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糖質だけでは不十分!脳を活性化するバランス朝食
朝食の質で脳活動が変わる(東北大学 川島隆太教授と大塚製薬 佐賀栄養製品研究所の共同研究)

前回の食事タイプ別に体温、疲労感、知的作業能力を調べた試験で、脳や体を働かせるには、朝食が欠かせないこと、そして食事の内容によって結果に違いが生まれることがわかりました。
では、この違いはいったいどこから生まれるのでしょうか。
もしかすると、食事の質(栄養バランス)が関係しているのでは!?
この疑問を解明するために、東北大学加齢医学研究所 川島隆太教授といっしょに、「朝食の質が認知機能に及ぼす影響」について検討しました。

朝食の質の違いと脳の働きの関係をfMRIで計測

朝食の質の違いと脳の働きの関係を調べるために、朝食として3種類の飲み物を用意。
暗算や簡単な記憶テストなどの知的作業を、朝食前、朝食後30分、90分、180分の4回行い、その際の脳活動をfMRIにより計測しました。
対象とした人は、普段から朝食を食べている健康な大学生6名です。

※fMRIとは

磁気共鳴画像(Magnetic Resonance Imaging; MRI)を用いて、脳活動に伴う神経代謝や脳血流量の変化を間接的に測定する方法です。

試験概要

目的 朝食の欠食や質と脳活動の関係について、脳科学の見地から検討する。
対象 朝食の欠食習慣のない健常成人 6名(男女)平均年齢:21(20~22歳)
試験デザイン 非盲検化クロスオーバー試験(ランダム割付)
  • 被験者(グループ)に、時期を変えて2つの試験を実施し、その結果を集計する方法。
被験物 各被験者は、下記3種類の飲み物を各々一週間以上空け、摂取した。
栄養調整食品(流動タイプ)(400kcal)、糖液(400kcal)、水(0kcal)

タイムスケジュール・測定項目

疲労感と集中度の変化

栄養調整食品(流動タイプ) 糖液 水

栄養調整食品(流動タイプ)を飲んだグループでは、より脳の活動が活発に!

下のイラストの明るくなっている部分が、脳の中の前頭前野内側面です。右のグラフは朝食後180分経過したときの、朝食の違いによる前頭前野内側面の活動の違いを表したものです。
栄養調整食品(流動タイプ)を飲んだ場合、糖液や水だけを飲んだ場合と比べて、脳の前頭前野内側面での活動が高くなっていることがわかります。

  • 前頭前野は、能動的な注意や意思、意欲に関わる領域で、この領域の活動低下は慢性疲労と関係があるといわれています。

fMRIデータ

栄養調整食品(流動タイプ)を飲んだ場合では、より、脳活動が高くなった前頭前野内側面

実際の結果

脳活動を高く維持するためには、糖質だけではなく、
栄養をバランスをよく摂ることが大切だということがわかりました。

試験の結果から、5大栄養素をバランスよく含む栄養調整食品(流動タイプ)を、
朝食として飲んだ場合、糖質のみの摂取と比べて、
前頭前野内側面で脳活動が高くなることが確認できました。

これまで、脳の活動を高くするには糖質が大切ということはよく知られていましたが、
今回、脳の活発化のためには、
糖質だけではなく、バランスの良い栄養素の摂取がより重要であることが
脳科学の研究により明らかになりました。

東北大学 川島隆太教授 プロフィール

脳機能イメージングと脳機能開発をテーマに研究を続ける。また、脳科学の知識を広く社会に啓発する活動のほか、高齢者の脳機能維持・改善を目指したプロジェクトを産学共同で立ち上げるなど、社会活動にも意欲的に取り組んでいる。

経歴

1985年
東北大学医学部卒業
1989年
東北大学大学院医学系研究科修了(医学博士)
1991年
カロリンスカ研究所(スウェーデン王国)客員研究員
1993年
東北大学加齢医学研究所助手
1998年
同講師
2001年
東北大学未来科学技術共同研究センター教授
2006年
東北大学加齢医学研究所教授(脳機能開発研究分野)
2008年
同(認知機能発達寄附研究部門)兼任
2008年~2011年
東北大学ディスティングイッシュトプロフェッサー
2009年
東北大学加齢医学研究所スマート・エイジング国際共同研究センター センター長
2014年
東北大学加齢医学研究所 所長

著書

「現代人のための脳鍛錬」
「脳を育て、夢をかなえる」
「さらば脳ブーム」
ほか、多数。