんにとって再発しないための治療を選ぶ目安となり、医療従事者や介護者は患者さんの服薬状況や身体の状態を把握することができます。医薬品と医療機器を組み合わせたこの独自のシステムはNDAとして受理され、プロテウス社の摂取可能なセンサー*はエビリファイ**製造時に埋め込まれ、パッチおよび関連医療ソフトウェアと通信する医薬品・医療機器製品となります。

*FDA医療機器・放射線保険センター(CDRH)承認済
**FDA医薬品評価センター(CDER)承認済

プロテウス・デジタル・ヘルス社の社長兼CEOであるアンドリュー・トンプソンは「デジタルメディスンが使われることで、患者さんの服薬状況や身体状態が正確に把握されるようになり、治験時に確認された薬効をより確実に発揮できるものと期待しています。個人の服薬パターン、ライフスタイルおよび日頃の健康活動を知ることにより、個々に最適な薬の処方が行えるようになります」と述べています。

摂取可能なセンサーが入っているエビリファイが服用され、胃の中に到達するとそのセンサーが患者さんの体に貼付したパッチにシグナルを送ります。パッチは、センサーから送られてくる情報に加えて安静時、体の傾きおよび活動パターンなど患者さんの身体状態の情報を収集し時間を記録します。記録された情報は、スマートフォンやブルートゥースデザリング可能なPCなどにより患者さんに伝達され、患者さんの同意のもと、医師や介護者にもこの情報が共有されます。これらの個人情報は、安全に確保されています。

プロテウス社のセンサーとパッチについて

プロテウス社は、摂取可能なセンサーと貼付パッチについて既に米国FDAより医療機器の認証を得ています。欧州連合(EU)では医療機器指令(MDD)に基づきCEマークを取得しています。
より詳細な情報はwww.proteus.comにて記載されています。

  • *1 Sabaté E, editor. Adherence to long-term therapies: evidence for action. Geneva, Switzerland: World Health Organization; 2003.
  • *2 Iuga AO, McGuire MJ. Adherence and health care costs. Risk Management and Healthcare Policy. 2014;7:35-44.
  • *3 Lehman, AF, Lieberman JA, Dixon LB, McGlashan TH, Miller AL, Perkins DO, et al. Practice guideline for the treatment of patients with schizophrenia, second edition. Am J Psychiatry. 2004 Feb;161(2 Suppl): 1-56.
  • *4 Masand, PS, Roca M, Turner MS, Kane JM. Prim Care Companion. J Clin Psychiatry. 2009;11(4):147-54.

本ニュースリリースの掲載情報は、発表当時のものです。