齋藤薫のエクエルダイアリー

Vol.05とても簡単な“いい人”の作り方。
ストレスをためないこんな方法が、
いつの間にか人柄を変えていた。

良いことをすると、気持ちいい……それは誰もが知っている。街なかで、前を歩く人が落としたものを「これ落とされましたよ」と渡してあげるだけで、なんだか清々しい気持ちになるのは、誰もが経験しているはずなのだ。

この気持ちよさは一体どこから来るのか?
今まで考えたこともなかったけれど、じつはそこにも、“幸せのホルモン”の1つが関わっていることがわかってきたのだ。

以前もこのコラムで取り上げた、“愛情ホルモン”とも“触れ合いホルモン”とも呼ばれるオキシトシン。人との触れ合いではもちろんのこと、自分を優しくマッサージすることでもこのオキシトシンが生まれることをご紹介したけれど、実は“良いことをする”だけでも分泌が高まるとされるのである。

なるほど、そういうことだったのかと、多くの人が納得するはず。あの清々しさ、心地よさは、幸せホルモンがもたらしてくれるものだったのだと。

そもそもオキシトシンは、ストレスを和らげるために分泌されるもの。厳密に言うなら、オキシトシンが多めの人はやはりストレスが溜まりにくく、いつもストレスを溜めがちな人は、オキシトシンの分泌が低め、そうした相関関係にあるともいう。

そう言えば、美しい音楽を聴いたり絵画を見たりすることが、ストレス解消になるとずっと言われてきたけれど、実はそこにも実際このオキシトシンが関係しているという。
正直本当に、音楽鑑賞や絵画鑑賞がストレス解消になるのか少し半信半疑だったけれども、それが具体的に証明されたと言うこと。

そしてさらに研究を進めると、“人に優しくすること”でも、この幸せホルモンが分泌されることがわかったと言うのである。

つまり、人間は本当によくできていて、人に優しくできる人には、ストレスがたまらず、ストレスが溜まりがちな人は、人に優しくできない、そういう仕組みになっていると言うことにもなる。

世の中やっぱり、いつもなんとなくいい人と、いつもなんとなく不機嫌でイライラしている人に分かれる気がしていたけれど、それも基本的にオキシトシン多めの人、少なめの人に分かれるということだろうか。

どちらにせよ、心の方向性がストレスと幸せホルモンの増減バランスに左右されているとするならば、一般的に生まれ持っての「人柄」と思われているものも、どこかで調整が効くと言うことではないか。

つまり、日々意識して良いことをし、意識して人に優しくしたときに、その人はどんどん“いい人”な日が増えてきて、人柄まで変わって見えるということ。

それって素晴らしいこと。性格は、生まれつき変わらないものではなく、意識で変えていくことができるのだと言う証明にもなるし、みんながそういう心がけを持てば、世の中もっと良くなるはずで、良いことずくめ。

だから全員が、日々少しだけ心の習慣を変えてみたい。毎日1つずつ良いことをする。嫌いな人にも優しくする。努めて心を穏やかに保つ。
そうすることで、どんどんオキシトシンが分泌され、ストレスがたまらなくなると同時に、いつも機嫌よく生きていける。いつの間にか“いい人”が出来上がっている。
これもまた、人間のとても素敵な仕組みである。

美容ジャーナリスト/エッセイスト
齋藤薫

女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新刊『大人の女よ!清潔感を纏いなさい』(集英社)他、『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。

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