齋藤薫のエクエルダイアリー

Vol.02マスクの下で猛暑を生き抜く、世にも簡単な方法

日本の夏が以前より過酷なものになっているのは誰もが感じていたはず。それに加えて今年はマスク……。

夏は夏と言うだけで人を疲弊させるというのに、猛暑にマスクなんて、その辛さは想像を超えてしまう。肌が敏感になったり、乾燥とも皮脂過多とも違う、子供の頃にできた“あせも”のような肌荒れが起きたり、これまた初めての体験かもしれない。でもだからこそスキンケアの原点に戻って、日々の保湿が大事であると気づいた人も少なくないはず。肌の揺らぎも、また“あせも“のような肌荒れも、水分と油分のバランスを整え、汗の出口を自ら塞がない整った角質層を備えていれば、きちんと防げるはずなのだと。

ともかくマスクによる肌トラブルは、いつもとは違う環境に肌が戸惑っているのだと考えて。丁寧なお手入れが結局はその戸惑いを取り除いてくれるのだ。とは言え、いろいろ塗って肌をベタ付かせるするのは避けたいわけで、今こそインナーケアによる保湿が大きくものを言うはず。内側から肌を潤し、角質層を整えるようなアプローチができればトラブルがきっと減るはずなのだ。
体の中でも、マスク生活に対しての戸惑いから変化が起きている。心配なのはやはり自律神経の乱れ。交感神経がずっと優位になり続けている状態だ。なんとなく調子が悪いと言うときは、まずそれを疑ってみてほしい。

言ってみれば、壊れた冷蔵庫が自ら温度調整ができなくなり、庫内を冷やしすぎたり、温度を上げすぎたり、そうなれば、中に入れた食品が傷んでしまうのは時間の問題。自分の体の中でも、そんなふうに調整がうまくいかなくなっていると考えてみてほしいのだ。

そうした不調をなすすべなく続けてしまうと、免疫力も落ちてしまう。今この時期には最も避けたいこと。特に女性の場合は、年齢とともに女性ホルモンのバランスが乱れてくると、スイッチが入るように自律神経の乱れも顕著になってくる。何らかの対策を打たないと、いろんなトラブルが起きやすくなるのはもちろん、エイジングをいたずらにススませてしまいかねないのだ。

ではどうするか? ちゃんと早起きして朝日を浴びるとか、シャワーでなく湯船のお風呂に長めにつかるとか、はたまたアロマオイルなどでゆったりとボディマッサージするとか、逆に副交感神経を優位にするための提案は既にたくさんあるけれど、この夏は大きな原因の1つがマスクにあるのは明らかで、もっと簡単に、もっとその場で、自分を整える方法を知っておいてほしいのだ。

それが、深い呼吸による短い瞑想。日中どこかマスクを外せる涼しい場所を見つけたら、マスクを外して目を閉じて、鼻から息を5秒で吸って、10秒で吐く。厳密に時間を守らなくても、そのくらいのつもりでゆっくりとした呼吸を数回でいいから繰り返すこと。その時何も考えず、なるべく頭の中を空っぽにするためにこそ、呼吸に集中するのがコツなのだ。何よりも、大きく深く心地よく呼吸することがいかに大切か、それを思い出すことになるのだろう。

言うまでもなく、マスクは呼吸を物理的に妨げる。おそらく想像以上に。マスクをしながらの会話は、それだけで息苦しくなるように、人が活動するためには正しい呼吸が不可欠なのだ。
乱れたら整える、それは最も自然で、最も簡単な調整法であり健康法。そう、肌のお手入れの時もこの深呼吸を取り入れて欲しい。保湿そのものも外から与えるだけでなく、まさに深呼吸のようにインナーケアで内側からも満たしておけば、肌のみならず、全身の調整にも大きく役立つはず。激しい温度変化はもちろん、紫外線を浴びることによるダメージも和らげてくれるのだろう。
いつまで続くのかちょっと見当もつかなくなったマスク生活。そんな夏も、モヤモヤせずにすっきりと、そしてトラブルなくみずみずしく生きるための絶対のカギである。

美容ジャーナリスト/エッセイスト
齋藤薫

女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新刊『大人の女よ!もっと攻めなさい』(集英社インターナショナル)他、『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。

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