第57回
夏の野花の清涼モダン
華奢な野花を、自然な立ち姿でモダンに生けましょう。ガラスのフラワーベースで涼やかに。

夏のフィンランド
フィンランドの夏の平均気温は約20℃。南部や中央部ではさらに暖かくなることはありますが、湿度が低く、過ごしやすい日々が続きます。庭や畑、森では野花が最盛期を迎え、人々はそれを摘んで部屋に飾ったり、アレンジメントを作ったりする人もいます。淡いパープルのヤグルマギクや、真っ白で繊細な花をつけるレースフラワー、パステルカラーのルピナスなど、日本でも手に入る野花を使って、モダンで涼やかなアレンジメントを作りましょう。

花材・道具:ヤグルマギク/マトリカリア/レースフラワー/ルピナス/アドニス/シレネ/ベアーグラス/リリオペ(斑入り・グリーン)/フローラルフォーム/ガラスの花器/ラフィア/輪ゴム/はさみ/ナイフ
便利なリーフプランツ
葉の形や色を楽しむ植物をリーフプランツと言いますが、今回使用するリリオペやベアーグラスもその仲間と言えるでしょう。庭などに生えているトクサやショウブの葉などもいいですね。細長く、青々とした葉を持つリーフプランツは、丈夫で枯れにくいのでアレンジメントの幅を広げます。今回は、フローラルフォームに沿わせて並べて使います。

1 四角いフローラルフォームの両サイドをカットして、写真のように円柱状にします。たっぷりの水を吸わせて(水を吸わせるポイントは、第54回 イースターにはスイセンを参照)、皿などの上に乗せたら、輪ゴムを2本つけておきます。

2 ベアーグラスとリリオペは、まずは根本側の太い方を使います。円柱状のフローラルフォームよりも数センチ長くなるようにカットして、フローラルフォームと輪ゴムの間に挟み、フローラルフォームを隠すようにして並べます。

3 残りのベアーグラスとリリオペをフローラルフォームの2~3倍くらいの長さにカットして、輪ゴムの間に挟みます。フローラルフォームが完全に見えなくなるまで挟んでいきましょう。

4 フローラルフォームに花を挿していきます。マトリカリアなど細かい花をスプレー状に咲かせるものから挿すとまとまりやすくなります。ヤグルマギク、ルピナス、シレネ、アドニスなども挿し、最後にレースフラワーを挿して整えます。

5 ラフィアを水で濡らし、輪ゴムを隠すように巻きつけます。輪ゴムがうまく隠れない場合は、ラフィアを結んだ後に、輪ゴムをはさみなどでカットして取り除きましょう。

6 ガラスの器に水を張り、中にアレンジメントを立たせて完成です。
たっぷりの水を
暑い時期ですので、たっぷりの水を張ってフローラルフォームの水分を切らさないようにしましょう。切花栄養剤や漂白剤などを数滴垂らしておくと、雑菌が繁殖しにくくなるので、長持ちします。花を買ってきたら、いつも同じ花瓶に生けるのではなく、たまにはちょっとしたアレンジをするとより植物と仲良くなれます。簡単ですので、ぜひチャレンジしてみてくださいね。

繊細なリーフプランツの合間から、数種類の野花が楽しそうに顔を出しているようなデザインになりました。
デザインのテクニックを知りたい人は、ヘンティネン・クミさんが主宰する北欧フラワーデザイン教室で丁寧に教えてもらえます。趣味のコースでは、6,500円(花資材・講師料・税込み)で受講できる体験レッスンもあります。また、お花をもっと知りたい、お花を教えるようになりたい方のためのマンツーマンプライベートレッスンも始まりました。(https://www.linoka.jp/)
著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』からも学べます。(詳しくはこちら)
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著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』からも学べます。(詳しくはこちら)

ヘンティネン・クミ(へんてぃねん・くみ)さん
北欧フラワーデザイナー。13歳より池坊生花を学び、国内大手百貨店内のフラワーショップに10年間勤務。イギリス、オランダへ花留学したのち、1998年からフィンランドへ。北欧フラワーデザインのパイオニアであるヨウニ・セッパネン氏の専属アシスタントを務めながら、フィンランド国立KEMPELE花卉園芸学校マスターフローリスト科を卒業。ヘルシンキ市内でフラワーショップとスクールを経営。13年間の欧州での花仕事の後、2007年に帰国。東京・新御徒町駅上の「LINOKA Kukka」で、北欧スタイルのフラワーデザインスクールを開校。趣味のコースのほか、お花を仕事にしたい方や、基本からしっかりお花を学びたい方への完全プライベートレッスンのディプロマ取得コースがある。著書『森の植物が教えてくれた 北欧フィンランドのフラワーデザイン』(六耀社)。