ニュースリリース

大塚製薬株式会社

2017年5月22日

医薬関連事業

「トルバプタン」常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)を対象とした米国申請のための追加フェーズ3試験結果速報について

  • 常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)を対象としたトルバプタンの有効性・安全性を検討する追加フェーズ3臨床試験において主要評価項目と副次的評価項目を達成
  • 本試験は米国でのトルバプタンのADPKD治療薬としての新薬承認申請(NDA)を目的としたもの
  • 試験結果は、今年後半の腎臓病関連学会で発表される予定

大塚製薬株式会社(本社:東京都、代表取締役社長:樋口達夫、以下「大塚製薬」)は、「トルバプタン(一般名)」の常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)を対象とした追加のフェーズ3試験において、主要評価項目および副次的評価項目を達成したという試験結果の速報(トップラインデータ)が得られましたので、お知らせします。
本試験は米国でのトルバプタンのADPKD治療薬としての新薬承認申請(NDA)を目的としたものです。大塚製薬は2013年8月にFDAから審査完了通知(CRL)を受理後、再申請のための追加試験を実施していました。本試験結果に基づき、FDAと申請に向けた協議を行う予定です。

試験は、トルバプタン未治療のADPKD患者さん1,370名を対象とした多施設、二重盲検、ランダム化プラセボ対照、国際共同試験です。トルバプタン投与に忍容性を示した患者さんを、トルバプタンまたはプラセボ投与群に割り付け、12カ月間投与したときの本剤の有効性と安全性について検討しました。

主要評価項目である、腎機能の指標となる「eGFR(推算糸球体濾過量)」のベースラインから投与終了後フォローアップまでの変化量を比較したところ、トルバプタン投与群はプラセボ投与群に比べ、有意にeGFRの低下を抑制しました(p<0.0001)。また、副次的評価項目である投与期間中の「eGFR変化(スロープの傾き)」においても有意な差が認められました(p<0.0001)。副作用として、下痢、疲労感、多尿、肝機能異常等がみられましたが、本試験で新たに確認された安全性上の問題はありませんでした。

試験結果の詳細については、今年後半の腎臓病関連学会で発表する予定です。

大塚製薬は、今後も世界中の未解決の医療ニーズを満たすため、患者さんやご家族に貢献できる研究開発を進めてまいります。

【参考】

トルバプタンの国内展開

トルバプタンは、「水だけを出す利尿薬が欲しい」という医療現場の声を受けて、当社が創製した選択的バソプレシンV2-受容体阻害剤です。ナトリウムなどの電解質の排泄に影響を与えず体内の余分な水のみを出すメカニズムを持つ水利尿薬として「サムスカ」の製品名で、2010年10月には「他の利尿薬で効果不十分な心不全における体液貯留」、2013年9月には「他の利尿薬で効果不十分な肝硬変における体液貯留」の効能・効果で承認を取得しました。
また、水利尿作用とは別にバソプレシンV2-受容体を介したcAMP産生の抑制によりADPKDの腎のう胞の増殖・増大を抑制することから、2014年3月には世界で初めて難病である「常染色体優性多発性のう胞腎(ADPKD)の進行抑制」の効能・効果で承認を取得しました。

トルバプタンの海外展開

トルバプタンは2009年に米国および欧州で低ナトリウム血症の適応症で承認を取得しました。2015年にはADPKD治療薬として欧州、カナダ、韓国で承認されています。現在、「サムスカ/ジンアーク*」の承認国は世界40カ国以上に拡大しています。

*ADPKD治療薬としての海外製品名


本ニュースリリースの掲載情報は、発表当時のものです。