南：無難な形や色のアウターばかりが並んでいる我が家のクローゼット。今年はちょっと冒険してみようかなと思っています。
石田：冒険、いいですね。流行のものを1点取り入れるだけで、おしゃれ感はぐんと上がります。今年の注目はボアのダウンコート。
南：わぁ。暖かそう。カジュアルでかわいいですね。普段、わりとおとなしめのコーディネイトが多いのですが、私の手持ちの服に合うかしら……。
石田：ストリート系のデザインですが、大人世代だからこそできるかっこいい着こなし、チャレンジしてみましょう。
南：楽しみです。

南：私、ニットワンピース大好きでよく着るんです。普段はこれに、チェスターコートを合わせるだけなんですが、このダウンコートはユニークですね。
石田：さっとはおるだけで、シンプルなコーディネイトに意外性をプラスしてくれます。
南：はい。びっくりしました。カジュアルなコートはデニムに合わせるものと思っていたから。
石田：若いときはそれでもいいんです。何を着てもなんとなく様になるのは20代まで。大人世代に大事なのは「ハズし」とか、「遊び」なのかもしれないですね。

石田：次はフェミニンな着こなしにあわせてみましょう。
南：タートルネックのニットに、しわ加工のプリーツロングスカート。バッグまで全身パープルでコーディネイトするのですね。
石田：そうです。このダウンコートはダブルジップになっているので、下側を開けてAラインを作りましょう。
南：スカートに広がりがあるからですか？
石田：そうです。上はコンパクト、下に広がりを出すことですっきりとして見えるだけでなく、甘さが加わり、中のコーディネイトと調和がとれます。
南：ジップの上げ下げだけで、こんなに印象が変わるんですね。

南：最後はデニムですね。
石田：デニムにダウンコートは一番「安心」する組み合わせかもしれませんが、大人世代が着るときは、少し工夫が必要です。
南：え……なんでしょう。つい、はおるだけで出かけてしまいそうですが……。
石田：小物に気を使うこと。たとえば、今回はシルバーの厚底スニーカーを合わせましたが、これが普通のスニーカーだとただの普段着になってしまいます。バッグも、帆布のトートバッグやリュックサックだとカジュアルすぎる。デザイン性の高いバッグを合わせることで「あ、ちゃんと考えているんだな」と思ってもらえます。
南：なるほど。カジュアルなコーディネイトのときほど、小物使いのセンスが試されるというわけですね。
石田：要は楽しむこと！これはどうかしら？あれはどうかしら？と楽しんでください。

南：私、ずっと気になっていたんですが、石田さんのマスク、どうなっているんですか？
石田：これね、マスク生活になってから、私の定番スタイル（笑）。普通のマスクの上に、光沢と透け感のある素材のマスクを重ねているんです。
南： これはグレーですが、ほかにも色があるんですね。あ、白、黒、ピンク、水色、玉虫色まで！
石田：ほら。これもおすすめ。マスクの耳のところにひっかけるチャームなんですが、ちょうど耳の下に垂れるからイヤリングみたいに見えるでしょう。
南：えー！かわいい。マスクでもおしゃれできるんですね。マスク嫌だなぁと思ってばかりでした。
石田：マスクがマストの時代なんだから、楽しまなくっちゃ。遊ばないと損ね（笑）。