齋藤薫のエクエルダイアリー

Vol.2なんといっても姿勢が良いこと。
これこそまさに“七難隠す”カラダ習慣

若く見える人と老けて見える人……その差は一体どこにあるの? これは、永遠の疑問とも言える一方、そこには本当に多くの答えが存在する。肌状態、髪型などから、表情や生命感まで、見た目年齢を分けてしまう要素は、あげたらキリがないほどたくさん。ただその中でも、最も端的な答えはおそらくコレ。“姿勢の良し悪し”ではないだろうか。

思い出して欲しい。あなたの周りにいる“若く見える人”は、きっとみんな背筋がいつもスッと伸びているはず。紛れもなく、見た目年齢を分ける絶対の鍵なのだ。
姿勢だけならそれこそ瞬間的に、ほんの1、2秒で正すことができるわけで、そういう意味では“最も簡単に若く見える方法”とも言える。
さらに言うなら、肌や表情がいかに若々しく見えても、ただ姿勢が悪いだけで、それを台無しにしてしまうほど、これは重大な物差し。だからともかく、何を置いても姿勢だけは正しておきたいのだ。

見た目年齢だけではない。良い姿勢がもたらす恩恵は非常に幅広く、姿勢を正すと、それだけで驚くほど多くの得をしてしまうことを知っておいてほしいのだ。

まず、姿勢を正すと、知らず知らず多くの筋肉が使われるから、体が引き締まってくると言われる。言い換えれば基礎代謝が高まるということ。姿勢だけで? そう、本当に姿勢だけで痩せやすい体質になると言えるのだ。
次に、呼吸が深くなる。背筋を伸ばせば自然に胸が開いて大きく呼吸することができ、それによって血行が高まったり、ストレスが軽くなったり……

精神面でも、集中力が高まったり、やる気が起きたり、イライラすることが減ったりと、じつは良いことずくめ。確かに、姿勢を正すだけで何か清々しい気持ちになり、物事をポジティブに考えることができるようになる。それだけでも人生が明るくなる気がするはずなのだ。

そして、姿勢を正すと内臓が本来あるべき場所にバランスよく置かれるから、体調そのものが良くなるという説もあるくらい。つまり“最も簡単な健康法”とも言えるのだ。

かくして、良い姿勢は私たちが考えている以上に多くのメリットがあること、わかったはず。ただ問題は、姿勢を正すって、簡単そうでいて、実はそう簡単ではないということ。
そもそもあなたは、常に背筋が伸びているだろうか。姿勢の良さに自信があるだろうか。姿勢を良く……幼い頃からずっと言われ続けてきたに違いないことの一つ。それでも、大人になってもまだできていなかったりする。それって一体なぜなのだろう。

これはひとえに、インナーマッスルが弱いから。インナーマッスルを鍛えないまま、良い姿勢を保とうとすること自体、無理があると考えるべき。けれども、インナーマッスルという筋肉があるわけではなく、背骨周りのいくつかの筋肉をまとめてインナーマッスル、または大きく体幹と呼んでいるのだ。

だから、やみくもな筋肉トレーニングでは良い姿勢は叶わない。バランスボールやプランクなど、専用のメソッドが必要なのだが、一番シンプルな方法を一つだけ……
それは「ドローイング」と言う方法。仰向けに寝て両膝を立て、お腹をへっこませながら息をゆっくり吐く。限界まで息を吐いたら、お腹をへっこませたまま、息を吸って吐いてと、浅い呼吸を10回繰り返す。それが基本の基本。
ぽっこりお腹も防げるエクササイズだが、ここで気づいて欲しいのは、姿勢が良いと必然的にお腹が引っ込み、バストもアップするという、当たり前のようでいて、実は気づきにくいこと。ぜひ今すぐ体感してほしい。

ともかく姿勢が良いって、本当に凄いこと。何しろその瞬間から、若々しく見えて、元気に見えて、機嫌が良くも見える……と言うふうに、まさに七難隠してくれるのだから。まずはこの“お腹引っ込め呼吸”を癖にしてほしい。気がついたら背筋がスッと伸びているはずだから。

美容ジャーナリスト/エッセイスト
齋藤薫

女性誌編集者を経て独立。美容ジャーナリスト、エッセイスト。女性誌において多数の連載エッセイをもつほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。近著『だから“躾のある人”は美しい』(集英社文庫)、『“一生美人”力 セカンドステージ 63の気づき』(朝日新聞出版)ほか、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。

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