世界記録へ 81歳の挑戦

中野陽子さん シニアランナー81歳

35歳以上のアスリートが参加する「全日本マスターズ陸上競技選手権大会」
75~79歳の部で3種目の世界記録と2種目の日本記録を持つ。
2015年3月の横浜マラソンでも最年長女性ランナーとして競技に参加し、
4時間11分50秒のタイムで完走。
東京マラソン2018でも世界記録の樹立を狙う。

2017年1月update

東京マラソン2016では惜しくもマスターズの世界記録樹立(80〜84歳部門)を逃してしまいましたが、どう振り返りますか?

正直、全然緊張はしていなかったのですが、振り返って考えてみると、なかなか平常心では走れていなかったように思いますね。平常心でレースに挑むことは、記録をねらって走ろうと思えば思うほど、とても難しいことなのだと感じています。
また、今回は前方からのスタートだったのでいつもと違い、どんどん人に抜かれていきました。自分のペースを守らなきゃとも思いつつ、やはりどこかいつもと違ったスピード感に、ペースを乱されていたのかもしれません。

また、今回は世界記録チャレンジに際して周囲の手厚いサポートもあり、給水は立ち止まらずとてもスムーズに水分補給が行えました。しかしながら、私は普段のレースで給水は、いつも5キロごとに止まって飲んでいました。それが自然と私にとっての休憩になっていたようで、今回給水で立ち止まらなかったことでいつもと違ったリズムで走ってしまいました。給水のロスタイムまでしっかり計算に入れて、ペースを計算しておくべきだったのかもしれません。

さらに、今回初めて脱水も経験しました。しっかり飲んでいるつもりでも、やはり汗として出ていくほうが多かったようで、最後はふらふらになってしまって…
皆さんがゴールで待っているから、という強い気持ちが私を前に進めましたが、今思えばとても危険な事だったなと。

また、世界記録をねらったがために、本番までにレースを入れすぎたかなとも考えています。 利尻島や札幌、神戸、勝田、函館でもレースに参加しましたし、移動も多くとにかく忙しく飛び回っていた1年でしたから、身体的な疲労をかけすぎたなと少し反省もしています。

※ 東京マラソンはスムーズにスタートが出来るよう、エントリー時に申請した予想タイム順にブロックを分けてスタートします。

中野さんの練習メニュー(1週間)を教えて下さい。

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5ヶ月前頃から徐々に準備して、上記の練習量にもっていければ、という感じです。
大会をいっぱい入れると疲労抜きの時間をとったり余計なリズムが入るので、あまり入れ過ぎないようにと考えています。

走った後のケアでやっていることはありますか?

お風呂に入って足をマッサージしますね。強さは撫でるくらいです。
そんなに特別なことはしていないと思います・・・(笑)
あとはお休みの月曜日にマッサージに行ったりくらいかな。

中野さんの1日を教えて下さい。

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いつも食べているご飯のメニューを教えてください。

和食が中心で、基本的には野菜が多く、煮たものをよく食べます。

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食事で好きなものや積極的に食べようとしているものはありますか?

積極的に食べなきゃと思っているものは特にないですね。普段の食事に入っているので。
甘いものが好きですよ!疲れた時はあんみつやおしるこが食べたくなりますね!

現在健康面に不安はありますか?

実は、4月のボストンマラソンで転んでしまって、足底筋を痛めて走れなくなってしまったんです。走れないことでストレスがたまり、胃潰瘍もなりました。
胆嚢に影まで見つかって、心も折れてしまった時もありました。(精密検査の結果以上はありませんでした)ですが、基本的にはそれ以外には健康面の不安は正直なところあまり無く、気にしていないです!

健康のために何かやっていること、気をつけていることはありますか?

ストレスを溜めないのが第一です。(たまに胃潰瘍になるので)今は走ることでストレスを発散できているので、走れないと辛いですね。

とても健康的で元気な毎日を送られている中野さんですが、これからの目標などはありますか?

もちろん、4時間12分台でフルマラソンを走り、世界記録を更新することです。
前回の東京マラソンではこの目標のために1キロを5分50秒で走ればいいと考えていたのですが、これでは全体を通して余裕のない目標でした。
もう少し早いペースで走れる時も、忠実に目標にピッタリのペースに合わせて自制して走ってしまったので、いざペースが乱れた時に取り返さなくてはいけない時間が大きすぎて挽回できませんでした。

実際は4時間切ることを目標くらいにしておけば、それだけ余裕が生まれたのかもしれません。
前大会の結果から、大事なのは「余裕」だと感じたので少し高いくらいの目標設定での練習が必要だと思い、今は初心に戻って、目標を作り直 しているところです。

今後はあまりレースを詰め込み過ぎず、少しずつ5ヶ月かけてフルマラソンの準備をしようと思っています!

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