齋藤薫のエクエルダイアリー

Vol.07人間が持つ素晴らしい力の源、
声をもっと使わなければ、
もったいない。

最近、大きな声を出しただろうか?大きな声をだすことは体に良いこと。そして心にも良い効果を持つことは、大声を出した後に心がすっとすることでも明らか。日常生活の中で、大きな声を出すことが稀だから、あえてお勧めしたいのだ。

大声を出すとリラックスできるのは、深い腹式呼吸を伴い、それが副交感神経をオンにするからで、自ずと自律神経のバランスが整ってリラックス状態になる。なんだかその場でモヤモヤしたものが払拭されてすっきりする、という具合。

テニスプレイヤーには、サーブの時、ショットの時、意味不明の大声を上げる人が少なくないが、そこにも明快な意味があり、瞬間的に大声を出すことによって運動能力を一気に高めていると言われるのだ。

実際エイッという掛け声とともにボールを投げると、より遠くへより強く投げられる。これも投げる瞬間、瞬発力が最大限に高められるからだが、そういう声の力は日常生活の中での家事でも、大いに発揮される。

例えば料理でキュウリを切る時に「トントントントン」と声に出しながら切ると、包丁遣いが苦手な人さえ、嘘のようなスピードで薄切りできてしまうと言われる。信じられないならぜひ一度実際試してみて欲しい。

ちなみにそれは、肉体的なパワーを高める以上に、精神的に「必ずできる」と言う暗示をもたらすからとも言われる。「できないかも」という邪念を自分の声が取り払うのだ。
ともかくそんなふうに、何かするときに同時に声を出すことの効果は計り知れないものがある。やはり人間、言葉を持つ生き物だからこそ、そこに生きる上での大きなエネルギーが宿るのは、紛れもない事実なのだ。

そうした声の力を全身に漲らせたいのなら、やっぱり歌うこと。鼻歌ではなくちゃんと歌うこと。自然に腹式呼吸になる上に、全身の筋肉を使うから体幹も鍛えられ血流も高まって、ぽっと体が温かくなる。それが心までほっこりと温めてくれるのに気づくはずなのだ。

加えて歌を歌うことで、唾液も多く分泌されると言われるが、実は唾液もストレスと大きく関係している。緊張してストレスを感じると口の中がカラカラになるように、逆に唾液を増やすことでストレスが軽減されるという説も。こんな風に、いろんな形で声は人を元気にしてくれるのだ。それ以前に単純に楽しいと歌いたくなり、歌うともっと楽しくなる、そうした好循環があるのは確かで、声を出せることは 、健康でありつつ幸せでもあることの証明となっている。

歌は苦手と言うならば、好きな詩や物語を声に出して読むのも効果的。そういえば、そういうことって小中学校で「はい何ページを読んで」と先生にさされて音読した時以来と気づいたはず。だから苦手意識があったかもしれないが、大人になってからの音読は改めて心と体にとても良い健康法だということに気づくはずなのだ。

合唱をやっています、カラオケ好きです、という人はともかくとして、みんな声の力を存分に生かしていない。もったいなすぎると思う。長い人生において、あなたの声の素晴らしい力をもっと信じてみてほしい。

美容ジャーナリスト/エッセイスト
齋藤薫

女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新刊『大人の女よ!清潔感を纏いなさい』(集英社)他、『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。

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