第2回
いちじくとオリーブ、チーズのサラダ
丸ごと1冊「いちじく」の本を出版するほど、大のいちじく好きの福田さん。福田さんの手にかかったいちじくは、なんとも魅惑的な料理に大変身。見ているだけで、柔らかい甘みが口に広がっていくようです。
好きな果物は、いちじく
いちじくが大好きです。絵画のモチーフによく描かれるのも納得の美しさ。すんなり、ぽってりした果実の形といい、絶妙な曲線を描く葉の形といい、うっとりだ。なにより、繊細なつぶつぶを含んだ、とろりとした果肉が好みです。
本当によく熟れたいちじくを割ると、中心の空洞部分にたっぷりと蜜を含んでいて、それはもう口福としか言いようがありません。最近は黒皮や緑皮、真っ赤な果肉、白い果肉など、様々な品種を見かけるようになって、ますますホクホクしてます。
本当によく熟れたいちじくを割ると、中心の空洞部分にたっぷりと蜜を含んでいて、それはもう口福としか言いようがありません。最近は黒皮や緑皮、真っ赤な果肉、白い果肉など、様々な品種を見かけるようになって、ますますホクホクしてます。

いちじくの品種はなんと200種類以上!品種によって味も食感も異なる。
秋はいちじくの本番
生いちじくの出回る時期は、けっこう長くて、初夏から晩秋にかけての約7ヶ月。中でも秋が一番、値段も安定して種類も豊富です。そう今が食べ時ですからね。
スーパーで見かけたら、傷がなく、ふっくらしたものを選んでください。家に帰ったら、すぐにパックから出して、お尻(花落ち)を上にしてタッパーに間隔をあけて並べ、冷蔵庫で保存するのがおいしく食べるコツです。
よく桃なんかに巻いてある、あの白い網状の緩衝材にヘタが下になるよう、いちじくを逆さに入れて保存すると格段に日持ちがよくなります。
スーパーで見かけたら、傷がなく、ふっくらしたものを選んでください。家に帰ったら、すぐにパックから出して、お尻(花落ち)を上にしてタッパーに間隔をあけて並べ、冷蔵庫で保存するのがおいしく食べるコツです。
よく桃なんかに巻いてある、あの白い網状の緩衝材にヘタが下になるよう、いちじくを逆さに入れて保存すると格段に日持ちがよくなります。

ぷっくりしているお尻を上、とがっている方を下にして保存する。
いちじくを味わう
いちじくで作ったお菓子やドライフルーツが絶品なのは、ずいぶん知られてきましたが、じつは料理に使ってもすごくおいしい。柔らかな甘さと軽快な歯触りは、サラダや肉料理との相性が抜群。古くからこの果物が伝播している国では、総じていちじく料理が盛んです。
旬の味とはまさにいちじくのこと。よく熟した新鮮ないちじくは、それだけで御馳走ですから、皮ごと丸かじりもオススメです。
旬の味とはまさにいちじくのこと。よく熟した新鮮ないちじくは、それだけで御馳走ですから、皮ごと丸かじりもオススメです。

焼く、煮る、蒸す、漬ける、冷凍する、干す。さまざまな調理法で楽しめる。
いちじくとオリーブ、チーズのサラダ
イタリアは、古くからいちじくの名産国。いちじくとオリーブの実、それからモッツアレラ……材料から考えて、このサラダはわたしの中で「イタリア料理」と分類されていますが、本場でこの組み合わせが実際あるのか謎です。
が、でも、いちじくのほのかな甘味と芳香に、オリーブの苦みと乳製品の旨味が合わさって、とってもおいしいですよ!
が、でも、いちじくのほのかな甘味と芳香に、オリーブの苦みと乳製品の旨味が合わさって、とってもおいしいですよ!

皮をむいたいちじくとモッツアレラチーズを手でほぐし、オリーブをちらす。オリーブ油を回しかけ、レモンピールをけずり、塩、胡椒をする。
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- 第1回栗のモンブラン風ポタージュ

福田 里香(ふくだ・りか)さん
独創的で美しいサラダやスイーツを提案する福田里香さん。Instagramにアップされる料理はまさに眼福!「いつか食べてみたい」と思っている方も多いでしょう。福田さんが、台所で偶然発見してしまったという幸福なレシピをこっそり教えてもらうことにしました。
菓子研究家。武蔵野美術大学出身。フルーツの専門店で勤めたのち、独立。果物を使ったオリジナリティあふれるスイーツや料理で注目を集める。雑誌でフードコラムを担当しながら、『いちじく好きのためのレシピ』(文化出版局)『新しいサラダ』(KADOKAWA)『R先生のおやつ』(文芸春秋)など料理本を多数出版。漫画への造詣も深く、作品に登場する食べ物の表現への考察は漫画ファンのみならず、漫画家からの評価も高い。美しい料理を次々とアップするInstagram(@riccafukuda)にはおいしいもの好きが集う。