齋藤薫のエクエルダイアリー

Vol.6"何かを始める"のに
年齢制限なんて無いこと、
みんなで思い知ろう!

著名なメイクアップアーティストで、今はトータルライフコーディネーターとして活躍する藤原美智子さんが、クラシックバレエを始めたのはなんと60歳から。もともと規格外の若さを誇る人ではあるけれど、なんとクラシックバレエとは!?やはり年齢を考えると、そもそも人間にそんなことは可能なのだろうかと、そこからして不思議すぎる。

踊ることに、難易度の差などはもともと無いのだろうけれど、なんとなくのイメージとして、ジャズダンスやフラダンスならば可能な気がしないでもない。でも、さすがにクラシックバレエとなるといかにもハードルが高そうで、驚かずにはいられない。しかし、始めた事は紛れもない事実、しかも何年も続いていると言うから、逆に言えばそういうことをイメージで決めてはいけないのだと改めて教えられる。

たまたまある新聞で目にしたのは、日本には78歳で現役を続ける女性の水中写真家がいるということ。いやそれどころか、この人がダイビングを始めたのも、じつは60歳だというのだ。一般的にダイビング体験は60歳以降、健康であることを示す診断書がないと体験が受けられないという側面がある。それだけ物理的にも健康面でも大きな危険を伴うスポーツであることの証。任意とは言え、そういう年齢制限があるならなおさら、60歳以降でダイビングを始めようなどという発想が生まれないはず。

しかしその人は、60代で海の中の世界に魅せられ、ライセンスを取って世界中の海で潜り、この素晴らしい世界は写真に残すべき、と思い立つ。そして、全く趣味の域ではないレベルまで確実に階段を上っていって、"水中写真家"を名乗るまでになるわけで、もうあっぱれと言うしかない。勇気と行動力、あきらめない心、全てを持っていないとその境地まで達することはできないはずだから。

そこで改めて思い知らされるのは、人間の能力って実はすごいのだということ。まさに人間の潜在能力の9割は眠っているというけれど、それを目覚めさせる上で年齢は関係がないと言うことだった。

つまり、この人たちだけが特別なのではない。スゴイスゴイとただ拍手をしていて良いのだろうか?ということなのだ。「何かを始めるのに"もう遅い"はない」ということなのである。

これまでの感覚として、多くの人が年齢を重ねるたびに、当たり前のようにいろんなことをやめていってしまう。最も身近なところでは、例えばアイラインとかマスカラをやめてしまう。なぜだかわからないけれど、目もとにいろいろ塗るのは若い人のメイクと決めつけてしまう人が少なくないのだ。

でもプロのアーティストに言わせれば、年齢を重ねてこそアイラインやマスカラはマストであり、それこそ"つけまつ毛"だってむしろ大人の女性にこそお勧めしたいもの。ゆるみが気になる大人の顔立ちもピンと上向きに見せる上で、最も効果的なメイクだからだというのである。自分の目に合ったものを選べば60代だって70代だって、つけまつげの効果は絶大なのだと。

逆に言えば、年齢を重ねたらもう難しいだろうと思うものほど、実はエイジングケアに効果的だったりするのである。

ある科学的な調査が伝えたところによれば、年齢を重ねて体と脳のエイジングケアに効果的なのは、実は社交ダンスであるとの結果が出たのだとか。社交ダンスも、見た目の優雅さとは裏腹に、非常にハードな難易度の高いダンスである。言うまでもなく、ワルツやタンゴ、ルンバやサンバなど、何種類ものダンスをこなさなければならない奥の深いものでもある。その全てにおいて、ヒールを履いて踊るのが基本で、言うならば体幹がなければ踊りにならないような難しさ。しかしこの社交ダンスを60代70代から始める人が今急増しているのだというのだ。

足腰や体幹を鍛える意味でエイジングケアの一環というのはもちろんありながら、男女がカップルで踊るのが基本である社交ダンスは、実際の"触れ合い"つきのコミュニケーションが、眠っていた若さを呼び覚ましてくれるものとしての効果が半端ではないからなのだろう。誰もが想像できてしまうほどわかりやすい効果。それを60代70代から始める人が多いのも、友達が始めたら結構できてしまったから、という理由で、我も我もという盛り上がりを見せているということか。

いずれにせよ今、"何かを始める最高年齢"がどんどん更新されている。やってみたらできてしまった人が多いからこそ、だったら私もと言う人が増殖しているというこのパターン、とても素敵なことだと思う。生きる上での大きな大きな発見だから。また当然のように40代を過ぎたら難しいだろうというふうに、最初から諦めてしまっているものほど、実は人を輝かせると言う事実に気づいて欲しいのだ。

このコラムで以前にも触れたことだけれど、年末年始は、なんでこんなに1年は早いのだろう、自分はこの1年間何をやってきたのだろう、となんだか残念な気持ちになりがちなタイミングである。でもそういうふうに思ってしまうのは、ひとえに"新しい体験が足りない"から。多くの行動がルーティン化しているものばかりだから、1年は早すぎるのだ。もう慣れてしまっていることの繰り返しだから、1年は矢のように過ぎてしまうのである。

つまりそこにいくつかの新しい体験を盛り込むことで、それだけで不思議な位に1年は長くなる。そして振り返ったとき、充実した1年だったと思うことになるのだろう。何かを始めるのに年齢制限は無い。いつからでもいい、何からでもいい、ともかく何か始めること、それが今1番素敵なエイジングケアのテーマなのではないだろうか。

さぁ今年は、何を始めよう。そう考えるだけでワクワクするはずだから。

美容ジャーナリスト/エッセイスト
齋藤薫

女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo!ニュースエキスパート』でコラムを執筆中。『大人の女よ!清潔感を纏いなさい』(集英社文庫)他、『年齢革命 閉経からが人生だ!』(文藝春秋刊)など著書多数。

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