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旅行者血栓症(エコノミークラス症候群)を防ぐには?旅行者血栓症(エコノミークラス症候群)の原因と対策

旅行者血栓症(エコノミークラス症候群)の原因は?

解説:森本武利先生(京都府立医科大学名誉教授)

  • ビデオに記載の森本武利先生のご所属は、ビデオ撮影当時(2002年)のものです。

「旅行者血栓症(エコノミークラス症候群)」の原因として、航空機内などの乾燥した空間の条件や、低い気圧によって体内の水分が蒸散しやすくなり、血液の粘度が上昇してしまう条件が考えられます。水分の摂取不足や、アルコール等利尿作用のある飲料の摂取なども脱水傾向を招き、血液粘度を上昇させるリスクとなります。

このような状態で長時間座位により下肢が圧迫され続けると、血流が悪くなりうっ血を起こし、血栓が生じてしまいます。これを「深部静脈血栓症」と言います。生じた血栓は、立ち上がった際などに血液の流れに乗って肺の静脈に詰まり、呼吸困難や動悸を引き起こします。これが「肺塞栓症」です。このようにして「旅行者血栓症(エコノミークラス症候群)」が発症します。

こんな人は要注意!

静脈血栓の形成には、静脈の内皮障害(血管が傷ついた状態)、血液の凝固亢進(血液が固まりやすい状態)、静脈の血流停滞(血液の流れが良くない状態)の3つの要因があります。
また、下記表に示している危険因子をお持ちの方は注意が必要です。

静脈血栓塞栓症の付加的な危険因子の強度

危険因子の強度 危険因子
弱い
  • 肥満
  • エストロゲン治療
  • 下肢静脈瘤
中程度
  • 高齢
  • 長期臥床
  • うっ血性心不全
  • 呼吸不全
  • 悪性疾患
  • 中心静脈カテーテル留置
  • 癌化学療法
  • 重症感染症
強い
  • 静脈血栓塞栓症の既往
  • 血栓性素因
  • 下肢麻痺
  • 下肢ギプス包帯固定
血栓性素因
先天性素因としてアンチトロンビン欠損症、プロテインC欠損症、プロテインS欠損症など、後天性素因として、抗リン脂質抗体症候群など。
参考
肺血栓塞栓症/深部静脈血栓症(静脈血栓塞栓症)予防ガイドライン-ダイジェスト版

旅行者血栓症(エコノミークラス症候群)を予防するには?

足のマッサージをしましょう

長時間座位等による血流の悪い状態、特に下肢(足)の循環悪化を回避するには、歩行などの運動や下肢の循環を良好にするマッサージが有効で、血栓の予防にもなります。
足のマッサージは弾性ストッキングの着用で代用もできます。

適切な水分摂取と電解質補給が重要

血液粘度の上昇を惹起する脱水を防ぐためには適切な水分の摂取が重要ですが、ビールやお茶などの利尿作用のある飲料ではむしろ脱水が助長されます。

大塚製薬は、 旅行者血栓症と水分補給の関係を研究するために、航空機をチャーターし、ボランティア40名にアメリカまで搭乗してもらう試験を行いました。試験では、被験者を「イオン飲料摂取群」と「水摂取群」の20名ずつに分け、9時間のフライト中、どちらも同じ量を同じタイミングで飲んでもらい、身体にどの様な違いがでるかを検討しました。