齋藤薫のエクエルダイアリー

Vol.12私が何十年も“超朝型生活”を
続けている理由。
自分を1番幸せにする時間の魔法。

30代の頃からずっと朝型。常に暗いうちに起きるから、超朝型と言っていいのだろう。きっかけは時差ぼけで、どうしても夜中の3時4時に目が覚めてしまうので、思い切って起きてしまうようになってから、ずっと。

でもそれが何十年も続いているのは、そこに素晴らしい生き方のコツがあったから。例えば、朝の方が仕事がはかどる、お通じがいい、明らかに体調も良くなる、そして何より重要なのが、心が常に前向きに保たれることなのだ。

自分の場合はとても単純に、朝型にしてから悩みが減った。悩みの数や量が減ったわけではないけれど、朝型生活が“悩んでいる時間”を減らしてくれるのだ。“悩まないライフスタイル”を作ってくれると言ってもいい。
なぜならまず、私の場合は悩みが主に夜、寝る前にやってくる。その夜をできるだけコンパクトにまとめ、朝に移動させたことで、悩む時間を自分に与えずに済んでいるのだ。

具体的には、ゆっくりバスタブにつかる入浴は、夜ではなく朝に切り替えて、夜が明けてからの朝風呂に。実はこれが悩みの数も量も劇的に減らしてくれた。

こんな経験は無いだろうか。何らかの悩みを抱えている時、夜寝る前にバスタブにゆっくり浸かると、忘れようとしていた悩みが改めて首をもたげてくるようなこと。だからついつい考えこんでしまうこと。
これは、良くも悪くも夜のお風呂が自分としっかり向き合う時間になるからなのだ。お湯に身体を包まれて、チャポチャポという音を聞いていると、言ってみれば母親の胎内にいた時のような感覚に戻るから。とても素直になる反面、自分の心の奥底の声を聞くような感覚になるからなのだ。夜のお風呂でお湯につかって思わず泣いてしまうようなことってあったりするかもしれない。

もちろん夜の入浴は心と体の疲れを癒すのにとても重要な時間。でも、深い悩みがあるときばかりは朝にシフトしても良いのかもしれない。それも、夜は心が閉じ、朝は心が開くという特性があるから。夜書いた手紙は、朝もう一度見直してから投函した方が良いと言われるのもそのためなのだ。
だから私自身は、心を前向きにするプログラムとしてゆっくりの入浴は朝と決めている。母親の胎内の記憶は、心が前向きだと心が洗われるような、どこまでも清々しく幸せな時間に感じられるから。

そして、仕事がはかどるのも、単に朝は頭がすっきりしているからばかりじゃない。それこそ夜は心が閉じ、朝は心が開くから、夜たくさんの仕事を抱えていると、どうしても途方に暮れてしまうが、同じ量の仕事を抱えていても、朝だと逆にみるみる意欲が沸いてくる。これはもう心の向きが、朝と夜では逆になるからに他ならない。

かくして私は超朝型生活を続けている。これは休みの日も同じこと、いやむしろ休みの日の方が嬉しくて早く起きてしまう。朝早く起きた分だけ1日が長く感じられるから。

もちろん、仕事や家庭の事情で夜型にならざるを得ない人の方がむしろ多いのかもしれない。いや夜の方が好きな人も少なくないはず。人によっては夜の方が元気になれたりするのかもしれない。夜のほうがはるかに時間が長く感じられると言う人もいるだろう。

だから大切なのは、自分が1番前向きになるなれる時間帯を探しておくこと。人にはバイオリズムと言う一定のリズムがあって、それが上向きの自分と下向きの自分を作っている。であるならば、上向きの自分がいつぐらいの時間帯にやって来るのか、ちゃんと知っておくべきなのだ。
そしてまさしく、その時間帯に合わせて1日のサイクルを作ること。それによって、生き方が変わる。だって、心の向きが1日の充実度や仕事の効率、そしてその日の幸福度をも決めているのは間違いないのだから。自分を1番幸せにする時間はいつ? それを知ると本当に人生が変わる。

美容ジャーナリスト/エッセイスト
齋藤薫

女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーなど幅広く活躍。『Yahoo!ニュース「個人」』でコラムを執筆中。新刊『大人の女よ!清潔感を纏いなさい』(集英社)他、『“一生美人”力 人生の質が高まる108の気づき』(朝日新聞出版)、『されど“服”で人生は変わる』(講談社)など著書多数。

ダイアリーTOPへ

美と健康へのヒントが盛りだくさんコラム記事はこちら

取り扱い先

取り扱い先を調べる

公式通販サイト

ご購入はこちら