コラム 暮らしを彩るワンポイントスタイリスト・石田純子さんの
明日、何着る?

第10回 
悩み相談④自分のイメージから抜け出す

赤い服が大好きという古谷寿美さん。「ほかの色に挑戦してみたい」と石田さんの店を訪れました。快活なイメージの古谷さんですが、シックな着こなしで上品な印象に大変身しました。
第10回 悩み相談④自分のイメージから抜け出す/スタイリスト・石田純子さんの【明日、何着る?】

テーマカラーを忘れよう

古谷:いつも赤い服を着ているのには理由があるんです。
石田:赤は気持ちが上がる色。肌もきれいに見えるし、よくお似合いです。
古谷:そう。いろいろなことが重なり沈んでいた私の気持ちをプラスに変えてくれた色。元気をくれた色なんです。自分を奮い立たせるように赤を着るようになったら、周りの人が「見ているだけで元気になれる」なんて言ってくださるから、自分の中のテーマカラーとして大事にしています。
石田:周りから褒めてもらうことって、いくつになっても大事。素敵な経験ですね。
古谷:でも、たまには違う色にも挑戦したいなって最近思うようになって。赤以外にも自分を元気にしてくれる色、自分に似合う色があればいいなと思っています。
石田:あります!古谷さんに似合う色、たくさんありますよ。背が高くて、色白だからどんなコーディネートも着こなしていただけそうですね。早速、挑戦してみましょう!
第10回 悩み相談④自分のイメージから抜け出す/スタイリスト・石田純子さんの【明日、何着る?】
「いつも赤ばかり探しているから、どんな色を選んだらいいかわからない」と古谷さん。「赤ではない色を意識的に手に取ってみてください」と石田さんがアドバイス。

透け感のあるロングカーディガン

石田:お仕事がスポーツのインストラクターということで、元気いっぱいのイメージですが、まずはシックな色合いを試してみましょうか。
古谷:ベージュですか。普段カラフルなだけに、地味な印象になりませんか?
石田:ベージュはたしかに落ち着いた色ですが、選ぶ素材によっては華やかな印象を作り出すことができます。透け感のあるロングカーディガンに少し光沢のあるワンピースを合わせるとどうでしょう。
古谷:いつもスタジオと家の往復ばかりだから、こういう組み合わせは新鮮。ワントーンコーディネイトも初めてです。友達とのランチのときに着ていったら、びっくりしてもらえそう!
石田:全身をベージュで統一しているので、首元に大ぶりのアクセサリーを持ってくるとぐっと締まりますね。
第10回 悩み相談④自分のイメージから抜け出す/スタイリスト・石田純子さんの【明日、何着る?】
ワンピースにロングカーディガンを合わせることで、「Iライン」を強調。よりスタイルをよく見せることができる。

スカーフはアンバランスがいい

古谷:ベージュのワンピースの上品な印象の着こなしも素敵ですが、少しアクティブな印象に変えることってできますか?
石田:ネックレスをスカーフに変えてみましょうか。スカーフの色味に合わせて、アクセサリーとパンツも変えましょう。
古谷:え!スカーフ、こんな結び方もあるんですね!
石田:スカーフの結び方は自由でいいんです。左右対称である必要はないし、首元におさめておかなくてもいい。今日は、イヤリング→スカーフ→パンツと色が流れるように結んでみました。思い切って長さを出すと俄然かっこよくなります。
古谷:今度は、旅行に行きたいような気分に……。着る服で気持ちまで変わりますね。
第10回 悩み相談④自分のイメージから抜け出す/スタイリスト・石田純子さんの【明日、何着る?】
スカーフを選ぶときは、コーディネイトの色味をヒントにする。スカーフの色に合わせてコーディネイトするのも楽しい。

2020年はターコイズブルー

古谷:なんとも涼し気な色~!!夏にぴったりですね。
石田:爽やかでしょう。ターコイズブルーは今年の流行色。ロングスカートにロングカーディガンも最近人気があるコーディネイトです。
古谷:職業柄、着替えることも多いし、移動も頻繁なので、動きやすい服装ばかりを選んでいてあまり流行を意識していませんでした。
石田:お仕事に合わせた服選びも大切ですが、流行を意識してみることで新たな自分を発見できると思います。
古谷:でも、流行のものを取り入れるのって少し勇気がいります。
石田:流行は追いかける必要はないと思います。でも、何がはやっているのかを知っておくこと。少しだけ乗っかってみること。そうすることで、時代感覚がつかめる。それが、若々しさの秘訣になるのかなと思います。
第10回 悩み相談④自分のイメージから抜け出す/スタイリスト・石田純子さんの【明日、何着る?】
今年のトレンドカラーは、ターコイズブルー、グリーン、イエロー。「トレンドカラーは時代になじむから、普段着ない色でも取り入れやすい」と石田さん。
ヘンティネン・クミ
石田純子(いしだ・じゅんこ)さん
「おしゃれは生きる力を与えてくれるもの」と話す石田純子さんが、大人世代の服の悩み を解決します。
スタイリスト。ファッション誌「装苑」の編集者を経て独立。メディアで活躍する一方、スタイリングアドバイザーとして、体型のコンプレックスをプラスに転換する着こなし術を提案。明快でありながら親身な語り口に惚れる人も多く、あらゆる世代の女性から支持されている。東京・月島のセレクトショップ「DUE deux」のプロデューサー。監修書に『おしゃれの魔法 18人の物語~おしゃれが上達する大人服』『捨てられない服』(共に、主婦の友社)など多数。
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