齋藤薫のエクエルダイアリー

Vol.11チマチマと小さな片付けを
積み重ねていく
その積み立て貯金が、心に効く!

断捨離、断捨離……やらなければ、やらなければと、ずっと思いながらできていない最大のこと。いや何度か試みてはいて、でもいつも中途半端に終わってしまい、徹底できていないから、またすぐに荷物が増えていく。

そういう意味で、断捨離はただの片付けでは無いのだということを、今は深く思い知っている。それこそ、やりきってしまわなければ断捨離の本当の意味も効果もわからないまま。だから、気がつけば荷物がどんどん増えていってしまう。断捨離の失敗とでも言うのだろうか。だからいつも心に引っかかっているのだ。断捨離しなきゃ、断捨離しなきゃ……やがてそれが大きなストレスになっていることにも気がつかされた。
断捨離できないストレスって、なんだか本末転倒だけれども、そういうものが心の中にずっとあるのは確かなのだ。

そもそもが、片付けられないのはストレスの大きな原因。多くの人が、片付けたいのに片付けられないことに、日々ストレスを感じているはず。もちろん忙しかったり、仕事でくたびれていたり、小さな子供がいたり……それぞれに事情はあるわけだが、「片付けたい」は人の心に共通する願望なのだろう。

であるなら逆に、片付けることを心の浄化やリラクゼーションに活用できないか。「片付けたいのに片付けられない」は、いつも大きな塊となって心にのしかかってきているはずで、塊にしてしまうからストレスになるけれど、細かく分解してみたら、逆の効果が得られるのではないかと考えたのだ。
つまり、小さな片付けをチマチマと毎日少しずつ行っていく、それだけでも日々のストレス解消になるのではないかと。

例えば、今日はクローゼットの中の、下着だけを片付けよう。今日はキッチンの中のカトラリーの引き出しだけを片付けよう。まさにそうやって、チマチマと小さく片付けていく、それをなるべく毎日続けていくのだ。

おそらくそうするうちに、何かやらないと気が済まなくなるような習慣性が生まれるはずで、そうなればこっちのもの。いかに小さく片付けるにしても、いつの間にか家中が片付いて、結果的に断捨離になっていたりして。

そこで提案、小さな片付けのコツはどんなに狭い範囲でも、1つのカテゴリーを完璧に片付けること。そうすることで、そのカテゴリーだけはもう絶対に散らかさない、物を余分に増やさない、そうした徹底ができるからなのだ。そうやってどんどんカテゴリーを増やしていく、範囲を増やしていく。そして気がつけば家中が片付いていて、結果として断捨離になっていく、そういう方法はどうだろう。

いや、最大の目的はそこにはない。最初からそう考えていたら、やっぱりハードルが高くてプレッシャーになるのだろう。そうではなくて、毎日一箇所を完璧に、無心に片付ける、テーマはそこにあるのだ。

古くなった下着を捨て、整理整頓、キレイに並べ変えた時の外観をちょっと思い出してみて欲しい。いや、ハンカチだけでもいい。どんなに小さな範囲でもその快感は家中を片付けた時のと、さほど変わりは無いはずだ。
だからその快感が毎日のように続いていけば、それが大きな意味での心の浄化になるはず。ましてや少しずつ少しずつ家がキレイになっていく、その喜びはやはり掛け替えのないもの。片付けの積み立て貯金、今すぐ始めたい。

美容ジャーナリスト/エッセイスト
齋藤薫

女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新刊『大人の女よ!清潔感を纏いなさい』(集英社)他、『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。

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