齋藤薫のエクエルダイアリー

Vol.0620代の頃は丈夫だった肌が、
年齢とともに敏感になるのはなぜ?

「コロナ過敏」という言葉が生まれてしまうほど、コロナ禍に入ってから、肌の過敏を訴える人が増えている。一つには、言うまでもなくマスクのせい。考えてみれば、もともとデリケートな顔の肌に、常に異物が乗っているわけで、物理的な刺激はもちろん、そのストレスは大変なもの。ウィズマスクの生活には慣れたものの、マスクによるストレスは、日々蓄積しているのかもしれない。

肌には知性があると言われる。感動や恐怖を感じたりするだけで鳥肌が立ったりするのも、肌が知性によって、その感情を敏感に感じ取るからだとも言われるのだ。

肌にそういう心の変化を感じ取る能力があるのであれば、コロナ禍に入ってからの、いつもとは違う日常や様々な不安を、何となくでも肌が感じ取っていたって不思議じゃない。だからよけいにストレスを感じ、敏感に傾くということもあり得るのではないか。

でも昔はこんなにデリケートではなかったのに、と不可解に思っている人も少なくないはずだ。少々不摂生をしても肌が荒れることがなかったのにと。マスク生活も初めてのことではないのに、こんなに肌が弱かったかしらと。でも実は過敏になりがちなのも、加齢が一つの要因となっているからなのだ。

年齢とともに肌は単純に薄くなっていく。水分を貯めつつ、外側からの刺激を跳ね返すバリアともなる文字通りの“バリア層”も、加齢とともに貧弱になっていくのだ。その分だけ過敏になりやすいのは言うまでもないことだけれど、加えてもう一つ、“女性特有の変化”によっても、肌は過敏になりやすいと言われるのだ。

40代に入ったあたりから、何かというと肌が不安定に揺らぎがちという声をよく聞くけれど、これ自体もやっぱり“女性特有の揺らぎ”がそろそろ起きやすい年齢に差し掛かっていることを物語る。つまり加齢による変化に加え、肌が薄くなっていくことで女性特有の変化の影響を受けやすく、余計に不安定になりやすいと言う仕組みがそこに見えてくる。

とは言え、今起きているのは、一時的な過敏。まさしくコロナ禍だから顕著に現れる不測のトラブル。いわゆる敏感肌用のスキンケアに切り替えるほどではないと思うはず。できるなら、今までのスキンケアを続けたいと。それこそこれを機に、肌をもっと強くしたいと思うはずなのだ。

けれども肌のバリア力を高めるのは、もちろんそう簡単な話ではない。むしろマスクのような異物による刺激が毎日毎日続いても、やっぱりまずは毎朝毎日の充分な潤いで跳ね返すような手厚いデイリーケアを心がけるべきではないだろうか。その日の潤いは、やはりその日その日できちんと与えてあげたいし、かといって表面的ではない、内側から溢れ出すような潤いが欲しいわけで、であるならばやはり1つの決め手はインナーケア。外側から潤いを与えるのは当然のこととしても、内側からも同時にケアすることで、うるおい自体で二重三重のバリアを作る。すると不思議に気持ちまで楽になってくるはずなのだ。何らかの刺激を受けたとしても、いつもの溌剌とした美しさまでを保っていたいなら、やはり鍵はインナーケアなのだ。こんな不安定な時代だからこそ、しっかりとした力強い美しさを準備しておくこと。結局のところ、うるおいこそ強さ。うるおいのインナーケアで先回りして欲しいのだ。

そうした内外二重の潤いに加えて、女性特有のゆらぎをコントロールできたら理想的。まだしばらくは続きそうなウィズマスク生活に、今のうちに潤いのニューノーマルを自分の習慣にしておきたい。

美容ジャーナリスト/エッセイスト
齋藤薫

女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新刊『大人の女よ!もっと攻めなさい』(集英社インターナショナル)他、『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。

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