齋藤薫のエクエルダイアリー

Vol.05本当の“聞き上手”は、疲れない。
だから「聞く力」が
1つのエイジングケアになる理由

聞く力……昨今は、何かと話題。別の意味を持ってきてしまったけれど、対人関係においてこの「聞く力」、時代を超えてとても大切なものであることに変わりはない。

人の話を聞けることは、どんな場面でも相手との間に良い関係性を生み、間違いなく好感度の高さにつながる。誰もが身に付けておくべき能力であるはずなのだが、一方にこんな声もある。

一生懸命に人の話を聞き続けると、くたくたになってしまわない?確かに、本気で聞く側に徹するのはそう簡単なことではない。日常会話においては、聞いているより、話しているほうが楽、おしゃべりな人のほうが疲れがたまらないのは事実なのだ。

そう、くたびれるのは、ただひたすら聞いているだけだから。ただ相槌を打つだけだから。
いくら聞く側に回るといっても、会話はやはり言葉のキャッチボール。聞く力はただ耳を澄ませることだけではない。むしろ質問をして、答えを引き出して、また質問をして、話をどんどん発展させていく。
つまり聞き上手は質問上手。どんどん質問していくことがストレスのない会話の鍵なのである。

言ってみればインタビューの手法。興味のない話を聞くから、くたびれるわけで、逆に聞く人が、自分自身で会話のテーマを主導していくべきなのだ。
それは聞く人の特権。自分の聞きたいことを聞いていれば、疲れるはずがない。きっと前のめりに話に集中できるはずなのだ。

仮に、相手に興味が持てなくても、例えば最近話題の差し障りのないニュースなどを持ち出して、どう思うか聞いてみる。誰にでも共通する話題ってあるはずで、それを質問に変えるのだ。そうなれば自分の意見も挟むことができるわけで、気がつけば言葉のキャッチボールになっている。
話題が見つからないなら、例えば1番好きな映画は?1番行きたい国は?誰もが答えられ、なおかつその先に質問を重ねていける、そうやって会話とは自分でデザインし、盛り上げていくものなのだと思う。

そうしているうちは、ストレスがたまらない。むしろ楽しめる。会話のコツは、一見聞いているようで、じつは自分が会話を主導し、楽しむこと。だから、本当の聞き上手は魅力的に見えるのである。

もちろん、お互いが聞き上手になれるならそれが理想。でもまずは、自分から。それが大人の会話の始め方である。言い換えれば、どんなことでもストレスを溜めずに楽しんでしまえる……そういう知恵こそ、1つのエイジングケアと言えないだろうか。

美容ジャーナリスト/エッセイスト
齋藤薫

女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新刊『大人の女よ!清潔感を纏いなさい』(集英社)他、『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。

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