齋藤薫のエクエルダイアリー

Vol.6最も簡単なメイク技
=アイラインこそ、
大人を生き生き若返らせる、
掛け替えのない生命線

外見には、どうとでも変えられるものと、もう変えられないものがある。言うまでもなく、髪型や眉毛はまさにどうとでも変えられるけれど、顔の造作は変えられない。だったら変えられるパーツにあくまでもこだわって、もっとなりたい自分になる“アクティブな美容”に挑んではどうかという提案……

そこで今回注目したいのが、アイライン。眉毛同様、その気になればいくらでも変えられるパーツであるにもかかわらず、多くの人は本当のライン効果に気づいていない気がするから。 とりわけ、若いうちはマスカラだアイシャドーだアイラインだと、目元メイクに夢中なのに、大人になるほどアイメイクに関心がなくなるのは残念な話。特にアイラインを引かない人がとても多くなる。でもじつは、大人になるほどアイラインがアンチエイジングの重要な決め手になってくることを知って欲しいのだ。

おそらく大人になってアイラインに関心がなくなるのは、1つに目元に張りがなくなって、アイラインを上手に引くことがさらに難しくなっていると思い込むから。また若い頃よりもまつ毛がまばらになりがちであり、だからマスカラはあまり塗らなくなること。するとアイラインが浮いてしまいそうで、アイラインにさらに消極的になるという悪循環。

逆に言えば、大人ほどラインにもマスカラにもこだわるべきなのに。なぜならば、年齢とともに目鼻立ちが曖昧になってくるとともに、全体に緩みが生じて下向きに見えるから。そこで目元に強い線を引くことで、顔立ちをキリッとさせ、しかも、目の上のラインを強調することで確実なリフトアップ効果をもたらしたいのだ。ましてやアイラインの目尻をほんの少し上向きに跳ね上げるだけで、顔の上に見えない上向きベクトルが生まれるから、さらにリフトアップされる。たった1本のラインがそれだけの仕事をしてくれるのだから、スキンケアのリフトアップよりも早いし、確実! ぜひそこに気づいて欲しいのだ。

ただし、そうした掛け替えのないアイライン効果を生むために、大切な約束事がある。
それはアイラインは人から見えるほど、はっきりくっきり力強く。人から見えなければまるで意味がないからだ。で、そのくらい強いアイラインを自然に馴染ませるためには、マスカラとセットにすること、この2つ。

なぜアイラインとマスカラはセットなのか? それはアイラインそれ自体が、まつ毛の生え際の強調に他ならないから。まつ毛がほとんどないのに黒黒とした太いアイラインが入っているのは非常に不自然。でもマスカラで少しでもまつ毛を強調した時、アイラインはちゃんとその生え際となって馴染んでくる。つまり思い切って強く太く描いても、不自然に見えないのだ。

だから、エイジングケアの1つとして、人から見えるような強く太いアイラインをぜひとも1本! 目尻の際はほんの少し上向きに跳ね上げるように。それが何歳分かのリフトアップにつながることを知っておきたいのだ。
メイクは難しい。特にアイメイクは難しい。いまだにそう思い込んでいる人が多すぎる。確かに眉作りや、アイシャドーはそれなりの知識やテクニックや慣れを必要とするけれど、アイラインは本当に簡単。まつ毛の生え際を黒い線で強調するべくなぞるだけなのだから。メイクの中で最も簡単と言っても良いほど。それだけで、顔立ちがぴんと上向きに引き締まって見えるのならば、やらなければ損。

いやもっと言えば、アイラインは単なる若返りのためだけの技ではない。表情がキリッと引き締まり、凛とした清潔感が生まれる、それは言うならば襟を正すようなメイクアップと考えて良い。
目力が強くなると、良い意味で人と目が合うようになり、存在感も高まり、そして何より生き生きして見える。そういう生き生きした表情をライン1本で作れるのだから、これほど効率の良いメイクは無いはずだ。アイラインは本当に大人にとって、他のものでは置換の効かない顔立ちの生命線であること、改めて知って欲しいのである。

美容ジャーナリスト/エッセイスト
齋藤薫

女性誌編集者を経て独立。美容ジャーナリスト、エッセイスト。女性誌において多数の連載エッセイをもつほか、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。近著『だから“躾のある人”は美しい』(集英社文庫)、『“一生美人”力 セカンドステージ 63の気づき』(朝日新聞出版)ほか、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。

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